Salon de Verde パーソナルコーディネート お買い物同行✨ホシノエミコさん編
さて、今回のクライアントはnote仲間のホシノエミコさんです。
現在、北関東にお住まいのエミコさん、今月半ばに遠方に転居されるとのことで、関東を離れる前にとSalon de Verdeに申し込んでくださいました。感謝です!
エミコさんのオーダーは「自分に合ったメイク用品とその使い方を伝授してほしい」という内容でした。これまでご自分では軽くファンデーションしか使ったことがないそうで、アイシャドウやアイブロウ(眉)、チークやリップなどのカラーものを一緒に選んでほしいということです。
そうなんです。私のパーソナルコーディネートは「メイク」もメニューにあります。
私は幼少の頃から母の仕事(というほどのアレではなく自宅でのんびりやっていたことなのですが)の都合で家の中にたくさんの化粧品がありました。いつも母のドレッサーの中にある、何に使うかわからないカラーパレットやクレヨンのようなものや綺麗な化粧瓶に入った液体を眺めたりいたずらしたりしながら育ちました。身の回りにあるもので遊ぶのは子供の習性です。「これなんだろ?」と思いながら真っ赤な口紅をまぶたに塗ったりスティック状のブルーのアイシャドウをくちびるに塗ったりして遊んでいました。
これまで私が就いてきた仕事としては洋服がメインでしたが、若い頃に化粧品会社に約2年ほどいたことがあり、皮膚生理学や化粧品に関する成分的な知識、香りや色についても学んできました。というか、子供の頃から化粧品が単純に「好き」だったから、いわゆる“コスメオタク“という方が正しいかと思います。自分でも高校生の頃からありとあらゆる国内外のメーカー、ブランドのコスメを使ってきて、そして仕事としてもたくさんの人の顔を触ってきましたので(特にご年配のご婦人のメイクは得意です!)、経験として身についていることでお役に立てることを提供している、という感じです。
Salon de Verdeのお買い物同行は、ファッションと同様にコスメもフィールドは無限です。
クライアント一人一人のご要望にお応えすべく、その人に合ったものを探していくことが私の仕事。今回のエミコさんのご希望は「プチプラコスメで揃えたい」ですので、まずはお買い物の場所を決めようと思います。
選んだのはアトレ大井町。
何故に大井町?いえいえ、ちゃんと理由があるんです。
エミコさんはnoteにも書かれていますが、ここ数年コロナの後遺症に悩まれてこられました。体調にはいまだに波があり、昨年あたりからようやく動き出すことができるようになったと。なので、ただでさえ疲れる「お買い物」を少しでも負担が少ない状態で行いたい。本来なら原宿駅前の@cosme TOKYOや、新宿や銀座の街に繰り出して、華やかな場所でワイワイと楽しいお買い物をした方がいいのでは?とも思いましたがしかーし!時はゴールデンウイークがスタートしたばかりの日曜日、ごった返す人の中でゆっくりとコスメ選びなどできそうもないなと思いました。人混みだけで疲れてしまいそうです。なるべく空いていて、しかも物が豊富で、テスターで試したり悩んだりする時間やスペースを確保できそうな場所。それが大井町アトレだった。まぁ簡単に言えば、勝手知ったる自分の庭みたいな場所でゆっくり買い物したかった、というわけです。
いつ行ってもゆったりとしていてストレスなく必要なものを試して買える場所。プチプラコスメが揃ったドラッグストア、PLAZA、LOFTがあり、必要ならば憧れのデパコスの主要ブランドが揃うISETAN MiRRORまである。いいでしょ?大井町アトレ。
お約束の前日、仕事帰りに立ち寄って、各メーカー、コスメブランドがどの場所にあるか再確認、新色の品切れはないか在庫棚をチェックし、エミコさんに似合いそうな色目や質感に目星をつけておきました。星の数ほどあるメイクアイテムの中から、1時間半で初見のクライアントにピッタリの品を探すのは、面白いけどやはりとても難しいのです。下見は大事。
当日、エミコさんが待ち合わせの場所で先に待っていてくださいました。
初めましてなのにお久しぶりっていう感覚になるのは、いつも私の主催するオンラインサロン「大人相談会」で顔を合わせているから。しかし実際にお会いしてみると、オンラインでの印象とは少し違っていました。ほぼすっぴんで来ていただいたのですが、シミもシワもない!きめが細かく、とても滑らかな肌をしておられます。私は心の中でガッツポーズ!絶対にメイク映えすると確信しました。そして、この瞬間、自分の中でエミコさんのこのきれいな素肌をいかした「ツヤ&透明感+光で華」をテーマに決めました。
どんな仕上がりにしたいかをテーマとして明確に持つことで、商品選びがスムーズになります。ただ流行りの色や人気のアイテムだからと飛び付いたところで、当人に合うかどうかは分かりません。目指すところを決めてからお買い物に挑むことは洋服もコスメも同じですね。
まずは肌作りから。
昨今、毎年のように各メーカーが新処方のものを更新してくる日焼け止め。エミコさんはこれまで使っていなかったということで、まずはこちらをおすすめしました。
アリー クロノビューティージェルUV EX SPF50+/PT++++ ¥1980
とにかく気持ちのいい使用感。みずみずしく伸びてしっとり、白浮きなし。カラーレスなので全身に使えます。特にこれからの季節、首(特にショートカットの方は後ろの首から肩にかけて、露出の多い部分は念入りに!)からデコルテ、手の甲やサンダルから出る足の甲や指など、有害な紫外線から全身をしっかり守ってくれます。大容量なのも嬉しいですね。日焼け止めは一年中使うんですよ、と申し上げたら驚いておられました。まずはこちらをしっかりと塗ってから、メイクものを探しにスタートです!
上階のLOFTへ行きましょう。
ここは新しいコスメブランドがとても充実しているのです。巷では今、どんなメイクが流行っているのか。どんなカラーが主流なのか。流行を察知するには非常にありがたい商品構成。主に店頭にそういった流行り物が魅力的なポップやビジュアルと共にずらっと並んでいるので飛びつきたくなりますが、ここはグッと我慢。まずはメイクのベースとなる肌に必要なものを探しに、プチプラコスメのド定番、大人色が揃う安心のexcelのコーナーへ。
ここで私が目をつけたものは、ファンデーションの前に使うキラキラと光るコントロールカラー、サナ エクセル グロウルミナイザー UV GL02(ベージュグロウ) ¥1870です。
3色あるうちのベージュ系にしました。このアイテムは肌のトーン(色むらやくすみ)をシャンパンゴールドの光で飛ばすことによってカバーし、健康的な艶をもたらすという優れもの。乗せる場所は顔全体はNG。頬の中心部分の高い位置と鼻筋、額、顎先に。広げすぎないのがコツです。あくまでも高い位置に光を忍ばせることで、立体感を出して肌色をトーンアップします。実際にエミコさんの肌に伸ばしてみますと、光を当てたような柔らかい艶が出ました。これでくすみやクマはほとんど隠れる状態です。沈んだ影は光で飛ばす。このベースを使えばカバー力の高いコンシーラーはいらないと判断しました。手順としては、この上からリキッドファンデーションを薄く重ねます。首との境目が出ないよう、リキッドファンデーションも頬の中心から外側へと伸ばしていきます。お顔の中心部分がキレイだと、肌全体が美しく見えます。シワになりやすい目の下やほうれい線の部分は特に薄く。顔の外側の下部分、エラの付近はほとんどつけません。肌がナチュラルだと顔の印象自体がカジュアルで若々しく、垢抜けて見えるのです。
お買い物をしながら、今現在使っているものがエミコさんに合っているかどうか、必要か否かを見極める作業を並行してみていきます。持ってきていただいたエミコさんの普段お使いのリキッドファンデーションを手の甲で試したところ、薄づきて艶のある、そして保湿効果も期待できる物であることが分かりましたので、引き続きファンデーションはこれでいいと判断しました。
さて、ファンデーションの次はお粉です。リキッドファンデーションを肌に定着させ、崩れにくくする働きがあるフェイスパウダー、私は選んだのは、プチプラコスメの王道、CEZANNE うるふわ仕上げパウダー03(ルーセントクリア)¥858です。
このパウダーは美容家YouTuberの間でもよく紹介されている逸品。透明感はもちろんのこと、きめ細かくて白浮きせず保湿効果もあり、文句なしのクオリティー。なのに、なんとお値段1000円以下!セザンヌさん凄すぎ。
付属のパフを使ってもいいのですが、大きめのフェイスブラシでフワッとお顔全体を撫でるようにつけるとより一層ナチュラルな仕上がりになるのでおすすめです。
そう、これをいうのを忘れてた。メイクの要はブラシにあり。
今回、エミコさんに事前にDMで伺っていたのですが、メイクブラシをお持ちでないことがわかっていました。そこで私がお土産に持参したのが、イチオシのメイクブラシブランド「Rosy Rosa」のアイシャドウブラシです。
このブランドは昔からありますが、その日進月歩ぶりがすごいのです。ドラッグストアで買えるプチプラです。
因みに、今私が絶賛愛用中のブラシは、リキッドファンデーションをむらなく伸ばすことができる「マルチファンデブラシ」。
これマジでおすすめです。リキッドファンデだけでなく、クリームファンデやクッションファンデはもとより、パウダーファンデにまであらゆるファンデーションに使えます。指で伸ばすよりも広範囲を一気に、そして薄くムラなく簡単に伸ばすことができるのです。使ってビックリ。使わなきゃ損とも言わせていただきます。そして私はこのブラシをシミを隠すコンシーラーを肌に叩き込むのにも重宝しています。ブラシを垂直にトントンと叩くようにしてコンシーラーを定着させるのにとても良い!指で馴染ませるよりしっかり隠れます。専用のコンシーラーブラシも売っていますが、このマルチファンデブラシの先端を使って十分できます。
コンシーラーの使い方は色々ありますが、今回エミコさんは必要ない肌でしたのでここでは割愛します。すみません。ブラシ愛が過ぎてまたもや寄り道です。
さて。いよいよアイシャドウです。
私的にオススメなのが、大人カラーでお馴染みのブランド、先程のコントロールカラーと同じexcelです。セレクトしたのはど定番中のど定番、サナ エクセル スキニーリッチシャドウ SR01 (ベージュブラウン)¥1650です。
このカラーは、まず持っておいた方がいいと断言します。これさえあればどんなファッションにも、どんな場所にも、どんな服装にも、どんな人にも「合わないものがない」と言える必須アイテムです。もしもこれを読んでいるあなたがアイシャドウを使ったことがないなら、一番最初に買うファーストアイシャドウとして、この商品を強くお勧めします。
まず誰がどのように使っても失敗がないです。色の出具合が優しくて、ベタッとつかない。パウダーの粒子が細かく、且つしっとりしていて粉ウキや飛び散りによる失敗がなく、ふんわりした質感で重ねても重ねても厚ぼったくなりません。どれだけ重ねてもOKです。そして4色全て捨て色なし!これ、意外に稀有なことなのです。
さて、ここで質問。
多色入りシャドウって皆さんどんな印象がありますか?
*使い方がいまいちよくわからない
*どの順番で使うかがわからない
*全部の色を使いきれない
*どの色をどこに塗るのかわからない
*捨て色があって均等に減らないから勿体無い
などなど、結構使いにくいという印象があるかもしれません。
しかし、この「サナ エクセル スキニーリッチシャドウ SR01 (ベージュブラウン)」に関して言えば、そういった心配は一切なしです。必ず皆さん美しくなれます。お値段なんと¥1650。(なんか段々テレビショッピングみたいになってきた)
使い方ですが、まずはアイシャドウブラシを用意しましょう。メイクブラシを持っていないというエミコさんのために、お土産に持って行ったRosy Rosaが役に立ちました。
二本入りの大きな方を使い、最初に4色のうちの上の2色を混ぜ混ぜして筆にたっぷりと取ります。そう、ミックスするのです。4色あるからといって、必ずしも一色ずつ使わなければいけないなんて誰が決めた?使い方は一応ケースの裏にガイドがありますが、自由に使えばいいのです。私はそう思う。
上の2色を混ぜ混ぜして、手の甲でトントンと余分な粉を落とし(と言うか、落ち着かせ)、まぶた全体にブラシを大きく左右に動かしながら入れていきます。まずは第一段階として、まぶたのくすみを払拭しベースを作るのです。まつ毛のきわから眉毛のキワまで、目の幅よりやや外側まで思い切りよくいきましょう。このベースを入れるか否かかで、仕上がりは全く違ってきます。2色を混ぜることでより自然に肌に馴染むカラーになり、次に載せるカラーの色出しを和らげる効果があります。一枚薄いベールを被せるような感覚です。
同じように上の2色を混ぜながら筆先に取り、下瞼のきわ5ミリほどの太さでふんわりとなぞる様に入れます。下瞼にも全体に?そう。これ、小顔効果ありです。
下瞼にはシャドウを入れない人って結構いらっしゃるんですが、明るめの色をふんわりと入れる(ダークな色を全体に入れるとクマっぽくなるので注意!)ことで顔の目の下の面積を縮める視覚効果があります。のっぺりと大きな白い顔は危険危険!ただでさえ年を取ると弛んで頬が下がり、顔面積が大きくなるんですから恐ろしいったら!縮めましょ縮めましょ!
はい、次に同じブラシに下の2色を混ぜて取り、上まぶたの目頭から目尻まで二重の幅より少し広めに入れます。まつ毛のきわからスタートして上に向かってワイパーのようにブラシを左右に動かしながら、目を閉じたり開けたりしてアイシャドウが入った位置を確認しながら塗っていきます。まぶたの二重の皮膚に入り込んで全てが隠れてしまわないよう、目を開けたときに少し見えるぐらいの幅まで入れます。
次に小さい方のブラシに右下の一番ダークな締め色を取り、目尻より少し外側にはみ出る位置から、外側→内側の方向で、目尻側のみ、黒目の位置ぐらいで消え入るように重ねて入れます。必ず一方向で筆を動かすこと。外から内へ。
ベースの色との境目がくっきり出ないよう、指の腹で馴染ませながら自然にぼかしていきます。この時、鏡の位置に注意。あまり近い距離で塗っていると、全体のバランスが分かりません。鏡に近づいたり離れたりしながら、左右の目が均等なグラデーションになるように入れていきます。
最後に付属のチップを使います。チップでつけると色がよりはっきりと出ます。
まずは下の2色をチップで混ぜながら取り、手の甲でトントンしたら下瞼の外側から内側に向かって目の幅3分の1ぐらいまで入れます。グッと深みが出てきますね。もう一度、今度は右下の一番ダークな色だけを取り、うわまぶたのまつ毛の際にライン状に重ねます。そのまま続きで下まぶたの際にも少し。これで〆完了。
あくまでも自然なグラデーションを目指します。これだけの工程を重ねても、このアイシャドウなら自然な仕上がりになること請け合いです。
さて、ここでまた質問です。
皆さんはいつもどんな場所でメイクをされているでしょうか。
私はいつも、洗面台の鏡の前でメイクします。蛍光灯の白い光で影が出ない場所で行います。一般的な洗面台の前だと、真っ直ぐ立つと鏡までの距離は約50センチです。それぐらい離れてみた時に全体の色のバランスがよく分かります。鏡に顔を近づけたり離れたりしながら、何度も見え方をチェックします。
特にアイシャドウや眉は左右のバランスが大事です。至近距離だけではわからない色のバランスや濃さをチェックするためにも、光と距離はとても大事なポイントです。老眼が気になるお年頃ですが近づいたり離れたり、やってみてください。
さあ、ここからはプラスアルファのテクニックです。
この4色アイシャドウで自然な陰影が出せましたが、さらにもうワンランク上を目指して磨きをかけます。
今回のテーマは「ツヤ&透明感+光で華」。そう、年齢を重ねた肌に一番欲しい「華」を出すための光を足しましょう。
そこで使うのがラメ!キラキララメ!
えぇ?ラメなんて、ギャルみたいにならない!?って・・・
なるもんか。
あのね、あくまでも“一匙の華やぎ“を出すためです。そしてこのキラン✨こそが、私たち年齢を重ねた女性に必要な「華」なのです。
使うのはこちら。セザンヌ シングルカラー アイシャドウ 04。
キラッと輝く透け感ラメ、なんとお値段¥440✨
こちらを中指の腹でくるくると取ります。そしてまぶたを閉じたの黒目の上、真ん中あたりに軽くポンポンポン。ラメをまぶたの中心部分に優しく乗せる感じでポンポンポンです。
さぁ、目を開けてみて。立体感のある、上品で華やかな目元が出来上がりました。
エミコさん、アイシャドウ初体験。仕上がったご自分のお顔を鏡で見てびっくりです。
「見たことない自分です・・・」
そうでしょうそうでしょう。私もこの瞬間に立ち会えてとても光栄です。
エミコさんが鏡を見る瞳がキラキラと輝いています。
さぁ、目元の仕上げはマスカラです。
ここでもエミコさんは驚きます。何せマスカラヴァージンのエミコさん、これまでビューラーも使ったことがないそうで、フッサフサのまつ毛をしておられます。羨ましすぎ。
使うマスカラはこちら。D-up パーフェクトエクステンションマスカラ 新色のピュアブラウン¥1650です。
このマスカラはバランスがとてもいいのです。まず使いやすい先細のコンパクトなブラシ。そして繊維が入っておらず、粘度がちょうど良い感じでゴッテリつかない。重ねづけすることでどんどんボリュームアップか可能。落とす時もお湯でオフできるという優れものです。私もこれのプラムブラックという色を愛用しています。
そうなんですよ。ここ数年、マスカラはブラックじゃないんです。アイラインもマスカラも、黒じゃない。これまでの常識を覆すような、ある意味革命が起こりました。なぜ?まぁ、一言で言えば、日本企業の努力の賜物ではないでしょうか。微妙なニュアンスカラーが流行り出してこの方、各メーカーがこぞっていろんなバリエーションをどんどんどんどん出してきています。試さない手はないですよ。黒は卒業しましょう。ニュアンスカラーのほんのりした色気、優しい目元は一気に“今どき顔“を作ってくれます。
あ、マスカラの付け方ですよね。
まず、ブラシをボトルから引き出してみましょう。ボッテリとブラシに液がついていますね。それを何度かボトルの口でしごくように抜き差しして余分な液をこそぎ落とします。適度にブラシに液が含まれたら、まずは上まつ毛から。まつ毛の下側、根元の部分にブラシを横にして押し当てるように細かくギザギザと左右に動かし、まつ毛の根元に食い込ませる感じでしっかりと液が付いたらスッと毛先に向かって撫で上げます。これを何度か繰り返します。根本にマスカラ液が一番付いている状態から、毛先に向かって自然に細くなるように。これは回数を重ねて練習するしかありません。頑張って。まつ毛が扇状に広がるよう、目尻はブラシの先端を使って一本ずつ外側に広げるようにして塗り重ねます。
下まつ毛はブラシを縦にして持ち、ブラシの先端を使って横にスライドさせるように動かしながら付けて。間違って肌に付いても慌てない。綿棒をクルッと回転させながら絡めとるようにしてください。決してゴシゴシ擦らないで。
エミコさんの場合、このマスカラでしっかりとカールがつきましたのでビューラーは要りませんでした。
マスカラをつけたご自分のお顔を鏡で見てまたまたビックリ!お目目が一層大きく、ハッキリとした印象の目元になりましたね。
アイラインは引かないんですか?って?
そうなんです。エミコさん、アイライン要らないんです。
それぐらいまつ毛が密集していて、長さもしっかりとあり、マスカラを付けたらまるでアイラインを引いたような目元になりました。
アイラインは人工の「まつ毛の影」です。日本人のまつ毛は細くてまばらで短いことが多く、目をパッチリと大きく見せるために黒いアイラインを引く必要があるというのが一般的な見解ですが、エミコさんの様な毛量も長さもあるまつ毛をお持ちの方は必ずしも必要なく、逆にトゥーマッチになってしまうこともあります。
例えばのご提案ですが、マスカラ同様に今流行りのニュアンスカラーで目尻だけに赤みブラウンやグレイッシュパープルやカーキのリキッドアイラインをスッと引く、なんて素敵じゃないでしょうか。次の機会にぜひ試していただきたいと思います。
アイメイクができたら次はアイブロウです。エミコさんはこれまでメイクをしなかったことが幸い?して、見事な眉毛がしっかりとありました。これはありがたい!事前の打ち合わせで軽く眉カットをしていただくことをお願いしていましたが、とてもお上手に整えてきてくださいました。アイブロウはほとんどいらない感じです。眉尻までこんなに綺麗に眉毛が存在している50代女性はなかなかいません。大概無い。若い頃から抜いたり剃ったりを繰り返していると、毛根が死んで毛が生えてこなくなります。特に眉山は致命的です。眉毛をグイッと上げてみて。本来、筋肉に沿って毛が生えているのですが、ここが無い人がとても多い。骨格に沿って筋肉があり、筋肉に沿って眉毛は存在します。なのにそこに毛が無かったらとても不自然なんです。無くなった眉山は再生不可能。だから皆さんアイブロウで描き足さなくてはならないのですが、エミコさんはその必要がありませんでした。逆にしっかりとある濃い眉毛を柔らかな印象に仕上げていきたいと思います。
眉毛がしっかりあるからといって、何もしないというのはちょっと違います。せっかく綺麗にアイメイクしているのに、眉毛はノーメイクだとバランスが悪くなります。ちょっと間抜けな印象。メイクはバランスが大事です。
おすすめしたのは私が長年愛用しているアイブロウ、ケイト ラスティングデザインアイブロウW(スリム)BR-3 ¥1210。
赤みのないグレイッシュなダークブラウンは万人に使える優秀カラー。片方にチップ、もう片方にはペンシルがついています。先にチップで大まかに色を入れ、ペンシルで欠けた部分を補足します。
これまで私は長きに渡り、ありとあらゆるアイブロウを試してきましたが、結局これに勝るものなし。誰でも簡単に使えて失敗しません。ケイトはこのほかにもたくさんの種類のアイブロウを出していますが、基本となるのはこのタイプだと思います。ペンシルが薙刀型のものもありますが、一本一本細く描けるこのスリムタイプが一番使いやすいと思います。超絶おすすめ。私はこれを一生使い続けると確信しています。カネボウさん、お願いだから廃盤にしないでね。
余談ですが、私がよくやるテクニックとして、アイブロウを使う前に眉にアイシャドウを仕込むという方法があります。丸い凸型のアイシャドウブラシに締め色に使った一番ダークな色と次に濃い色2色を混ぜて取り、眉の地盤に色を入れていきます。アイシャドウだと色の出具合がアイブロウより優しいのです。そして眉の地盤に色を仕込むことでアイシャドウとのバランスがとれて、眉の形の大まかなガイドラインにもなります。眉毛からはみ出さないように適当に乗せて大丈夫です。ブラシもアイブロウ用のものではなく、凸型アイシャドウブラシがおすすめ。目のキワの〆用にもめっちゃ使いやすいです。
すみません。ちょっとニッチすぎました?メイク好きな方はお遊び感覚で試してみてください。オレンジ系のメイクの時などはオレンジのアイシャドウを眉に仕込むというのは特に効果的だと思います。とってもオシャレになりますよ。メイクはアート。お絵描き感覚で楽しんでみてください。
さぁさぁ、寄り道は程々に。一気に仕上げてまいりましょう。
エミコさんにお会いした瞬間に感じたことの一つが血色。顔色が悪いとは言いませんが、チークで印象が変わると直感しました。できればもう一段階上のハイライトのテクニックも使いたい。顔色を良く見せて、元気で若々しいイメージに仕上げていきたいと思います。
使うチークはこちら。サナ エクセル オーラティック ブラッシュ AB02 (アプリコットジャム)。
難しいテクニックは要らない、グラデーションになったチークです。この大きさも良いんです。形状が小さかったり細長かったりするチークは使いにくいです。正方形で大きめの面積のチークは初心者にはとても使いやすいと思います。しかもグラデーションになっているのでチークブラシにクルクルと取るだけで簡単につけられます。この付属のブラシも大きめで使いやすい。本来ならチーク用に大きなブラシをお勧めしたいところですが、このチークに関しては付属のブラシが優秀なのでこれでもいけると思います。お値段なんと¥1980。文句なしです。数色ある中から一番明るいカラーを選びました。
エミコさん、この色を見て明るすぎないかと戸惑っていますがこれでいいんです。肌に乗せればわかるはず。
チークを入れる位置は、黒目の下、頬の高い位置を中心に、横に広い範囲でふんわりと入れていきます。こんなにつけて大丈夫?というぐらいに重ねてつけてちょうど良い感じになります。大きなチークブラシをお持ちの方は、たっぷりとブラシに含ませて手の甲でトントンしたら、黒目のすぐ下の位置からポンポンポンと優しく置いていく感じで色を載せていきます。決してブラシを左右に擦らない。ポンポンポンです。顔色がいいね、という印象を目指しましょう。
ポッと上気したような可愛らしい印象です。一気に肌の明度と彩度が上がりました。さらにもう一手間で立体感と華やぎをプラスしたい。そう、欲しいのは「光」です。
使うのはこちら。レブロン ルーセント フニッシュパウダー 001シアーパステル
¥1650。
このパウダー、かなり優秀です。上から順番にブルー、グリーン、ピンク、パープルの4色が一つになっています。くすみを払い、透明感アップ、そして上品なパールの艶のベールが大人の品格を上げてくれます。ありがたや。
これはぜひともパウダー用のフェイスブラシを使っていただきたい!ということでここで新たなアイテムを投入します。
ロフトファクトリーパウダーブラシR ¥950
Tゾーンと、顎先、そして目頭の下の窪んだ部分から目の下を横に滑らせるようにブラシでササ〜っとひとハケ。光の反射で骨格が際立ち、メリハリ感がアップ。クマやくすみが気になる目の下側にライトを当てたような光のレフ板効果がヤバいです。パールのような輝きが上品。めっちゃキレイ。
午後のメイク直しにもぜひ使っていただきたいので持参したパフを差し上げました。なんとコンパクトにピッタリサイズ。いい仕事してくれよ!
いよいよ最後の工程です。リップも信頼のexcelで良いお色を見つけました。
サナ エクセル グレイズバームリップ GB09(セピアモーヴ)¥1760
リップスティックをくり出すと、一見、黒っぽいダークで沈んだ色に見えますが、手の甲に塗ってみると非常に透明感があって“バーム“というのがよくわかる。まるでリップトリートメントのようなツルンとした塗り心地です。見た目と違ってシックではあるけれど濁りのないカラーで明るく発色するので、くすまず浮かず、良い加減に馴染みそうだと思いました。
中指の腹をリップの先端に当ててくるくると取り、唇にトントンと乗せてみると、思った通り洗練された大人のモーヴカラーでエミコさんの肌の色にもとても馴染んで発色しました。ナチュラルは質感をいかすため、筆にとらず指で少しずつ色を乗せていきます。アウトラインをはっきりさせないで、唇の血色がジュワッと浮き立つような感じに。まさに、香り立つ大人の色気。
一般的に、顔色をよく見せたいがために選びがちなのが、見た目も明るく可愛い、青みのピンクやローズカラー、または明るいレッドですが、いざ塗ってみると肌の色から浮いてしまって下手をすると厚化粧の印象になってしまいます。このリップは直接の見た目はダークな強いカラーに見えますが、透明感があるからつけてみると意外にも肌馴染みがいいのです。
唇は人それぞれに色素の違いが大きいので、リップの色の見た目に惑わされず、自分の唇に乗せてみて選ぶことが大事です。ナチュラルにしたい時は指先に取りトントンと。しっかり発色したい時にはスティックの直塗りで。エミコさんがお悩みだった「オンラインでのメイクがすっぴんに見える件」も、“直塗り“でかなり解決すると思います。ライトを使うと少々のメイクでは光で飛んでしまいます。これはやりすぎかな?ぐらいでちょうどいい。ポイントメイクのリップとチークをいつもの2倍、いや3倍重ねてつけてみてください。画面を通すときちんとメイクした感じが伝わると思います。特にお仕事の時にはこの“きちんと感“がとても大事なのです。
初めてのフルメイクアップでエミコさんのテンションはマックス状態に。頬は紅潮し、目には光が宿ってエネルギーに満ちています。顔色がよく、健康的でセクシー。興奮状態でアドレナリンが出ているとはいえ、表情がイキイキとし、本当に美しく光り輝いているのが分かります。
たかがメイク。されど。
女性って本当にメイクで変わるのです。見た目は言わずもがな、一番変わるのは心です。鏡に映るいつもと違う自分を見て、自信を持った女性は本当に美しい。私はいつも思います。もっともっと、自分の魅力に気づいて、と。
ルッキズムを否定する世論はいつの時代もあります。それを否定はしませんが、美しくなることが悪いという人はいない気がします。美しくなることで自分に自信が生まれ、行動が変わり、人との関わり方も明るく開くように変わってゆく。ひいては人生を変える力がメイクにはある、と私は信じています。
一人一人の可能性を最大限に引き出すお手伝いがしたい。だから私はライフワークとしてパーソナルコーディネートという仕事を始めました。
エミコさんは今回の体験を早速noteの記事に書いてくださいました。自らスッピンとメイク後の三段階セルフィまで掲載してくださいましたよ。素晴らしい!
今後、新天地で新しい仕事に就き、人生を切り開いてゆくスタートラインに立って、メイクという新たな武器を手に入れたエミコさん。ますますのご活躍をお祈りしながら、この機会を頂き、ご一緒できた喜びと共に感謝の言葉を述べさせていただきたいと思います。
この度はSalon de Verdeをご利用いただきまして、誠にありがとうございました。また一人、美しき女性と出会えて私は幸せです。
〈今回のお仕事内容と料金〉
*内容 パーソナルコーディネート お買い物同行&メイクアップ&使い方指導
*場所 大井町アトレ
*時間 1時間45分
*料金 15,000円
*パーソナルコーディネートのご相談、お問い合わせはXのDMまたはこの記事のコメント欄でお待ちしております。
これまでの仕事の記録、クライアントによる感想note記事などは下のマガジンでお読みいただけます。
*この記事内容及び画像はクライアントの許可を得ています。
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