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クリエイティブ思考とブレインストーミングの秘訣 〜本の目次を創るには<ブレスト小話3>

ブレインストーミング。皆さんは、どう活用されていますか? 前回から引き続きまして、ソーシャルクリエイターズ・スクールで講師を勤める二人が、ブレインストーミングの使い方を深掘りします!

※この記事は、音声メディアVoicyの「芝哲也のクリエイティブ・ジャーニー」より、008「ブレインストーミングについて 仕事編」をNote記事用に再編したものです。音声で聞きたい方はぜひ、右下のリンクからお聴きください♪

芝哲也のクリエィティブ・ジャーニー 008

(前回から続く)
【芝】今度は、上野さんのお仕事でどのようにブレインストーミングを活用されているか、聞かせていただけますか。

【上野】パっと思いついたのは、2人で書籍を書いた時に、書籍名を検討するときにも使いましたよね。あと、本の構成作りですね。『創造的思考のレッスン』の構成案は、ひたすら2人の頭の中にある「伝えたいこと」を付箋に書いて、それを再構成する形で本の構成を作りました。

「クリエイティブ思考は、カツオ君くん的思考」なんですって。奥さま

相手の思考を揺らすことも、ブレインストーミング

【芝】確かに。その時は大変でしたね。ちなみに僕は、上野さんが使っている中で特徴的だと感じているのは、インタビュー型で使う感じだと思っていて。「この内容は、具体的にどうゆうことですか?」って、聞きながら、相手の頭の中にあることをどんどん外に出していく。

【上野】そうですね。私は、クライアントさんのセッションをするときに私から質問して、相手の頭の中にあるものを全部出してもらう、ことはよくしています。

【芝】つまり、一緒にアイデアなどを出すだけがブレストではない、と考えていたりします。要は、相手の頭の中が、こう(手をグルグルと動かす)、ブレインがこう、ストームしていって……。

【上野】揺らされて、普段考えていないことが出てくる状態になれば、ブレインストーミングじゃないかってことね。

【芝】1回、こんがらがっているものが全部見えるようになると(視覚化)、すっきりする効果もきっとある。

ブレインストーミングで構成案を作るときのコツ

【上野】本の構成をつくる時にはコツがあって、少しだけ縛りを入れてあげるんですよね。

本のターゲット「読者が誰か」を明確にして、その読者が本を読んだあとに「どうなってほしいか」ゴールを設定する。読者の現在地とゴールにギャップが生まれるので、そのギャップを埋めるために必要な知識やノウハウを、ブレストによって思いつくままに全部、出していきます。

あとは、目次用に5つのフレームを用意してあるので、そのフレームにそって整理します。「Why・What・How」フレームを例に挙げて説明すると、まず、Whyは「なぜこの知識が必要なのか背景などを書くところ」。Whatは「書籍のテーマの中身」ですよね。どういう内容なのか。Howで「実際どのように使うのか」をまとめると……、それだけで目次ができてしまいます。

「Why・What・How」で目次を整理できる

【芝】おお、なるほど。読むのが「誰か」と、その「ゴールを明確にする」ことが一番大事。なぜなら、目標がないと、何を相手に提供していいかよくわかんないしね。

【上野】 そうですね。そこを設定するとあとはなんとでもなる。

【芝】それこそまさに「ディレクション」の話かなと思います。ゴールを明確にすること。要は、中学生だったら中学生に伝わるように書くし、30代男性だったら、中堅会社員に向けて書くという事ですね。

【上野】はい。執筆する際に、この設定が活きてきます。よく「ブレインストーミングは問いが大事」と説明する本がありますが、それと似ています。要は「中学3年生にこの表現にして良いのか?」、「ビジネスパーソンの30代男性にこの表現で伝えていいのか?」と問うだけで、執筆に使っていい単語が全く変わってくるんですよ。

商業出版したいならブレストで目次を創ろう

【芝】本を書くときには、構成が一番大事感じですか?

【上野】本を書く時はもちろん、書籍企画書にとって目次が一番大事です。よく、本を書きたい方から「目次を作れません」って相談されます。なので、「書きたい内容や思いついたことをブレインストーミングって出し切ってからまとめると良いですよ」ってアドバイスをするんです。でも、結局、目次を書けなくて止まっちゃう方が多いのでもったいないですね。

【芝】その悩みは、いいのを出そうと思っていっぱい出さないから、うまいこと行かないってことなんですかね。

【上野】おそらく、完璧なものを出そうとしてる感じがします。止まってる方の特徴としては。そうじゃなくてもっと気楽に思いついたものをボンボン出すのが、ブレストの根底にある本質ですね

書籍企画書はプロトタイプ

【芝】編集者って、この文章の中から「これは伝わらないから切ろう」とか「ここは足そう」と練りながら研ぎ澄ましていく人たちですよね。その時に逆にラフなものを出してないと、内容を研ぎ澄ませない感じなんですか?

【上野】それはどっちでもOKです。別に精緻なものがきたとしても、企画の読者層に向けて書いてあればいいんですよ。可哀想なのは、細かく書いたけどガッツリ落とされる場合です。編集者の立場としては、「これは読者にとって不要かな」と判断した場合には、読者にとってのメリットを考えてバッサリ切ります。なので、ラフなものを出して、あとで整えるのがいいと思います。

【芝】書籍企画書もプロトタイプですよね。お金かけて作り込んだのもいいんだけど、要はラフなもの出したものでも80%ぐらいは課題が見える。

【上野】 まさに、です。ブレストも企画書も気軽にラフに取り組んだ方がいいと思います。

POSTSPICT

皆さん、ブレストで本の目次も作れることや、企画書はプロトタイプなので、ラフに作るという視点はいかがでしたか? 次回は、コピーライトを考える際に、どのようにブレストを使うとキャッチーなアイデアをだせるかを紹介します。 次回もお楽しみに! (次回に続く)

Edited by Eddie U


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