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【短編小説】繭

「肌は白くなくてはいけない。私の唯一誇れるものは、この濁りのない肌だけなのだから。この肌が曇ったり濁ったりしてしまうと、私は自分の体の中に、正しさと信じられるものを何一つ持てないことになってしまう。」 日に焼けること。汗をかくこと。自分を醜くしていく日光や熱を神経症的に恐れ、カーテンを閉じきって暮らす少女の夏の夜。

◇ 

日光が怖い、と思い始めたのは、いつ頃のことだっただろう。

 日焼け止めを厳重に塗らなくてはいけない。もし塗り残したり汗で流れたりしたら、その部分だけ醜く黒ずんで、嘲笑の対象になる。

「あの先生、顔と首の色が違うよね」
 そう言って笑う同級生の声が耳の中で響く。
「顔ばっかり白く塗ったって、腕とか黒いじゃん」
「無理しなくてもいいのにね」

 今考えると、あの教師は実際よりも白く見せたいがために明るい色のファンデーションを顔だけに塗っていたのだろう。ただそれだけのことで、本人はこれほどに生徒たちに嘲笑されているとは思っていなかったと思う。

 休みの日、少し遅い時間まで眠っていると、カーテンの隙間から差し込んだ日光がまぶしくて目が覚めることがある。
 そんな時は、どんなに疲れていたとしても、私は青くなって飛び起きる。眠る前には化粧水と乳液で肌を整えてから眠る。もちろん日焼け止めの成分なんて入っていないから、眠る時の肌は一日で一番無防備だと言っていい。そんな時に春先の紫外線の強い直射日光を浴びるなんて。
 眠っている間、知らない内に肌は紫外線を受けて醜く黒ずんで、気付いた時には取り返せないほどの傷を受けているのだ。

 ひなたが怖い。日光が怖い。無防備さを襲って肌を黒くする光が怖い。


 黒い長袖の服を選ぶ。
 顔には二重に日焼け止めを重ねて、つばの広い帽子を目深に被る。
 日傘も黒くなくてはいけない。油断していると手の甲だって焼けてしまうから、手袋も嵌めなくてはいけない。

「日焼けをするから、必要以上外には出ないことにしているの」
 と大学の友達に打ち明けると、「気にしすぎじゃないの」と笑われる。

 彼女たちには分からないんだわ、と私は曖昧な笑みを返しながら思う。この恐ろしさが分かり、私に共感してくれる人なら、こんな初夏の季節に半袖で日の当たる場所を歩いたりできないはずだもの。

「暑くないの?」
「暑いけど、日焼けをするよりはまし」

 遮光のカーテンを閉め切った部屋を冷やして、昼間は眠って過ごしたかった。幾億の有害な光の粒が降り注いで輝き、暑さに無防備になる隙をついて肌に深く突き刺さり、肌の奥から醜い色を滲ませてくる。
 ――考えただけでぞっとする。

 私は自分の身を、守りたいだけだ。自分の身を、肌を、体を、有害なものから守っているだけだ。
 自分の身を守ることよりも大事なことって、何があるだろう?

 五月の頃は、長袖の服を着て日陰を選んで歩きながら、何とか大学には通っていた。
 しかし、六月、梅雨の季節が訪れる頃には、気温は高くないのに湿度で体中がべたべたになり、汗に日焼け止めが流れ、化粧が崩れることが耐えられなくなった。

 汗をかくことは害悪だ。化粧が崩れ、湿気で髪が乱れ、気に入って買った大切な服が汚れる。汗をかくことが怖い。醜く崩れている自分を嘲笑されるのが怖い。

「そんなの、夏なら誰でもそうだよ」
 と笑う友達。
 頬は白く髪は緩やかにまとまって、汗や乱れの気配すらない。
 この暑さと湿気の中で、ニットのカーディガンを羽織って涼しい顔をしている。私は彼女の顔を遠い気持で眺め、自分以外の人々は汗をかかない人形のような体質なのではないかと思う。

 私も彼女のような、汗をかかず、醜く崩れず、服を汚さず、日焼けをしない人形のような体質であったら良かったのに、と思う。
 同時に、彼女には私の気持ちは永遠に分からない、そう思う。

 大学の試験が終わるのを待ち、私は一切の外出をやめた。
 遮光カーテンで窓を塞ぎ、部屋を冷やして、毛布に包まって眠る。
 この部屋だけが、私の生きていける場所だった。この部屋だけが、私を守って生かしてくれている。
 外の世界で何が起こり、どんな風に社会が動いて、幾つの昼と夜が回転しても、それは私に全く関係のないよその世界の出来事だった。

 日付の感覚も、時間の感覚もなくなる。

 ひんやりした部屋の中で、柔らかな毛布に包まれてじっとしていると、私を脅かす何物もこの部屋には入って来られないのだと、安心する。

 空腹になったら何かを食べ、眠たくなったら眠る。ただ、時間が沈殿しながら緩やかに流れていくのを待つだけの日々。何も私を脅かさない。

 目が覚めると、日が沈んでいた。
 時計を見ると午後八時を少し回ったくらいだった。私は冷たい部屋の中で柔らかい毛布に包まりながら、眠気の海を揺蕩っている。「ひねもすのたりのたりかな」という言葉を思い出したものの、何だったかとぼんやりした頭で考えても答えは思い浮かばない。

 そうしているうちに少しの空腹を覚えてキッチンに行ったけれど、簡単に食べられそうなものは何も見つからなかった。近くのスーパーの閉まるのは夜の九時だから、今から出かければ、まだ間に合う。
 体が重く面倒に思えたけれど、空腹を抱えたまま、朝まで待つのは嫌だから仕方ない。私は一つ大きく伸びをして、服を着替えることにした。

 皮膚を蝕む日光のない夜は、無防備に外に出られるから、好きだった。
 日が沈んでも、私の住む界隈は駅が近いこともあって、街灯の光で十分に明るい。昼間の灼熱のような暑さは夜に薄められ、汗もかかなくてすむ。

 私はクロゼットの中から、持っている中で一番気に入っているワンピースを取り出した。簡単にお化粧もして、髪も整える。
 昼間の日光の中では絶対に着ることのできない大好きな服。無防備な半袖に腕を通して、薬品の匂いのする日焼け止めも塗らずに、外を歩く。

 なんて贅沢なことだろうと思う。
 醜く外見が崩れていく恐ろしさを知らない人形のような涼しげな人たちには分からない贅沢。好きな服を着て、何も恐れず、家を出ることができることが、当たり前だと思う人たちには分からない。

 スーパーにつくと、店内には既に閉店の音楽流れていた。
 仕事帰りらしい人たちが疲れを顔に張り付かせたままレジに列を作る。それを横目に見ながら、私はするりと店の奥へ足を進める。

 もし、私があの人たちの年頃になって、今みたいに冷たい部屋で一人きりの静かな暮らしができなくなったら、働かなければいけない大人になってしまったら、私もあんな暑苦しい服を着て、光が降る暑い朝の中を毎日出かけていかなければいけないのかしら。睡眠時間も短くなって、生活や仕事に追われて、今恐れていることも気にならなくなってしまうのかしら。

 考えても仕方のないことだと分かってはいたけれど、とてもそんな環境の中、生きていける気がしなかった。
 あまり遠くない未来。数年後に大学を卒業してしまったら、私もきっとあの人たちのように、疲れを顔に張り付けたまま、何も考えられなくなり、恐れることも忘れて、恥じすらも忘れて、生活に追われるように生きていかなければならないのだろう。それはあまり遠くない未来だ。

 閉店を知らせるアナウンスに促されて、食パンを一斤と、素麺の束とヨーグルトをかごに入れた。それにコーラの瓶を一つ。

 会計を済ませて店を出ると、頭上に真っ白な月が出ているのが見えた。
 夜の気配。夜の匂い。明るい月夜に好きな服を着ていることが嬉しく思え、少し歩いて川の堤防に行ってみようと思いつく。
 堤防にあるベンチに座って、さっき買った瓶のコーラを飲もう。静かな夏の夜を、少しの間見守っていたい。今日を逃してしまうと、私は永遠に静かな夏の夜をこの目で見ることすらできないような気がした。

 川面は穏やかに街灯の光を反射して、音もなく流れていた。
 空が広い。雲は少なく、深い紺の色をしていた。川下の方向の空に、白い月が光る。絵に描いたような、静かな澄んだ夏の夜だった。

 ベンチに座り、買い物袋を下ろして、ひとつ大きく息を吐く。
 微かな風に木々の葉先がざわめく音がする。時折、近くにある駅に電車が着いて、まもなく階段を人々が塊になって降りてきては散らばって家路を急ぐ。スーツ姿のサラリーマン。ヒールの足音を響かせる若い女性。カジュアルな服を着た若者。大きなカバンを持った塾帰りと思しき学生たち。
 彼らは一人無言で足早に歩いていくか、二人でお互いの顔を見合わせながら笑いあったりしていた。誰一人、頭上にある白くて大きな月を立ち止まって見上げる人はいない。気付かないのか、見慣れてしまって特に珍しいとも思わないのか。それが考えてみても分からなかった。

 人の波が散らばって消えると、駅前の交差点は静寂を取り戻す。私が座っている川縁のベンチの傍らを走る道は街灯に照らされてはいたが、通る人は少なく、揺れる葉先の影をアスファルトに映し続けるだけだった。

 私はベンチに座ったまま、コーラの瓶を開け、小さく口に含んだ。久しぶりの匂いと炭酸が鼻孔をくすぐる。その感触は、この誰も通らない夜の川縁の景色にとても相俟って相応しいものに思われた。

 こんな時に「会いたい」と顔が浮かぶ人が居れば、恋をしているということなんだろうな、と思う。
 静かな時間。何でもないけれど、一生に一度かもしれない特別な時間。こんな時に一緒に居たいと思う人と一緒に居られたら、なんて素晴らしいことなんだろうと思う。手を繋いで、静かな夜の時間に耳を傾ける。黙ったまま同じ景色を見て、同じ記憶を持って、それをいつか一緒に「あの夜のこと」として思い出したりする。

 私にはまだ縁のない恋愛というものが、羨ましく思えた。「好きな人ができた」と教室で大騒ぎしていた同級生の子を思い出す。あの子も好きになった相手に好かれて、手を繋いで何でもない夜を歩いたりしたんだろうか。

 私が今、一人でこの夜の中、この場所に居ることを誰も知らない。

 その事実が自由で誇らしくもあったけれど、当たり前だけど私が一人きりだということを改めて感じたりもした。

 「誰か、私のことを大切に特別に思ってくれる人が居たらいいのに」とか、思うのは初めてのことかもしれない。

 恋愛したいとか、恋人がほしいとか、そんなことではなくて、今、一人きりで過ごすこの静かで私にとって特別な夏の夜を、誰かと手を繋いで見ていることができたら、幸せだろうなと思うこと。
 その「誰か」が思い浮かばない私には、まだ恋愛なんて早いということなんだろうか。

 通りの向こうの信号の明滅。
 コーラはまだ瓶の中、半分ほど残っている。閉じきられた冷たい部屋の中、本を読んだりしていると時間というものは知らないうちに過ぎているものだけど、時間の流れが今は肌に触れて消えるようにゆっくりと流れているように思われた。

 ――ふと、「正しさって何だろう」という疑問が頭を過る。

 小学生の頃、国語のテストで「文章の間違っている部分を抜粋し、理由を書きなさい」というものがあった。もう十年も前のことだけど、あの日の意識はつい先日のことのように鮮明に脳裏に残っている。

 どんな文章で、どんな内容だったかということは忘れてしまった。ただ、私にはその答えが分かっていて、だけどその答えを書きたくなかった。用意された問題と期待されているだろう解答に納得できなかったから。
 それは問題に引用されていた短文の中からは到底引きだせない理由で、教科書に載っているものを授業中に先生が説明したものを憶えているかどうか、という趣旨のテストだった。

 書くべき答えが分かっているのだから、理由はともかく空欄を埋めて、点数を取るのが正しいことなのか。出題として納得できないまま点数欲しさに空欄を埋めるよりも、納得できないなら自分の信じる正しさに誠実に、解答不能という意味で空欄のまま提出するか。

時間いっぱいまで私は悩んで、正答ではないけれど、引用された文章の中から理由の説明ができる回答をでっちあげることにした。

抜粋部分『稲穂は黄金色に輝いていた。』
理由『光を受けても稲穂は黄金色に輝きません。少しくすんだ橙色です。』

 そんな感じに答えたと思う。これが正しさだとは思わない。
 解答欄に書くためだけにでっちあげた質問内容に矛盾しないというだけのつまらない屁理屈だ。でも、少なくとも課題文を教科書で全文読んでいなくても、テストに引用されていた部分から導けることがテストというものの秩序じゃないかと思う。そこを私は譲りたくなかった。『不正解』とされたら先生に反駁してやるつもりで、私は解答用紙が戻ってくるのを待った。

 採点は、正解でも不正解でもなかった。三角の印をつけられ、理由の欄には正解の半分の点が付けられていた。採点用の赤ペンのインク滲みがいくつか付いていたから、先生は幾らか採点を悩んだのだと思う。

 「正しい行い」って何だろうと思う。
 教師である先生にとっての正しい試験答案。生徒にとっての正しい答えの見つけ方。誰かにとっての正しさは、私にとっての正しさではないし、私にとって大切なことは、きっと誰かにとっては興味もない事柄なんだろうと思う。

 正しさ、って何だろう。考えれば考えるほど、分からなくなってくる。
 誰だって正しいと信じる倫理を守ってしか、生きていく道なんてないではないかと思う。自分にとっての正しさ。他人にとっての正しさ。それは両立しないものかもしれない。でも理解や共感や同情はできるのかもしれない。先生が赤ペンのインクの滲みを作りながらも、私のへそ曲がりな解答にいくらかの理解を示してくれたことみたいに。

「自分にとって大事な部分の正しさ」を裏切ってしまうと、罪悪感で生きていけないと思う。それ以前に、生きている意味すら失ってしまうと思う。だから皆それぞれに、各々にとっての大事な部分の正しさを信じて、生きているんだと思う。

 正しさを信じること。私にとっての正義は、自分の肌を有害な光から守ることだ。夏になってから「日焼けをしたくない」という理由で誘いを断るようになった私を友人たちは「信じられない」と言って笑った。


 正しさが人それぞれであるなら、世の中に絶対的に信じられるものって、あるのかしら。全ての人が共感はしないまでも、理解して納得できる正しさ。――もしそれがあるとしたら、『美しさ』に近いものじゃないかな、と思う。

『美しさ』

美しさというものは、黄金比率だとか数字で切り分けられる秩序だ。好き嫌いは別にして、誰が見ても『美しい』と納得する存在。それがこの世の中で、唯一安心して『正しい』と思える事柄なのかもしれない。

『美しさ』という秩序しか、世の中に絶対的な秩序は存在しないのかもしれない。美しい人になりたいと思う。濁りのない美しい秩序に守られた人になりたいと思う。

 肌は白くなくてはいけない。私の唯一誇れるものは、この濁りのない肌だけなのだから。この肌が曇ったり濁ったりしてしまうと、私は自分の体の中に、正しさと信じられるものを何一つ持てないことになってしまう。

 肌寒さを覚えて、我に返る。この場所に座ってから、どれほどの時間が経ったのだろう。 通りの向こうで明かりをつけていた駅舎はいつのまにか消灯して、近くの歩道を行き過ぎる人波も殆ど居なくなっていた。

 悲しみに似た寂しさが、自分を支配している、と感じる。

 空気は変わらず闇に重く溶けていた。白い月が大分南へ傾いている。さっきは聞こえなかった川が流れる音が、いやに大きく耳の中に響く。
 一瞬も途切れることなく流れてぶつかりほどけて広がり合わさってゆく水。留まって腐ることなど無縁な水の流れを見て、私は自分が人生の波の中ではなく、窪みに溜まって苔むしたボウフラの湧く止水だ、と思った。

 もう帰ろう、と私はベンチから腰を浮かせた。
 伸びをする。深く息を吸い込むと、忘れていた秋の匂いがした気がした。
 夏はもうすぐ終わるのかもしれない。私が、部屋にこもって世界から身を守るだけの暮らしをする季節は。

 昼間の熱に乾いた足元の白い砂が、サンダルで踏むとかすかな音を立てた。大丈夫だ、と思う。
 何をかと聞かれると困るけれど、大丈夫なんだ、という柔らかい気持が胸の中で滲むのを感じる。

 街灯の点いた駅前を通りかかると、私が部屋にこもる前に時折立ち寄っていた珈琲屋にまだ明かりが灯っていた。
 折角だから、珈琲の粉を買って帰ろう、と思いつく。

 木製の扉を押し開けると、店内ではウエイトレスの女の子が掃除に取り掛かろうとしているところだった。

「閉店ですか? 珈琲の粉を頂きたいのですが」
 声をかけると、エプロン姿の女の子は驚いたように振り向いて、一拍置いて「あ、はい。いいですよ」と答えてくれた。

「良かったら、おかけください」
 促された窓際の席に座り、頬杖をついて窓の外を見る。同じ席で同じ景色を見ていた頃が(と言っても数か月前なだけなのだけれど、)もう何年も昔のことのように思えた。子供の頃に一時期住んでいた町を大人になってから訪れているみたいだ、と思う。

「お待たせしました」
 挽いてくれたばかりの珈琲の粉が入った紙袋はまだ熱を持って、私の掌をじわりと温めた。香ばしい匂いが微かに漏れる。

「遅い時間に来て、すいません」
「いいえ」
 お金を払って立ち去ろうとした私に女の子が不意に声をかけた。
「あの」
 立ち止まって振り向く。
「最近いらっしゃらないので、引っ越しでもしたのかと思っていました」

 何度も顔を見かけていながらも、一度も会話を交わしたことのない彼女に話しかけられる心積もりがなかったので、私は面食らって言葉を返せずにいた。

「また、寄ってください。わたし、あなたと一度お話がしてみたかったんです」

 部屋の中に居ると、世界から忘れ去られて断絶している場所にいるように感じていたけれど、彼女は私のことを憶えていて、この夏の間、一度もあの店を訪れていないことを知っていた。

 彼女の言葉に咄嗟に何て答えたらいいか分からず、私は曖昧な笑みを返すのが精一杯だったけれど、私に興味を持ち、憶えていてくれた子が一人でも居たことが、世界に必要とされていることの証のようで、嬉しかった。

 ――あの子の名前は何て言うんだろう。
 ――年は、私の少し下だろうか。

 夏が終わったら、部屋を出て一番に、彼女に会いに行こうと思った。
 打ち解けて話をして、仲良くなれたとしたら、私はもう何にも怯えなくて良くなるのかもしれない。そんな気がした。


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