【エッセイチャレンジ25】5日遅れの最終話
去年の今頃2㎏の減量に成功し、8年ぶりに妊娠前の体重に戻った。
2㎏なんて誤差の範囲内でしょう、という声が聞こえてきそうだが、当時の私のBMIは19で、判定としては「痩せすぎ」だった。体重の5%を減らしたのだから、けっこうすごいのではないだろうか。
方法:レコーディングダイエット
体重計に表示される数字にはさほど興味がなかったけど、見た目はスッキリさせたかった。中年らしいたくましいお腹周りは怠慢の象徴のようでなんとも情けない。
ならば筋トレだろうと思ったが、私にはわかる。絶対に続かない。
それに毎朝の胃もたれと肌荒れにも悩んでいたので、食事改善アプリを使ってみることにした。いわゆるレコーディングダイエット。
これがすごく良かった。
ほとんど毎日自炊だし、高カロリーなものを食べていないつもりでいたが、まぁ脂質が高い。食物繊維や炭水化物が少ない。
アプリで推奨する私の身長体重にベストなPFCバランス (たんぱく質、脂質、炭水化物)を満たそうとすると、買い物の段階からかなり注意しなれけばならなかった。
だけど、続けるうちになんとなくコツがわかってくる。
バランス確保のために一食は脂を使わない蒸し料理にしよう、とか、今日は食物繊維が低いから炭水化物はオートミールにしよう、とか。
そして一日の食事メニューを入力して高得点だと嬉しい。自分のことだけど客観しできるから、まるで育成ゲームをしているような感覚だった。
習慣になると、振り返りができる。
PFCバランスが良い日はどんな食事をしていたか、その日のお腹や肌の調子はどうだったか。そんなことを振り返る習慣がつき、毎日見過ごしていた自分のちょっとした変化がわかってくる。
レコーディングをしていた時期は半年くらい。何かを積み重ねる、確かな実感があった。
書く習慣も同じ
「7月はエッセイを毎日書く!」と決めたのが7/7。
自分なり真剣に、エッセイとは名ばかりの、散文を書き綴りました。(振り返ってみるとただの読書感想文とか、推しドラマの紹介とかあるしね)
もらった「スキ」は52回。
自分の頭の中で思考をこねくり回したり、ノート(文字通り、紙の方ね)に書きなぐっているときは、当然誰からもリアクションされないのに。同じことを考えていても、外に出すか出さないかで結果は違う。
結局、発信するまでは「生まれて」ないのだなと思った。
7/31までとして25本の記事を書こうと決めたわけだが、体調を崩したり、子どもと一緒に寝落ちしたり、気持ちが乗らなかったりで、結局5日オーバーしてしまった。
だけど「私ってダメだなぁ…」という後悔はない。あるのはレコーディングのときと同じ、確かな実感。
正直恥ずかしい文章はたくさんある。実際、お酒に酔って書きなぐった記事もあるし、勢いに任せて晒した、読み返したくないエピソードもある。
(実名でやらなくてよかった!!)
だけど、自分の内面とこれほど真剣に向き合ったことは今までなかった。
すでに旧知の中である自分自身のことをさらに見つめ、掘り起こし、分析する作業を繰り返す毎日。
そしたら、私の心の中には実は地下室があることがわかった。アドベンチャー映画なんかであるような、本棚の下段・右から2冊目の本を「クイッ」とするとゴゴゴゴゴゴ…って棚が動いて、階段が現れるような隠し部屋ね。
エッセイチャレンジを通していくつかの部屋を開けてみたけれど、この作業はまだまだ終わりそうにない。
無意識に選んだテーマにも、よく人間性が表れているなぁと思った。
記事のテーマに母のことや新卒で勤めた会社のことを選びがちだったことからも、何を根に持っているかわかるというか。「ああ、やっぱり私嫌だったんだね」って。これもちょっとした収穫。
***
反省点も見つかった。
素敵な文章を書きたいなら、語彙力を鍛えないとダメだ。これは目新しいことでも何でもなく、知らないようにして事実だ。
大人になると自分の力量がわかるから、出来ないことにはなるべく近づかず、それなりの幸せでうまく立ち回れるようになる。
でも「毎日投稿!」という縛りのおかげで、私は毎日自分の未熟さを直視することから逃げられなかった。
あまりの稚拙な文章と、浅い自分にがっかりを通り越して悲しくなった。
だけど、これってとてもいい恥のかき方だと思う。
***
精神的な引きこもりの私の、怒涛のアウトプット月間。
痛みも恥も一旦置いて、走り抜ける…とまではいかずとも、小走りくらいで向かったゴール。私の後ろには新雪の上をセキレイが通ったくらいの、か細い足跡の道もできたと思う。
毎日更新は難しそうなので、週2更新くらいを目指して続けてみたいな、と思います。
最後に。
気まぐれでもお返しでもなんでも、「スキ」をくださったみなさん。本当にありがとうございます。
今日もみなさんが幸せでありますように!
~7月エッセイチャレンジ おわり~
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