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【エッセイチャレンジ⑤】休日②

「私、最近休日にイライラしなくなったと思わない?」

たまりかねて、自分から夫にそう聞いた。すると彼は「ああ、そういえば」みたいな顔で曖昧に頷いた。ダイエットしかり、髪型しかり、プラスの変化は先に気付いて欲しいものだが、、、

そうなのだ。私は長いこと、快適な土日を過ごせないでいた。それどころか土日にイライラしすぎて月曜日まで疲れを引きずることがザラだった。

理由はふたつ。ひとつは多くの主婦がそうであるように、土日こそ休めないという現実。 
家事なんて平日にもやっていることなのに、それを休みの日に行うってだけですごく損してる気になる。
精神的なことだけじゃなく、単純に物理的な負担も増えるよね。昼食作りが追加されるし、部屋の汚れるスピードは3倍速くらいになる。合間合間に「お腹すいた〜」とか「アイスないの〜」などの苦情が寄せられ、掃除機をかけた直後に粘土を始めたりする。泣ける。

もうひとつは、突如発症する「何かしたい症候群」。
せっかくのお休みなのだから、楽しいことしたい!景色の綺麗なところ行きたい!美味しいもの食べたい!
休日だからこそできる何か特別な体験を、家族で共有したいと思い立つ、厄介な発作だ。

だから、色々提案する。でも、だいたい誰かが渋い顔をする。じゃあどうする、と第二第三と案を考えたり、迷ったりしているうちに午後になる。
煮え切らないままお昼ご飯にそうめんを茹で、家族が好きな刻み海苔を大量に作る。小皿にこんもりと積み重なる黒々したそれを見ながら、また私だけ空回りしたなぁ、と思う。つまるところ、夫と子供はどこにも行きたくないのだ。

憂鬱な休日の共通点

休日はいつも以上にタスクが増えるから疲れる。でも、ストレスの本質はそこにはない。自分の感情を観察してみたとき、根底にあるのは「自分ばかり」という気持ちだった。

自分ばかり家事をしている」
自分ばかり提案している」
自分ばかり家族に合わせている」

改めて言うが、上記は強要されたことではなく、すべて私が自発的にやったことだ。ライトに言えば「余計なお世話」「お節介」。それなのに「報われない」と逆恨みするとはタチが悪い。ほとんど当たり屋みたいなものだ、と思い、自分に引いた。

「このままでは犯罪者になってしまう!」
私はいよいよ本気で、このまずい思考を正すことにした。

「自分ばかり」を「自分だけ」に


私は自分の機嫌を自分で取ることにした。半休や平日休みの日を作り、人知れずいろんなことに挑戦している。
ソロハイキング。ソロ日帰り温泉。ソロ国立公園さんぽ。川までドライブして、河原でぼーっとしていたこともある。どれも以前休日の行き先として提案したものだが、却下された。

けっこう本気の渓谷さんぽ
野外コーヒー最高!

「自分ばかり」と思う前に「自分だけ」をあえて作る。私の場合は、私が私のために練ったプランをひとりで堪能することだった。これ、全「自分ばかり」民におすすめしたい!

別に大したことでなくて良いのだ。遠くに行くことが重要ではない。現に次の「自分だけ」時間では、ロイヤルホストのパフェを食べに行こうと計画している。(メロンパフェ美味しそう)

重要なのは「自分だけ楽しんじゃったな」と思い込むこと。ほんの少しの後ろめたさで、休日の「自分ばかり」に先手を打つ。

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