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徒然ではない図書館司書~レファレンス編⑤ 「笑える本ありませんか?」更年期の女性の巻

私の難題レファレンス、トップ3に入る案件。

そして、図書館を去る前にした、大きなレファレンスだった。

私は2度目の鬱が発症してから3年間、同僚に空気扱い…。いわゆるモラハラを受け続けた。そして、上司である地方公務員たちにはパワハラを受けていた。実は証拠がある。

その時の私は返却本を棚に戻す作業をしていた。

某図書館のバトルストーリーでは近未来な感じで描かれていて、ある意味、これはこれで別世界として捉えるとなかなか考えさせられる。

だが、そんな近未来は来ていないので、それこそ、ファミリーレストランの従業員がやるような、腕にいくつも皿を乗せる、みたいなことを図書館でもやっている。

左手で支えるようにし、顎で押さえて最大限まで書籍を持つ。

当たり前だが、くっそ重い。

それを歩きながら棚に戻していて、雑誌を戻していた時だった。

若いとはいえないが、それほど老いてもいない。中年の女性だ。

両手を擦りながら、こちらを見ていた。

私は持っていた残りの本を一時的に書棚の空いている箇所におき、彼女に近寄った。

「なにかお探しですか?」

彼女はすりすりと、手を擦り合わせていた。

「笑える本、ありますか?」

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