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勝手に10選〜素晴らしきカバー曲 邦題編(後編)〜

(前記)
それでは後編である。
いや、実にクールなカバー曲が邦楽においてたくさん存在している。
今回も楽しんで頂けると実に嬉しい事だ。

・さらばシベリア鉄道
2015年に発売された、福山雅治さんの自身による弾き語りで構成されたアルバム"魂リク”に収録された曲だ。

原曲は1980年に太田裕美さんのシングルとして発表された楽曲で、作詞が松本隆さんで作曲が大滝詠一さんによる。
なお、大滝詠一さんが翌1981年に”A面で恋をして”と両A面シングルとしてセルフカバーを発表しており、かの大名作アルバム"A LONG VACATION"にも収録されている。

原曲、セルフカバーは雰囲気の違いはあれど実に楽器を多用して、日本のフィル•スペクターと称される大滝詠一さんによるスペクターサウンドが遺憾なく発揮されている。

で、福山雅治さんのバージョンであるが、自身で奏でるアコースティックギター1本での弾き語りによるもので、完全に対極なカバーを披露している。

これが実にカッコいいのだ。
正確に原曲の世界観を踏襲したギターのストロークに合わせて、福山さんの低くて甘いボーカルが冴え渡り、シンプルかつソリッドにカバーした福山さんの実力、魅力には感服しかないのだ。

・監獄ロック
2002年に奥田民生さんがシングル”花になる”のカップリングとして発表した曲だ。
原作は1957年に、かのKING OF ROCK'N ROLLの異名を持つエルビス・プレスリーのシングルとして発表されたロック史に残る大名曲である。

民生さんのカバーであるが、不謹慎な表現かもしれないが、笑ってしまうくらいに原曲を雰囲気、ギターの音色まで忠実にカバーしており、ボーカルは歌詞を1958年の平尾昌晃さんがカバーした訳詞をベースに民生さんが思いっきりシャウトしており、結果、曲の最後に民生さん自身が笑ってしまっている。

キング・エルビスの大名曲を、実に楽しそうに、遊び心を忠実さに置き換えてカバーしており、そのテクニック、民生さんの骨太なボーカルで、見事に奥田民生さんのロックに仕立て上げているのだ。

・REBEL REBEL
2006年に浅井健一さんによるソロ名義としてのファーストシングル”危険すぎる”カップリングとして発表された。

原曲は1974年にデヴィッド・ボウイのシングルとして発表された。
デヴィット・ボウイはその端正なルックスと共に奇抜な衣装と変幻自在な楽曲を排出し、グラムロックの頂点に立つアーティストだ。

浅井健一さんのカバーであるが、元々原曲を歌うデヴィッド・ボウイであるが、その歌声は良い意味で実に癖がある唯一無二のボーカリストだが、日本のボーカリストにおいて浅井健一さんも同様にことが当てはまるボーカリストなのだ。

実に原曲に忠実は演奏、更に浅井さんのギターによってより重厚感が増している。
その曲に浅井健一さんのボーカルが加わることにより、浅井健一さんの”REBEL REBEL”が完成されているのだ。

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・神さまお願い
この曲は、チェッカーズがアマチュア時代にアカペラにアレンジしてカバーをし、郁弥(フミヤ)さんが日本語訳を加えた曲だ。

原曲はニューヨークを拠点ていたドゥーワップ・グループ、ザ・ヴィデオズにより1958年年に発表されたナンバーである。
実にコーラスを多用した、明るいドゥーワップだ

この、アマチュア時代からのチェッカーズのカバーであるが、原曲のコーラスを見事に踏襲し、実に素晴らしいアカペラでのアレンジと、実に郁弥(フミヤ)さんのオシャレなオールディーズの雰囲気漂う見事な訳詞で成り立つ名曲なのであるが、
スタジオレコーディングでのこの録音は存在しない。

たまにTVやライブで披露されており、コアなファンであればその存在を知る名曲だが、スタジオレコーディングは無いのだ。理由は解らないが、実に勿体無い。

ただ、チェッカーズのラストライブ"FINAL"にて、アカペラのコーナーにて元来”ムーンライト・レビュー50's"を歌う予定が、郁弥(フミヤ)さんの喉のコンディションが悪く、最終日で急遽この曲に変更され、その結果ライブ版に初めて収録された、実に面白い経緯を持つ曲なのだ。

アマチュア時代にこの様なドゥーアップを、その実力と郁弥(フミヤ)さんの実に素敵な歌詞によって実に見事なアカペラにてカバーして定番曲にしていた、とはチェッカーズはやはり恐るべき実力を持ったバンドなのだ。

ちなみに今回は、原曲の画像もアップさせて頂く。

・All My Loving
2007年に山崎まさよしさんによって発表された洋楽のカバーアルバム
"COVER ALL YO!"に収録された曲だ。

言わずもかな、原曲は1963年にビートルズによって発表された大名曲である。ポール・マッカートニーによる楽曲で、アルバム"WITH THE BEATLES”に収録されている。

このカバーを初めて聴いた時は実に衝撃的だった。
山崎さんの、これでもかと、様々なテクニックを余すところ無く駆使してアコースティックギター1本で山崎さんがアコースティックギターを奏で、山崎さんの甘く独特なボーカルが見事に調和して、実に美しく気持ちが良い唯一無二の素晴らしい"All My Loving”を山崎まさよしさんが作り上げたのだ。

因みに、山崎まさよしさんが、なんとポールの目の前で、そのカバーを演奏している画像が残っているので、その画像も載せる。
本人を目の前に緊張しながらも演奏する山崎さんも凄いが、演奏が終わった後、ブラボーといいながら、たった1つだけ間違っていた部分を指摘するシーンは、実にポールがイカしている

(後記)
名曲は歌い継がれるべきなのだ。

誰もが歌わなくなったら、その曲は人生で例えれば"死"になってしまう。

日本におけるアーティストが、世界的な名曲の架け橋になる事を、実に心地よく実感する事が出来た。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。


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