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【今週の振り返り】日銀短観 / 日本株、史上最高値更新 / 雇用統計、失業率悪化


<読了目安時間:15分>

日米各種経済指標や英国の総選挙、日経平均とTOPIXの同時史上最高値更新など今週も色々なニュースがありましたね。この記事では政治、経済、投資、企業、テクノロジーなどについて、普段ニュースを追えていない方や、そもそもどのニュースに注目すべきか分からないという投資初級者の方などに向けて今週の重要イベントをそれぞれ簡潔にまとめました。

日経平均構成銘柄の騰落率
S&P500構成銘柄の週間騰落率
米金利状況。金利差は逆イールドが若干縮小。

7月1日(月):日銀短観、製造業改善

🇯🇵日本の1-3月期国内総生産(GDP)前期比0.7%減に下方修正(前回改定値0.5%減)。建設業者の誤報告に伴い国交省が過去に遡って改定した建設総合統計を反映したことによる修正分(イレギュラーな修正)。公共投資が3.0%増から一転1.9%減に、民間住宅投資は2.5%減から2.9%減に下方修正されたことが響く。設備投資は0.4%減のままで維持。

日本の実質GDPとその内訳の推移

🇯🇵企業の景況感等をまとめた日銀短観、6月調査は大企業製造業業況判断DIが13(市場予想11)と前回11から改善。大企業非製造業業況判断DIは33(市場予想33)と前回34から小幅悪化。非製造業の悪化は17四半期ぶり。パンデミック後からインバウンド需要の増加等に後押しされ改善が続いてきた非製造業だが、その流れに一服感。
業種別では、非製造業のうち自動車の生産停止等の影響を受けた小売の悪化(前回31→今回19)やインフレ等による個人消費減の影響を受けたと見られる対個人サービス(前回33→今回29)の悪化が目立つ。
設備投資計画は高水準を維持しており、企業の投資意欲の高さは継続。

大企業製造業・非製造業の業況判断DI推移。×は過去の見通し、○は今回の見通し

🇯🇵2023年度の一般会計税収、72.1兆円と過去最高だった22年度の71.1兆円上回る見込みとの報道。過去最高更新は4年連続。企業業績が好調で法人税収が増加したほか、インフレから消費税収も増加したもよう。

🇯🇵日本の新たな基幹ロケット「H3」の3号機(三菱重工製、これまでのH2Aロケットに置き換わるもの)が打ち上げ成功。政府の地球観測衛星「だいち4号(三菱電機製)」を分離。H3はこれまで初号機で打ち上げに失敗し、2号機では模擬衛星による打ち上げに成功していた。今回は実物の衛星を載せ打ち上げに成功したことで、今後の更なる打ち上げ回数増に期待が寄せられる(今年度の打ち上げは防衛通信衛星と「みちびき」の残り2回を予定)。だいち4号は現在のだいち2号とあわせて運用され、これまでよりも広範囲を高頻度で観測することが出来る。観測したデータは洪水や土砂災害、台風などの災害事象や火山や地震などの地殻変動、船舶や海象などの海洋の分析に用いられる。

種子島宇宙センターから打ち上げられるH3ロケット
JAXA公式YouTubeチャンネルより

🇺🇸ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、インフレについて「緩やかに減速すると引き続き確信している」と述べる。金融政策についてはノーコメント。

🇺🇸ISM製造業景気指数、総合指数は48.5と市場予想49.2を下回る。前回48.7から低下。主因は生産と在庫の低下。ただ、景気先行指標の新規受注は49.3と前回45.4から急改善。3ヶ月連続で景況感の境目である50を下回るものの市場予想を上回る。総合指数が示すほどのネガティブさはないとして米金利は上昇。詳細は別記事にて。

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