見出し画像

職業婦人の映画「東京の女性」

昨日めちゃくちゃがんばったので今日はスカスカの燃えかすのようなかえるちゃんです。

体調良くなくてひまだったので昭和14年の映画「東京の女性」を見ました。
うちの父が昭和13年生まれだから、今から85年くらい前の映画です。
戦前の映画だからもちろんアプレゲールみたいなワードもまだありません。

自動車会社でタイピストをしている原節子が父親の入院費用が嵩むので、セールスマンに配置転換をしてもらう話なんですが、原節子の戦前では代表作かもです。
自動車工場に日参して自動車について一から学んでいくんですけれど、原節子は上背があって肩幅が張っているから工場にいると逞しくて頼もしく見えます。
工場も車の下に入って構造を研究しているのも似合いますね。

戦前の女性の仕事は接客や補助的なものが多くて、男社会の自動車セールスは奇異に見られたはずです。

かえるちゃんもめちゃくちゃ男社会のたばこ屋の営業やって家族を養ってたことがあるから思うんですけど、女が仕事がんばると足を引っ張る男ってかならずいるんですよ。
女相手だからセクハラ行為もわりと多いし、言われることも多いです。

原節子いろいろ悔しいこともあっただろうけど良くがんばったよ。
この人はこんな少し勝気に我を張る役が合ってる。
職業婦人と言っても魚屋のおかみさんまでくだけた印象がなくて、TPOに合わせておしとやかなご婦人にもなれる役はこの人の個性と思います。

セールスマンの先輩男性に淡い恋心を抱いているのに、お相手は妹にかっさらわれて気の毒ではあるんですが、「永遠の処女」ですから寿退社なんかしてちゃダメなんです。

まぁたとえば寿退社したら成瀬巳喜男の「めし」の奥さんみたいにしんねりむっつりやりそうな未来は見えているんですけど。

いいなと思ったら応援しよう!