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間取りの考え方~3階建て狭小住宅

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に住宅を設計しています。

週末は私が間取りを作る時にどうやって考えているかを間取りとともに説明していく『間取りの考え方』という記事を書いています。
(朝にUP間に合った汗)
過去の『間取りの考え方』はこちらからどうぞ。

そして文章中に出てくる専門用語が分からない時は

こちらのリンクへ飛べるように単語にリンクを貼っています。
目次から検索お願いします。

今回の依頼内容

そもそもこの敷地に建物建つのかな?という過酷な条件の敷地を渡されたところからでした。

何が過酷かというと・・・敷地がそもそもそんなに大きくない敷地なのに(確か50㎡もない土地)
西側道路幅員が現状1.8mほどで対側が開渠水路(上が空いている側溝)の為、道路後退が片側後退しなければならなかった敷地です。
建物を建てるには道路を4mにする必要があるのです。
大体は対側の敷地と半分ずつ広げる事がおおいのですが、今回の様に片側に後退になると4m-1.8m=2.2mも敷地が道路になってしまうんです。

結果残った敷地は約36㎡の三角形。
たしかにそもそも入るのか?!レベルですよね。
ですので、それ以外の条件はとりあえずはなしでした。

ゾーニングなしで間取り作成強行

敷地に対して入る所に入るものしか入らないのだから・・・
そう考えてとりあえずはめてみた間取りがこちら。

ぼつ間取り

駐車場がこうしか入らないのと、2階が敷地計上に合わせてガタガタになるので自然と水回りは1階に。
3階はなんとか取れて、2部屋。
で!?キッチンどうやっておくん!?
とういうか、そもそもこの間取りでは道路斜線もクリアーできず(汗)

しかも『そもそもつまらない間取りーーーーーーーー!!!!!!!』
って発狂した(笑)

普段からつまらない『THE建売間取り』も書きますよ。
でも、結局2LDKしかとれないのにつまらない間取りでいいのか!?
いっそ振り切って、万人受けしない特定受けする間取りにしよう!ということで考え直し。

それでできた間取りがこちら

間取りまとめ

振り切ったポイントは1LDKにしたところ。
夫婦二人で暮らす一戸建て』という想定で間取りを作ってみました。

全体的にはボツプランとは変わらない3層の振り分け方ですが、一部屋一部屋にゆとりを作ってとにかくできるだけ区切らないことにしました。

平面図-3F のコピー

ですので3階は7帖の寝室とウォークインクローゼットだけ。
しかも、寝室にはウォークインクローゼットを通って入るようにしました。
これで廊下が少なくて済みます。
実際私がそうですが、朝起きてクローゼットに服をとりに行って洗面所に行くので動線としては有りかなと思いました。
しかも、家族以外主寝室に入ることはないので問題ないかと思います。

平面図-2F のコピー

2階はワンフロアーLDK。階段は手すり壁をアイアンにするなどして極力圧迫しない造りにしたいです。
キッチンは少し小さめですが2暮らしなら十分かなと。
デットスペースになる斜めの部分は造り付けのデスクでプチ書斎、または家事デスクなど、LDKの一角に個室にかわるスペースをとりました。

配置図 のコピー

1階兼配置図です。
1階はあえて玄関を広くとる間取りにしました。
理由はここも個室の一つとしても使えるようにです。
2人暮らしで趣味がアウトドアやDIYなら玄関も個室として使えるのでは!?という想定の提案です。
シューズクロークは階段下を利用して稼働棚で靴以外の収納も兼ねて大容量に。
さらに、お風呂洗面所がどうしても1階になってしまうので、玄関を広くして普段は室内干しの洗濯スペースにしようと考えました。
『玄関に洗濯干し!?』
と思うかもしれませんが、来客がなければいいんじゃない?という私の考えです。
我が家がそうなのですが、共働きで朝洗濯したら夜帰ってくるまで取り込めないので洗濯のほとんどが室内干しです。
だったら、朝玄関に干して帰ってきたら玄関で取り込んで持って上がる。
無駄がなくていい!!とズボラな私は思ったわけです(笑)

パース図-正面

外観は玄関ポーチの部分を広くとって、宅配ボックスまたは置き配スペースにできたらなぁ~と。
これも共働きあるある機能かなと。
さらに背面を格子にして空間の抜けとアクセントになるようにしました。

全体的に『これ?ってありですか??私的にはありなのですが・・・』という間取りになりました。
だからかな私はかなりこの敷地に対して満足な間取りなったとも思います。
皆さんはどうですか??

結果的には

依頼者さんにこちらの間取りをお渡ししたのですが、結果的には『なし』でした(笑)
不動産会社さんが土地を売る為の間取りだったので、『これじゃ売れない』とのことでした。

まぁそうですよね。
過去の間取りの考え方にも書きましたが、万人受けする売れる建物は4LDK必須といっている中1LDKの間取り書く私(笑)
まぁ結果noteのネタにさせていただいたからいいですけどね!!(笑)

さいごに

この間取りを書いて思いましたが、『こう暮らすのが当たり前』という固定概念を外してみると自分なりの住みやすい家になるのでは?!と思いました。
じゃ~この間取りの家、私なら買うか?と言われると・・・
『買うのは無理!借りれるなら借りたい!!』
かな(笑)
売るならいくらで売っていたのか分かりませんが、安くても2000万円はくだらないでしょう??
そんな大金はたいてこの敷地はないかな~が結局現実的な考えですね(笑)

さてさて今日は打って変わってかなり大きな家の完工です、
お客様立ち合いが無事終わりますように・・・『いってきます』
みさんは今日は土曜日お休みですか??出かける方は『いってらっしゃい』

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左巴建築設計事務所 さわ。

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