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パンを作る。

 最近、パン作りにはまっている。

 以前から興味はあったのだが、なかなか行動に移せていなかった。
 強力粉とドライイーストを買い、自分に合いそうなレシピ本を購入し、ようやく作り始めたのが8月中旬。
 実際にやってみるととても楽しい。

 簡単とあったレシピ本を購入し、分量や手順をそのとおりにしているものの、レシピ本に載っている写真の通りにはならない。
 現時点での問題は、生地を捏ねていると、まとまるどころか手にベタベタとくっついてしまい、綺麗な形になってくれないことだ。
 現状を踏まえてネット上で原因と対策を検索し、得た情報を元に改めて作る、ということを何度も繰り返している。
 この作業がとても楽しいのだ。

 通常。私が日々の食事以外で何らかの食べ物を作ろうと考えた時、下記の3点を考える。

 1つめは、「失敗したときの自己処理の負荷が少ない」こと。
 2つめは、「作り始めから完成までのサイクルが短い」こと。
 3つめは、「費用の負担が少ない」こと。

 私の場合、作り始めの頃は必ず失敗するのだ。最初で成功した試しなどまったくといっていいほどない。

 食べ物作りが失敗したとき、捨てるわけにはいかないので必ず自己処理(=自分で食べて処理)をする。
 お腹に溜まるものや、重たいものだと、失敗したときの自己処理がスムーズにできない。まずいものを食べて腹いっぱいになったあげく、体重まで増加するなど言語道断にもほどがある。

 スコーンやクッキー、マフィンは、薄力粉を大量に消費する。失敗したときのボリュームがものすごいことになってしまったため、うんざりして作らなくなってしまった。
 その点、シフォンケーキは薄力粉の消費は最も少ない。失敗しても生地がそこそこおいしければ、さらりと食べられるし、(体重は増えるものの)あまり腹にも溜まらないから、自分で食べていて苦にならなかったのだ。
 
 パン作りも、現在順調に失敗を重ねている。
 生地がべたついてうまく捏ねられず、形がキレイにならないのが困りどころだ。
 けれど、最低限の発酵はできているらしく、中はそこそこふんわりとしている。
 自分で食べる分には困らない状態のため、失敗ではあるが食べていてまったく苦にならない。
 
 自己処理の負荷が小さいと、どんどん挑戦を重ねたくなる。
 この時、「作り始めから完成までのサイクルが短い」ことが重要になってくる。
 私は、たくさんの時間をかけなければ完成しないものを作るのがとても苦手だ。
 時間をかけて作業するものだと、失敗だと思った時点で諦めてしまい、完成に至らないのだ。
 だから、できるだけ完成させることを重視したいと思ってしまう。
 完成させて、その結果を踏まえて次へ挑戦したい。
 トライアンドエラーを何度も繰り返しながらコツを掴んでいきたいのだ。
 
 シフォンケーキは、焼き上がりまでのトータルでだいたい2時間程度だった。
 だから、失敗しても再度作り始めることができる。 
 時間を空けるとやり方も忘れてしまうから、多い日で一日2回、週3回以上は作っていた。

 今のパン作りもそうだ。
 今回はシフォンケーキの時ほどの失敗はしないので、まだそこまで回数を重ねていないけれど、この2週間で7回は作っている。特に今日はコツがつかめたような気がしたので、2回挑戦した。
 本日2回めの生地は、ベタつきも少なく、ほどよいまとまり感があったし、包丁やヘラを活用すると上手く形成できたように思う。
 スケッパーがあるともっと楽になるという情報を得たので、もう少し回数を重ねれば、もっと要領よく生地を作れるかもしれない。上達の可能性があると思うととてもわくわくする。
 
 そんな風に挑戦を重ねていくと、自ずと材料費がかさんでくる。
 だから、材料費はできるだけ押さえるため、スーパーで手頃に買えるものしか使わないようにしている。
 日々の買い物で金額は常にチェックするのも、楽しみを続けるコツだろう。
 本当は光熱費のことも頭に入れておく必要があるが……これは、上達するまでの投資ということにしようと思う。
 
 今は、パンであり、かつてはシフォンケーキでありベイクドチーズケーキ。
 自分が食べ物を作りながら考えてきたのは、「失敗をどうやって楽しめるか」だった。

 失敗を楽しめれば、続けるのが楽しくなる。
 続けるのが楽しくなれば、遅かれ早かれ、何かを得ることができる。

 これは、食べ物作りに限ったことではなく、私がやろうとしている全てに言えることなのかもしれない。

 今日で、実家へ持っていくのとあわせて1週間分のパンを作ってしまったので、次のパン作りは少し期間をおかなければならないけれど。
 次は、今日よりもっと上手にパンが作れるような気がする。
 そう思いながら、私は、次のパン作りへ挑むための準備をする。
 
 成功を期待し、失敗をも楽しみにしながら。

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