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子供の身分のきもち

子供の頃から
この気持ちは覚えておこう
と思うことが多かった。

きっかけは母親に
あなたは親になったことがないからわからないのよ
と言われたとき。
当然!でもあなたは小娘だったことがあるのに
どうして小娘である私の気持ちがわからないの?
と思っていた。
だから、大人になった時に子どもの身分であるときに感じた気持ちを忘れないように
事あるごとに
この気持ちを覚えていよう
と思っていた。

親になって、親になって初めて知る感情があることを知った。
例えばどう考えても可愛いと思ってしまうこどものこととか、自分から生まれたのに全く別人格で勝手に成長していく不思議と刹那と寂しさとか。
その感情にときどき喰われてしまう。

でも、子どもとして親や大人に感じた気持ちを忘れないようにいたい。

私は大人に笑われることがすごく嫌いだった。ばかにされてる、それはわたしが子どもだからだ、とずっと思っていた。
例えば親戚のあつまりがあった時、大人と同じように自分の意見を言うだけで笑われた。にやにやされたり、笑いながらすごいねと言われたりする。バカにしてる、と思った。子どもだと思って見下していると。絶対こんな大人にはならない!と誓った覚えがある。
大人になった今なら、それは可愛いものを愛でるような感嘆だったと理解できる。でも可愛いものを愛でるって、それ自体がそもそも対象を下に見ている傾向がある。私はそんなの欲してなかった。子どもだと思ってバカにするなんて、大人はみんな嫌なやつだと思っていた。だから、親戚はみな嫌いだった。

毎日どんどん忘れていく。大好きな子どもの成長だって、もうしゃべられなかったときの記憶がない。それでも、気持ちだけは忘れないでいたい。
こどもの気持ちがわからない親には絶対になりたくないから。

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