フェデリコフェリーニのステーショナリー
30代の頃日本最古のショッピングモールと言うことでわかる人はわかるプラザハウスでお店やってたんですけど、プラザハウスが運営しているロージャーズってインポートセレクトショップがあるんです。
まー、プラザハウスの軒先借りてお店やってたから、ロージャーズにはけっこう行くんですけど、ある時フェデリコフェリーニって書いてあるステーショナリーが山のように投げ売りしてあったんです。
そう言えば中学生の時、松山千春って書いてある缶のペンケースが流行ったなとか思い出したんですけど、
一応、フェリーニが何やってた人か説明すると、イタリアでは国葬になったほどの映画監督で、甘い生活や道とか有名な映画を撮っている人です。
イタリアの映画監督って性的に逸脱した人が多いから、フェリーニは豊満フェチだったくらいなのでわりとイタリアではそこそこ敬愛されているはず。
いや、イタリア人がフェデリコフェリーニって書いたステーショナリーを企画するのは彼らの勝手ですよ。
だけどこれを仕入れたロージャーズのバイヤーは暴走したなと思ったわけです。
プラザハウスはコザの入り口にあって嘉手納基地からも目と鼻の先。
沖縄の中でも特にアメリカ的な嗜好が強いエリアなので、おいおいこんなところにフェリーニぶっ込んでくるか?って思ったんです。
わたしの肌感ではフェリーニを知ってる沖縄人は300人くらいと思う。
それなら300人に買ってもらえばいいとなるかもしれないけど、フェリーニって色彩の魔術師と呼ばれるくらい華麗な色使いの映画を撮る人なので、そう言うカラフルな製品を作ればいいのに、よりにもよって、初期作品の道の世界のような荒涼としたモノクロームの世界観のステーショナリーなんです。
道は好きな映画だし、したたか泣いたけど、デザインすると考えたら貧弱すぎて、ないわーと思うわけです。
わたしはものを作ったり仕入れたりする時は売れる理由が2つ以上あるものに絞っているので、このステーショナリーはありえないです。
好きだけで仕事をするとこんな落とし穴もありますね。
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