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選択する権利=失うものへの覚悟

インフォームドコンセント、
この意味をご存じですか?

医療の倫理にとって、
大切な宣言や綱領に、
ニュールンベルグ倫理綱領、
ジュネーブ宣言や
ヘルシンキ宣言があります。


その中の
1975年世界医師会が
「ヘルシンキ宣言東京修正」を採択、

ここで、初めて
インフォームドコンセントという言葉が
明記されることになりました。


日本では、
1997年に医療法が改正、
インフォームドコンセントを「説明と同意」と表現し、
法律として明文化されました。

医師から十分な説明を受け
理解した上で
患者・被験者が自らの自由意思で
その方針に合意すること、
(治療を拒否することもこれに含まれる)

という意味です。


私の母は亡くなる3年前、
まさにこの体験をしました。

肺に水が溜まり、苦しみだして
救急車で
病院へ搬送された時のことです。


入院中に、
母は病院を抜け出そうとして、
大腿骨を骨折しました。

その時に、
主治医は外科の医師と
リハビリ担当者とを集め、
私に対して
まさにインフォームドコンセントをしました。


手術をしたときのメリットとデメリット
しなかった時のデメリットについて。

この時ほど、
悩んだことは人生の中でない、というくらい
2晩、悩み抜きました。


手術をしなければ、
今後二度と歩けなくなる、
一生、車椅子になる、

手術をすれば、
輸血が必要になるかもしれない、
また、
もともと心臓が悪かったので
最中に亡くなる、ということもありうる、

さらに、
手術が成功しても、
リハビリをちゃんとやらなければ
やはり歩くことは難しい、

認知症があるので
リハビリを理解して、
できるかどうか・・・


どちらかに誘導することなく、
冷静に、それぞれの選択の
未来予想を出してくださいました。


そして、
私の泣き出しそうな顔を見て
こう言ってくれました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
辛いでしょう、
本当に辛いと思う、

でもどちらかを選ばないと
前には進めないのです、

私たちスタッフは、
あなたがどちらを選んだとしても、
その選択が
最善のものとなるよう、
精いっぱいフォローします、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この言葉は、その時、
どのくらい、私を支えてくれたか・・・


私は最終的に手術をしない、
という選択をしました。

それを告げに行った時、こう言われました。
~~~~~~~~~~~~~~~
気が変わったら、
いつでも何度でも
また、言いに来てください、

一回決めたらからと、
我々に
遠慮することはありません、
変わったらまた、その選択にしたがって
最善を尽くしますから
~~~~~~~~~~~~~~~~~
その温かい笑顔と言葉に
私は、号泣してしまいました。


辛さや悲しみや、
先の見えない不安や、
もうぐちゃぐちゃになりそうな日々、

このお医者さんの言葉は、
本当に私を支えてくれました。


しかし、やはり決めるのは、
私と母でした。
決めることの辛さ、大変さ、責任も、
全部、自分が引き受けなければならない。


「自分の主治医は自分」
この言葉の持つ意味は
本当に重いです。

あの時、
「選択した」ということは、
私にとって大きな一歩でした。

もう二度と、歩くことはできない
という「失うもの」への覚悟でした。


インフォームドコンセントとは
患者の権利であるとともに、
患者の責任、覚悟でもある、


選択するということは、
選択しなかったもう一つの道を、
潔く捨てる、ということだと
心に刻みました。


ちょうど4年前の年の瀬でした。


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