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地下観戦

元旦恒例地下プロレスを見てきた。日本上陸から12年だそうな。
その魅力はオトナのファンタジーにある。

18世紀のパリ暗黒街で開催されて以来、続いている地下プロレスは未だに世界中の都市で行われていると言う。
参戦選手の下には大会招聘メールが届くらしい。
嘘か本当かわからない話だ。

かつて梶原一騎原作、つのだじろう作画の不朽の名作漫画「空手バカ一代」に登場した地下プロレスの世界がそこには広がっている。
作品にも登場したロシア人の地下プロレス選手イワノフ・ロゴスキーの孫が参戦している。
梶原一騎氏の実弟・真樹日佐夫氏も降臨され、これまでの参戦選手もなかなかの顔ぶれ。
現在、WWEで活躍中のASKA選手も登場し、高岩竜一選手と一騎打ちをしたりしている。
過去には高山善廣選手や宮本裕向選手なども参戦したりしている。
世界各国からも外国人選手が大挙して押し寄せ、観客席が外国人だらけの時もある。

チェーンに囲まれたリングでノックアウトかギブアップまで戦うガチな戦いぶりもすごい。

怪獣みたいなゴツゴツしたリアルファイトがそこにある。

なかなかネット情報を拾うことでしか次回の興行予定がわからないのだけれど意外なおススメは海外で見ることだったりする。
自分はバンコクとパタヤ、パリ、メルボルンで観戦したことがある。


本場パリの地下プロレスは信じられない光景があった。
パリ3区の酒場。大きな用心棒が入り口で立ちはだかっている。
地下に行くことを告げると案内してくれるのだが、この建物の一階の一部が崩れていて、地下に続く階段がある。
中に入っていくと煉瓦造りのトンネル状の空間にリングが置いてあった。
信じられないことに「空手バカ一代」の漫画の中に登場する場所そのものだった。
リング中央に現れるロゴスキーの孫と、熱狂するパリ市民。
とにかくその光景はすごかった。

常識では「嘘」だと思っていたものが「現実」として現れると人間混乱する。
その時、試合を見ながら、なんだか自分は現実の世界でコレを見ているのかどうか不思議な感覚に陥ったことを覚えている。

次はいつ、どこで出会えるかわからないけれど、「地下プロレス」開催の報を楽しみにしていよう。

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