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統合失調症とわたし⑯

私が首を切って疲れ果て眠っている間、母は通っていたH病院を訪ねてました。私が首を切って自殺しようとしたこと、そしてそれは未遂に終わったことを。

すると、漸くH病院も事の重大さが分かったのか、しっかりした精神科にかかるべきだと助言をくれ、車で片道三十分以上かかるM病院を紹介されました。

こここそが、私が辿り着いた最後の救済所でした。でなければ、私は多分いまここには居ないと思います。

そして首を切ったあくる日、母に叩き起こされM病院へ行くと言い渡され、もう私は死に損ねたことに絶望を感じていてもはや、なんでもよくなっていたので言われるがまま、外出着に替えそしてM病院へ行きました。

M病院に着くと、まずはケースワーカーさんに今までの経緯を話さなければならないようで、それは母が答えてました。そして、ケースワーカーさんがしみじみ「未遂で済んでよかったですねえ」といった一言にブチギレそうになったのを今でも覚えています。死に損なったのによかったってなに!?怒鳴って帰ろうかと思ったのですが、なんとか堪えそして何時間も待たされて漸く診察です。

そこで、私はY先生に出会いました。このY先生、本当によくできたお医者様だと言い切れます。もしY先生でなければ、もう一度言いますが多分、私はまた命を絶とうと思ったと思います。

そしてY先生を通じて、薬を飲むことの大切さを教わりました。というのも、Y先生に「死にたい?」と聞かれ、私は小さな声で「死にたい」といったやり取りを二度繰り返し、先生は薬を処方してくれました。

正直、その時は「また薬か……」と思っていました。しかし、これは身を以って体験した人じゃなければ分からないと思いますが、私の心は次回の一週間後の診察までにすっかりと健康を取り戻し、先生も驚くほどの薬の効果を見せ、その時に思いました。この時に本当に芯から思いました。

病気に効くのは適切な量、そしてその時の状態に合った薬を飲むこと。これしかないと強く実感しました。

そして書き忘れていたことがあります。

病院初日、入院を勧められました。今は八週間周期で病院に通っているのですが、とにかく入院患者が多い。私も母と一緒に病棟を案内されましたが、そこのスタッフがとにかくなんていうか……恐ろしく感じまして。みんな同じような表情で、言うことも同じで、雰囲気も同じでそれが恐ろしくて仕方なくて、入院なんて考えられませんでした。だったら家にいた方がいいと思ったほど、スタッフは怖いと思いました。

今でも、どれだけ症状が重く出ても入院という字は私の頭にはありません。いくらどれだけ楽になれると言われても多分、入らないと思います。

話が逸れましたね。

そう、薬は大切です。ですが、それだけ効くということはそれだけ副作用があるということを忘れてはいけないのです。初めてY先生の処方された薬を飲んだ時、脈拍数が異常に上がり、それと共にテンションも上がりました。しかし、上がったものは落ちるのです。それの本当の恐ろしさを、私はそのうちに知ることになります。

次回からは、薬との付き合いについて主に書いていこうかと思ってます。どんな副作用が出るかだとか、そういったことを書いていきます。

病人は、常に病気と闘っています。だから簡単に「精神系」だとか働いていなければ「ニート」だとかと呼ばないでください。病人は言わば生死を掛けて闘っているのです。一時たりとも気を抜けません。そんな言葉で片づけられるほど、甘い病気ではないことを多くの人に知ってもらいたいです。

では、次回でお会いしましょう!

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