ブレインストーミングって、仕事で使っていますか? <ブレスト小話その1>
アイデア発想の代表格であるブレインストーミング。皆さんは、どう活用されていますか? ソーシャルクリエイターズ・スクールで講師を勤める二人が、ブレインストーミングの使い方を深掘りします!
【芝】本日は、アイデア発想の代表格であるブレインストーミングについてお話しします。また、ナビゲーターとして上野郁江さんをお招きしました。上野さん、自己紹介をお願いできますか?
【上野】皆さん、はじめまして。上野郁江と申します。芝君と一緒にクリエイティブ思考協会で理事をつとめております。芝君と一緒に『創造的思考のレッスン』という本を書いてまして、その立場から、今日はブレインストーミングを深掘りしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【芝】さっそくですが上野さん、普段、ブレインストーミング(ブレスト)はどのように使われていますか?
ブレストでToDoを出して、仕事の効率化を実現
【上野】ブレストはアイデア発想に使うツールとして一般的に認知されていますが、私自身は日常的にかなり活用しています。私がよく使っているのは、ほぼ毎日行うToDoリストの作成です。本の中でも書いた通り、自分の中で「今日やること」を整理し、優先順位をつけた上で、手をつける順番を決めて仕事を進めています。
私は、Miroというウェブ上で使えるホワイトボードツールや、プロジェクト管理ツールのAsanaを活用しています。これらのツールで、時間を決めてToDoリストを作成し、整理することで、作業を効率化しています。
【芝】時間を決めることは重要なポイントですか?
【上野】時間を決めることで緊張感を持って効率的に進めることができるので、できるだけ時間を決めるようにしています。以前は家での作業などでは時間を決めずにやっていたこともありましたが、結果的にダラダラと作業が続いてしまいました。そのため、時間を決めることには意識をしています。
【芝】なるほど、ちなみにそのToDo出しは大体4、5分ぐらいですか?
【上野】長くても5分、それぐらいで出すようにしていますね。
【芝】ブレストとかも4分ぐらいで書いてくれって言われるんですよね。オンラインだと、一度書いてから出すみたいなことが多くなってきたなと感じています。でも、だいたい4分から5分で書き上げることができますね。
【上野】最初は、ToDoを洗い出しするのに時間がかかるかもしれません。私自身も、最初はそうだった気がします。しかし、書いて出す習慣が身につくと、4分という短い時間でも自分の頭の中を整理できるようになります。
【芝】ありがとうございます。そして、重要度分けのために、これが重要で、これが緊急で、という軸で整理するみたいな感じですか?
【上野】「緊急度」と「重要度」の軸をかけ合わせた上で、ToDoを整理する手法は有名ですよね。私もよく活用しています。そして、重要で緊急なものから優先して手をつけています。今日中に終わらせなくてはいけないものなどは、特に優先して対処します。
【芝】毎日行っている感じですか?それとも、ちょっと時間を空けてからやっている感じですか?
【上野】仕事のタスクは、頭の中がぐちゃっとしたときに多く発生します。タスクは都度都度、ボードに入れていくので、普通のToDoリストと同じようにタスク一覧をよく目にします。タスクの期限は、3日か4日程度で設定することが多いですね。
【芝】終わったら、タスクはどうするんですか? 消しますか、それともアーカイブしておきますか?
【上野】チェックを入れてアーカイブしておきます。終わった時の気持ち良さがたまらないんですよ(笑)。
【芝】チェックした時の快感があるんですよね。タスクを終えた時のスッキリ感もいいですね。他に使い方はありますか?
ブレスト×カスタマージャーニーマップで、超強いコピーライトができてしまう件
【上野】私はフレームワークをベースにブレストしています。カスタマージャーニーマップというフレームワークも使用していますね。「相手に刺さるように伝える内容」を考える際に用いており、キャッチコピーなど相手に伝わる文面の内容を検討する際に有効です。カスタマージャーニーマップを捕捉しましょうか?
【芝】お願いします。
【上野】カスタマージャーニーマップとは、サービスデザインの現場で使われているツールで、サービスを利用する人の立場になって、旅をするように、その人の体験を理解するフレームワークです。例えば、40歳女性の場合、朝・昼・夕方・夜の4つのフェーズに分け、そのフェーズごとにどのような行動を取り、どのような場所でどのようなことを考え、どのような感情を抱くのかを理解します。その後、行動を想像し、ブレストを使ってアイデアを出し、書き出していきます。
【芝】上野さんのカスタマージャーニーマップは、「伝える」に特化した感じになってるよね。
【上野】カスタマイズされていますね。サービスデザインでは、タッチポイントを洗い出すことが大切ですが、私は「感情」と「考え」の軸に注目して使っています。相手に伝わる表現を検討するために、感情の波を描いてもらいます。例えば、「ワクワクしている」とか「困っている」といった具合です。
感情の波を書くことで、その人の状態が分かります。そして、困っているところから、刺さりやすいキャッチコピーを作ります。このキャッチコピーの作成は、カスタマージャーニーマップを完成させた後に行います。まずは、フレームワークを使って、ブレストで思いついたことを埋めるていくことが大切です。
【芝】カスタマージャーニーを行った後にキャッチコピーを出す方が効果的でしたよね。純粋なブレストでキャッチコピーを出すのと、カスタマージャーニーを行ってからキャッチコピーを出すのとを比べた結果、後者の方がいいものができやすいですよね。
【上野】ですね。芝君と一緒に、あれこれ試してみた結果、カスタマージャーニーマップを作成して、ユーザーの視点を理解してからキャッチコピーを考えることが、精度が飛躍的に向上することがわかりました。
【芝】ちなみに上野さんは、相手の視点や価値観で物事を見ることを「メガネをかける」と表現しているよね。
【上野】そうですね。「メガネをかける方法ってどうすればいいんだろう?」と考えた結果、カスタマージャーニーマップに辿り着きました。使い方によって、強力な威力を発揮するフレームですね。
(次回に続く)
POST SCRIPT
皆さん、いかがでしたか? この後、今までお互いに形式知化していなかったブレインストーミングの使い方が登場します。夫婦仲も円満にする、ブレストの使い方を芝くんが教えてくれます! 次回もお楽しみに!
Edited by Eddie U
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