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見つけないでください

あなたのことをいつも見ていました。

パートナーがいることも知っているし、この先あなたとどうなりたいとか、そんなことはまったく考えてはいないのですが。

あなたの書く文章が好きです。毎日、あなたの文章が新しく投稿されているかどうかをチェックするところからわたしの一日は始まります。

今日は朝イチで見つけたので、とてもハッピーな始まりでした。Twitterであなたのフォロワーさんがシェアしてくれるのですぐにわかるのです。

わたしはあなたのことをフォローする勇気はありません。なのであなたのフォロワーさんたちをフォローして、その人たちがあなたの文章をコメント付きでリツイートしてくれるのをひたすら待っているのです。

読んでも「いいね」は押しません。なぜならわたしの存在を知られてしまうから。何故知られたくないかって?あなたとわたしの間には目に見えない深くて大きな大きな川が流れているからです。

思いきって泳いで渡ってみようかと、何度も何度も勇気を振り絞ろうとしたのですが、やはりできませんでした。わたしには、あなたは眩しすぎます。あなたは燦然と光輝く太陽のようでもあり、孤独の中でひっそりと佇む、夜空に浮かぶ月のようでもあります。眩しくて、神々しすぎて凝視することはできません。

あなたの書く文章から、あなたのやさしさ、おもいやり、はかなさ、尊さ、潔さ、清らかさ、聡明さ、残酷さ、強さ、弱さ、可愛さ、無邪気さ、美しさ、人間臭さ、未熟さ、妖艶さ、切なさ、狡さ……様々な感情が伝わってきます。でも、わたしはあなたの文章を底の底、裏の裏まで正確に読み解いているという自信がありません。だからあなたにそのことを知られるのが怖くて、わたしの存在を知られたくないのです。

あなたにとってわたしは、なにものでもなく、存在すら知られていないと思うからこそ、ようやく心安らかに、存分に、その文章をわたしの好きなように解釈し、愛でながら、こころゆくまで堪能することができます。なんという贅沢でしょう。

近頃はあなたの声を聴くことができますね。このSNSというのは、なんて便利でステキなプレゼントをわたしに届けてくれるのでしょうか。わたしのアイコンをあなたが見つけてくれる日は来るのでしょうか。どうか見つかりませんように。いや、見つけてほしい気もします。

今日もあなたの文章と声が、わたしをやさしくつつんでくれます。誰にも知られず、誰からも声をかけられることなく、ひっそりとあなたのことを見つめ続けます。

これは恋でしょうか?いえ、そんな安っぽいものではありません。恋などしたくはありません。あやふやで儚くて、ガラス細工のオモチャのようにぶつけたらすぐに壊れるような、そんなものなどわたしは欲しくはないのです。もっと確かなもの。わたしのこころをやさしく、つよく、しなやかに保ってくれるもの。今日も生きていていいよと赦されるもの。わたしがわたしのことを赦せるもの。それさえあれば、いいのです。

あなたの文章はわたしを赦してくれます。あなたの声はわたしを赦してくれます。わたしはあなたのおかげでわたしを赦しながら、なんとか今日も生きています。

あなたにこの想いが届きますように。わたしのことを見つけないでください。どうかこれからもずっと。


#妄想  #手紙 #想い #SNS #赦し

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