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教育系ファシリテーター、コミュニケーション論研究をしています。 仕事・研究・日々のもろ…

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教育系ファシリテーター、コミュニケーション論研究をしています。 仕事・研究・日々のもろもろを書きます。 https://www.facebook.com/shunsuke.daimon

最近の記事

#20 2020

(WSD Advent Calendar 2020の投稿です) WSD29期のしゅんです。メインの仕事ではデザイン思考をつかった小中高生向けのワークショップのファシリテーターをしています。また、大学院でコミュニケーション論に関する研究を進めています。あと、もろもろと。 お誘いいただいたこのカレンダーでは、今年1年間の「WSD的に関連しそう」なトピックをふりかえりつつ、いろいろと考えたことをつらつらとまとめてみたいと思います。よろしければ、ぜひ。 ①WSD的な自分の1年間⑴

    • #19 長女が「おねえちゃん」になるまで

      2020年の7月に次女が生まれた。コロナ騒動の中、生まれるまでは色々と気を揉んでいたが、特にコロナの影響はなかった。 次女の誕生に合わせて、一番気になっていたのは、長女の心の中。 長女は私(父親)ではなく妻(母親)にべったりだ。長女が生まれてからの3年間、私が転職や進学で家にいる時間が少なくなってしまったことや、母親が約3年間の育休を取得できたことが影響しているのだと思う。多くの時間、母親と2人で過ごしていた。気がつけば母親と娘の世界ができあがっていた。 次女が生まれる

      • #18 祖父と戦争

        1929年生まれの祖父は、終戦時15歳だった。 2歳の時に満州事変、8歳の時に日中戦争勃発、11歳の時に太平洋戦争開戦、多感な時期を「せんそう」というキーワードと共に過ごす羽目になった1人だと思う。 私が幼い時、よく「せんそう」に関する話を聞かせてくれた。 へいたいさんがでかけるときには、はたをふったこと。 ぼうくうかんししょ、というひこうきをみるところで、みはりをしていたこと。 せんそうがおわったあとに、いちにちかけてきしゃでおこめをかいにいったこと。 私が幼すぎて分か

        • #17 オンライン環境での授業・WSのコミュニケーションとツール

          図にまとめてみました。 ポイントは以下の通りです。 ⑴オフライン環境では、4つのコミュニケーション(T→C・T↔︎C・C↔︎C・C)が「教室」という同じ環境で行われています。 ⑵オンライン環境では、4つのコミュニケーションに適する手段(ツール)が異なるため、今まで教室で一括して出来ていたコミュニケーションを分割した方が効率的です。(分割しなければならない、というわけではありません) ⑶オフライン環境とオンライン環境は、コミュニケーション手段(ツール)が異なるため、「従

        #20 2020

          #16 オンライン化にともなう「学校型授業・学習」の変化

          (だいたいFacebookと同じです) ここでは、一般的な小中高校で実施されている「学校型授業・学習」がオンライン化したらどうなるかを、私なりに考察・予想してみました。ここで書くことは仮説です。きっと、今後の展開や実践を経て変化していくものであることをご承知おきください。 結論は「学習環境の参加者側主導」と「学習内容の教師側主導」の2点です。 前提として「一つの学習は、学習環境と学習内容の2軸で構成されいる」と仮定します。 ■オフライン環境(学校教室)とオンライン環境

          #16 オンライン化にともなう「学校型授業・学習」の変化

          #15 小学生向けオンラインWS

          (だいたいFacebookと同じ内容です) コロナの影響が無視できず、4/1(水)に教室授業のオンライン化を決定して保護者お知らせ、翌4/2(木)に保護者との連絡手段を全てSlackに切り替えることを決定し保護者お知らせ、それと並行してオンライン用の授業をつくったり保護者とのやりとりをしながら、4/5(日)に初オンライン授業…。ほんと、保護者のみなさま、振り回してごめんなさい。。 すげぇバタバタでしたが、これで保護者&子供とのやりとりは完全にSlackで可能になり、授業も

          #15 小学生向けオンラインWS

          #14 なぜ私は文章を書くのか。

          結論から言うと、特に目的はない。単に楽しいからだと思う。それだけではこの話は終わってしまうので、あえて目的を付け足す。1つ目は、自分の思考や感覚を言語を借りて表現する訓練であること。2つ目は、言語を用いることで自分と他者の思考や感覚と結びつけて互いの思考や可能性を拡張すること。そして3つ目は、1日の終わりに自分と向き合う時間を作ることだ。(今のところ、それは続いている) 昔の自分は文章を書かなかった。その昔の自分に聞いてみたい。なぜ文章を書かないのか、と。「面倒だから」「時

          #14 なぜ私は文章を書くのか。

          #13 祖父とアートと死

          もろもろと紆余曲折あって、今わたしは大学院でデザインを学んでいる。デザインといっても、カッコいいものやおしゃれなものを作り出すことではない。自分の思いや願いを相手に伝えたくなったとき、どのように伝えればいいのか、そのプロセス設計や相手とのコミュニケーション態度を「デザイン」と捉えて、学んでいる。 その大学院であるとき、アートを始めた人は、死にかけた人が多いという話になった。デザインとアートとの違いは様々な言い方があるが、私は「アート=自己表現」「デザイン=相手とのコミュニケ

          #13 祖父とアートと死

          #12 未知のX

          以前、同じ仕事でインターンをしていた方が、現在の経験やこれからの悩みをとある媒体に書かれていた。そこでは、自分のスッキリしない感情を語るために多くの言葉を使っていたが、なかなか苦しそうだった。 誰にでもあると思う。自分の気持ちが伝わらない。自分が見て聞いて考えていることが伝わらない。いろんな経験をしたのだけど、まとまらない。一旦、言葉にしてみたけど、しっくりこない。 たぶん、自分が経験してきた時間の積み重ねや目の前に広がっている現実の状況と、そこから自分が考えている思考の

          #12 未知のX

          #11 なにが「オワコン」?

          教育系twitter?youtube?界隈で、ちょっとした論争が起こっているらしい。(私は流れをよく知らないし、詳しく知りたいとも思わない) つまり、肯定する側にも、否定する側にも立つつもりはない…というポジションでこれを書く。 ※画像のねこ様と本文は一切関係ございません。 何が言いたいかと言うと、世の中には自分の分身とも思える親しみを持てる意見から、自分と全く方向性が異なる意見まで、多種多様な立場からの意見があった方がよい、ということだ。 ものすごく右から、ものすごく左

          #11 なにが「オワコン」?

          #10 「先生らしく」という陥穽

          仕事で行った私立学校のとある先生が話していた言葉に「先生らしく」という言葉があった。 私たちはその私立学校でとあるワークショップを行い、その時に生徒からのインタビューイーとして調査を受けた先生が発した言葉だ。インタビューアーである生徒たちは、おそらく素の人間としての回答を期待していたのだと思うが、その方は直接言葉に含めながら見事に「先生」として回答していた。 以下は、そこから私が考えたモヤモヤである。 そもそも「先生」とは、なにか。 一般的には様々なことが言える。勉強を教え

          #10 「先生らしく」という陥穽

          #09 はっきり伝えられないファシリテーション技術

          私は仕事でファシリテーション技術を「伝えて」いる。正確に言うと、ワークショップの終わりに自分も含めたファシリテーターで、その回のファシリテーションを検討している。検討していて思うことは、表題の通りファシリテーション技術は、はっきりと伝えられない、ということだ。 ○ファシリテーターとは? そもそも、ファシリテーターとは何か。日本ファシリテーション協会によると、ファシリテーターとは「集団の知識創造活動のプロセスを円滑に進める人」であるとし、そのスキルを以下の4点に分類している。

          #09 はっきり伝えられないファシリテーション技術

          #08 「教育」とは相手の時間を奪うこと?

          そんなことを考えるきっかけがあったので、一文書いてみます。 ■カセットコンロとアルコールランプ 数年前、小学校教員で4年生担任をしたときの話です。理科の「もののもえかた」という単元があり、そこでは金属膨張や沸点温度などについて学習しました。 学校で「火」を扱う…といえば、おなじみのアルコールランプ。。だったのですが、現在は安全面や機能面を考えて小型のガス式カセットコンロを使うようになりました。家庭で鍋をするときに使うあれです。使い方も家庭用と全く同じ、ガスを差し込んでつ

          #08 「教育」とは相手の時間を奪うこと?

          #07 【ワークショップ関連】おすすめ本一覧

          ここ数年で私が読んだ「ワークショップに関する本」のうち、おすすめできそうなものをまとめてみました。現在の主な仕事は「ワークショップ×子供」なので、そちらへの偏りがあるかもしれませんが、何かの参考になれば嬉しいです。書評は私の主観たっぷりで書いてあるので、本の内容をしっかり理解したければ、ぜひ一読してください! ⑴ワークショップとは?を考える本 ●中野民夫「ワークショップ」 日本に「ワークショップ」という言葉を一般化させた中野民夫さんの新書。ワークショップというと、ビジネ

          #07 【ワークショップ関連】おすすめ本一覧

          #06 【読書記録】考具

          ちょっと前、どこかで話題になっていた本。 博報堂に勤務する著者が「アイデアの生み出し方テクニック」を「考具」と名付けて20種類ほど解説しています。テクニックとしては、カラーバス、マインドマップ、ブレインストーミングといったおなじみの方法が解説されています。詳しい方法論は読んでいただいて、ここでは、そもそもアイデアというものに対する考え方を3点まとめました。 ⑴アイデアは「わがまま」デザインは「思いやり」 みのまわりの課題に対して「ああしたい!」「こうしたい!」という『わ

          #06 【読書記録】考具

          #05 【読書記録】データから考える教師の働き方入門

          つい、本屋で手にとって一気に読んでしまった本。 小学校教員として7年間働いた経験からも「そうそう!」と頷けることばかりの内容でした。よくありそうな「私の経験から〜した方がよい」系の主観論ではなく、横浜市教育委員会と立教大学中原研究室が組んで横浜市の先生方からデータを集め、それを元に教師の働き方を論じています。 「教師の働き方」の本ですが、教員以外の方も読みやすく、先生の働き方ってこうなってるんだな〜と納得できる感じだと思います。 詳しくは読んで楽しんで頂きたいのですが、

          #05 【読書記録】データから考える教師の働き方入門