私の偏愛note 8 「コスメ道」(ポイントメイク編①) #コスメ日記
前回のベースメイク編が意外にも評判が良かったので、その熱が冷めないうちにいってみようと思います。今回はポイントメイクです。先に述べておきますが、今回の私の提案は「ナチュラルな普段仕様のメイク」に限定します。それほど、一言では言い尽くせないのがメイクアップの奥深いところです。
アイシャドウ
昨今のマスク事情でにわかに気を使うようになったのがアイメイクですね。マスクで顔の半分、特にチークとリップが隠れるということは顔に赤みの色が無い状態です。これね、結構寂しいものですよ。女性らしさや可愛さを表現する色味が隠れちゃうんですから。私は現在、洋服を売る仕事をしていますが、このウイルス騒動以降、「綺麗な色の服が着たい」「顔映りの良いトップスが欲しい」「赤いバックが欲しい」などの声を聞くことが少なくありません。みんなどこかで「明るい気分」を味わいたいし「鬱々とした気分を晴らしたい」という願望があるのではないかと思っています。
確かに今年のアイシャドウの新色は「赤っぽい」色が目につきました。まぶたにほんのりと赤みを差すとなんとも言えない色気を添えます。途端に女性らしさがふわっと漂います。そんなことも今年のアイメイクを語る上でちょっと気付きました。
ところでアイメイクですが、皆さんどういった手順で進められますか?一般的なセオリー通りにいくと、アイシャドウ → アイライン → マスカラ となるわけですが。私的にはその時のイメージする仕上がりによって先にアイラインを引いたりします。その上にシャドウをぼかしこむことによってアイラインが「線」から「影」へと変化します。アイラインの役割は密集した睫毛。アイラインの存在が分からないぐらい「睫毛の影」にすることができたらナチュラルメイクは成功と言えるのではないかと思います。
テクニックは様々ありますが、皆さんがやり易い事を想定して、今回はアイシャドウからいきましょう。季節ごとに新色が出るアイテムですがどれか一つ、これさえ抑えておけば間違いない、というマストアイテムをあげるとすればこちら。
ルナソル スリーディメンショナルアイズ 01(ナチュラルベージュ)
このブランドは日本製で(母体はカネボウ)デパートでなくても割合手に入りやすいので一度は使ってみたことがある、という方もたくさんいらっしゃると思います。そして基本の色としてよく雑誌にも取り上げられているのはこちら↓が多いのではないかと思います。
スキンモデリングアイズ 01 (ベージュベージュ)
確かに一番自然でナチュラルに仕上がります。ですが、あえて私はこちらではなく上のスリーディメンショナルの01をお勧めします。左上と右下の三層に分かれたグラデーションにそれぞれ違った大きさの粒子のラメが含まれていて、これが絶妙に良い仕事をしてくれます。細かいラメはまぶたのくすみを飛ばし、華やかさを与えてくれます。自然に見えるだろうとマットな色目を選ぶ方が多いかと思いますが、下手をすると沈んで見えて地味で暗い印象になりがち。余程の色白さんでシミもシワもない若く美しい肌の方以外は、少しパールやラメが入ったもののほうが逆に自然な陰影と華を与えてくれるのです。まあ、騙されたと思って使ってみてください。そしてアイシャドウの多色パレットというのは大抵使えない色が一つはあるものですが、これに関しては全色フル活用です。私はこの色番を欠かしたことがなく、使いきる前にリピート買いします。よく考えてみたらこの色番意外、アイシャドウパレットって使いきったことないかも…?それほどわたしにとっては「なくてはならない」アイテムです。
①まず、左上のシャンパンベージュを大きめのブラシに三層のグラデを混ぜるように取ります。最初にブラシをまぶたの真ん中においてからそこを中心にして眉の下まで全体に広げるため、付属のチップではなく大きめのブラシ(親指の爪ぐらいの平筆が理想)を使うことによって素早くムラなくつけることができます。(下図参照)
こうしてまずはベースを作ります。まぶたのくすみを飛ばし、次に重ねる色が綺麗に発色します。全体が同じ濃さではなく、中央部分に重きを置く感覚で。パールとラメによる効果で中央に光が集まり立体的に見えます。ついでに下まぶたの目頭寄りの部分にも少し。白目がクリアに見え、明るくパチッとした目になります。
②右上のライトベージュを同じ筆に取り、目尻からアイホールの方向にぼかし込みます。するとあら不思議、途端に彫りが深くなったような印象になります。まつげの際から上に移動していくようにブラシを左右に動かしながら塗り込んでください。ここでも大きめのブラシなら失敗しません。(下図参照)
外側が濃くなるように入れてみてくださいね。
③左下のライトブラウンを同じ筆に取り、先ほど入れたライトベージュの上から重ねます。重ねる範囲はライトベージュの一回り小さめ。アイホールより外へは大きく出ないように入れます。外側から内側へブラシを動かすと失敗しません。この色は少しダークに発色しますので、あまり広範囲に入れてしまうと暗く重い印象になります。あくまでも自然な彫りの影に留めます。
④右下のダークブラウンを小さめのブラシに取り、睫毛の際に入れます。目尻を少し太めにするとより自然です。ブラシは毛足の短いものが使いやすいです。アイラインを描く前のガイドラインのようなイメージです。ブラシで入れた後、指先で境目をぼかします。「塗った」とわかるようなグラデーションの境目がないよう、全ての色が繋がるようにします。(下図参照)
⑤付属のチップを使います。下まぶたの外側から3分の1くらい、ライトベージュとライトブラウンを混ぜて際に入れます。
アイライン
ナチュラルメイクにはペンシルタイプをお勧めします。リキッドタイプがお好みの場合でも、まずはペンシルを使います。
スティロ ユー ウォータープルーフ 88(ヌワール アンタンス)
とにかく描きやすい。スルスルと滑るように誰でも簡単に使えます。他との品質の違いは?と言われるとなかなか説明がしにくいのですが、芯の太さと油分のバランスが絶妙なんです。これ以上柔らかいと芯が折れたり描いたラインがすぐに滲んだりするのですが、ギリギリのところで調整された逸品なのでしょう。ブランドのこだわりが光ります。目の周りの、特に睫毛の際の薄い皮膚に引っかかったり寄れたりすることなく、細くも太くも自由自在です。まずは睫毛の際に、毛の間を埋めるように塗り込んでいきます。決して睫毛から離れてはいけません。目尻は少し跳ねるように自然に。1ミリ2ミリの世界です。下まぶたにもほんの少し、目尻の際に入れます。そしてここで終了するのが失敗の元。この先の工程がナチュラルメイク成功のカギです。できれば専用のブラシがあれば簡単なのですが、なければ綿棒でも代用できます。描いたラインをぼかしていきましょう。ぼかすためのブラシはこちらがおすすめです。
シャネルの公式サイトで調べるとこれが出てきますが、私が使っているものには「14」という番号が入っています。リニューアルしたのかな?とにかく一番小さい筆です。これは本当に優れものです。少々お高いですが、一生モノだと思えば毎日使うので元はしっかり取れると思っています。私はこれを何年も前に買って毎日使っています。それほどこのブラシを使うと使わないとでは仕上がりが違うと言っても過言ではありません。毛が柔らかいのにコシがあるので睫毛の際のぼかしが完璧にできます。使い方は睫毛と睫毛の間をならしていくように細かくブラシを動かして埋めていきます。そして目尻は少し跳ね上げるように払います。自然な消え具合がプロ級に仕上がります。綿棒でも良いのですが、それだとせっかく描いたラインが必要以上に消えてしまうのです。あくまでもぼかしたい。馴染ませたい。そのこだわりは…言い出したらきりが無いのであとは個人の価値観にお任せします。
アイライナーの話に戻って、もしも「これに代わるものを国産品で教えて」ということであればこちらをどうぞ。
KOSE ファシオ パワフルステイ ジェルライナー BR300
プチプラの中でも「崩れないメイク」で定評のあるファシオです。色は黒ではなくあえてBR300を推します。絶妙な赤みのない焦げ茶は限りなく黒に近くとにかく自然な色。芯はシャネルより若干硬いですが、その分滲まないのは保証します。脂性肌の方、汗をかきやすい、または涙目っぽくなりやすい方には特にお勧めです。ドラッグストアーに売っています。
さて、ここからはトドメの2工程。まずはぼかしたアイラインをさらに「睫毛の影」に近づけていきます。
ケイト ザ アイカラー 021(ダークブラウン)
シングルカラーのアイシャドウです。深いチョコレートブラウンに細かいラメが入っています。絶妙に肌に溶け込む「影カラー」で、これを毛足の短いシャドウブラシでアイラインの上にぼかしこみます。アイラインの上から重ねることによって、ラインが滲むのを防ぐ色止め効果もあります。「線」から「影」へと姿を変えたアイラインはちょっと遠目にはもうフサフサの睫毛にしか見えません。これは目の錯覚を利用したテクニックなので習得すれば究極のナチュラルアイメイクの完成です。
ちょっと待って。なんか物足りない?そう思ったあなたはかなりのメイクマニア。最後の仕上げは「目尻の1本のまつ毛」に拘ります。
これ、実はもう廃盤のようです。私はBR-2(ビターブラウン)を愛用していますが、ネットで探せばはまだ手に入るかもしれません。リニューアルされたものはまだ使っていませんが、多分同じような効果が得られると思います。
極細ラインは睫毛の目尻に伸びる一本を再現します。私は上の目尻のみに必ず入れます。何だかもうここまでくると「気合」の感覚です。入れないと気持ち悪い。描いてぼかして留めて最後に締める。そんな感じです。フィーリングです。感覚が大事なんです。メイクはアートですから。偏愛が過ぎてすみません。もうすぐゴールが見えてきました!皆様、ついてきてくださいねっ。
マスカラ
これまで何種類のマスカラ放浪の旅をしてきたことでしょう。自分でももう何種類使ったか分かりません。海外ブランドものはほとんど網羅しましたが、結局のところ納得のいくものがありませんでした。それほど国産のものが優秀で日本人の睫毛には合うのだと思います。欧米人とは睫毛の毛質が違います。長さも毛量も違います。目の形状も。ブラシの太さやカーブのアールが合わなくて肌についてしまったり目尻の肝心な部分が塗りづらかったりしたことはないでしょうか。放浪の旅の果てに行き着いたのはこちらでした。
資生堂 クレ・ド・ポー・ボーテ マスカラシルエトフェ BK
このマスカラの凄いところは「睫毛を育てる」ところ。装うだけではなく、使えば使うほど睫毛の状態が良くなっていく。増えるし伸びる。育毛剤レベルと言っても過言ではないです。そしてその滑らかな塗り心地、フサフサ感。全くガチガチにならない。ゴワゴワにならない。理想の仕上がり。間違いなく私の中ではナンバーワン。しかしながら問題はそのお値段。お高い。リピート時に悩む。こんなの買えないとお嘆きの貴方へ、買いやすく品質も問題ないものを探しました。
どや!まいったか。お値段約1000円。ドラッグストアで買える。お湯で落ちるフイルムタイプです。ブラシの形状が非常に使いやすい。全く滲まない。カピカピ、ゴワゴワにならず、スムーズに液が伸びる。失敗しないマスカラです。
マスカラをつけた後にもうひと工程。固まった毛を1本づつきれいに捌いておくとよりナチュラルに見えます。
この一手間が美しさのカギ。ナチュラルメイクは丁寧な工程が仕上がりに圧倒的な差をつけます。
アイブロウ
「眉毛を描くのは苦手」という話をよく聞きます。でも上手く描ければ顔全体の印象を一番変えることができるのも実は眉なんです。是非マスターしてほしいです。ここでもポイントは目の錯覚を利用すること。顔の形によって眉毛を自在にデザインすることにより、なりたい顔のイメージに近付けます。丸顔の人は少し角度をつけたシャープな印象に描きます。ある程度の太さも必要。スッキリとかっこいいイメージにすると顔全体が引き締まって見えます。面長の方や頬に肉がなく寂しげに見えてしまう方は柔らかなアーチ型がフェミニンな印象を与えてくれます。
もちろんこれに限らずその日のファッションに合わせて少し眉山をしっかりめに描いたり、カーブをつけて優雅な雰囲気にしたりと色々と試してみるといいと思います。ほんの1ミリ眉尻を足したり削ったりするだけで全体の印象は変わります。また、色選びは基本的には髪の毛の色に合わせて、真っ黒やグレーよりブラウン系の方が自然な印象になると思います。(あくまでも個人差がありますのでご自分の髪の毛の色に合わせてくださいね) おすすはこちら。
カネボウ ケイト ラスティングアイブロウW(スリム)BR-3
とにかく素早く簡単に描けます。そして色目が非常に馴染みやすい。このBR-3はほとんどの人に対応可能だと思います。まずはチップ側でざっくりと色を乗せていきます。眉頭から中央部分を中心に。あとはペンシル側でアウトラインや毛が抜けている部分や眉尻を一本一本毛を植えるような感覚で慎重に足していきます。コツは遠目に鏡を見ながら全体の色や形のバランスを見て描く事。力を入れずに少しずつ書き足す事。近い目線で描くと濃くなりすぎたり左右のカーブが違ってしまったりします。なるべく遠目に。全体を見ながら。それが眉を描く上で失敗しないコツです。そのあと眉用のスクリューブラシで馴染ませます。もう何年使っているかわからない愛用品はこちら。
アイブロースクリューブラシ(上のサイト内にあります)
毛の流れに沿ってぼかして馴染ませます。せっかく描いたラインが消えないよう、力を入れずに優しく。
最後に一つ、「時間が経つと眉尻が消えちゃう」というお悩みを持つ方はいませんか?そんな人にはこちらを。
このリキッドタイプを眉尻の消えやすい部分に重ねて描きます。あくまでも消える部分のみに1本2本と丁寧に。リキッドは難しいと思われるかもしれませんが、すでにパウダーとペンシルで描いた上からなので失敗もなく、午後のメイク直しの時に消えていない眉は安心です。持ちが全く違いますよ。
いかがでしたでしょうか。まだまだ細かい部分のコツやおすすめ品はあるのですが、いかんせんメイクは十人十色。その人に合う色や差し方があるので一概には言えない部分もあり、本当に基本的な事しか書けないのが歯痒いのですが、少しでもご参考になればと思います。
ここまでの行程時間は約10~13分。毎日の作業なので手が覚えてしまえば簡単です。手早く仕上げるのに役立ってくれるのが文中にもあげたメイクブラシ類。小道具の大切さは以前化粧品メーカーで働いていたときに実感しました。たくさんの人の顔を短時間で作らなくてはいけない時、使いやすいメイク道具は何よりも必需品です。「早く綺麗に仕上げる」という意味でも使いやすいブラシを揃えることをオススメします。
長くなってしまいました。お疲れさまでしたm(__)m 最後までお読みいただいてありがとうございます。
ではまたこの続きは次回に。。。
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