見出し画像

再会と、夜明け。


児童養護施設。

私の生い立ちであり、
長年蓋をしてきた言葉。

この蓋はすごく軽くて、すごく薄い。


”地元はどこなの?”
”実家はどこなの?”


こんな日常の会話で、

すぐに暗い私が顔を覗かせる。

だけど笑顔で、
お決まりの嘘をつくんだ。

自分のことしか傷つけない嘘。

一度外れると、暗い暗い自分がやってくるから、
慌てて蓋をする。明日を迎えられるように。

どうして私だったの?
私はいらない子だったの?
育てられないのに、なぜ産んだの?


児童養護施設。

私の生い立ちであり、
長年蓋をしてきた言葉。
それは私自身に蓋をしてきたということ。

いつか、向き合わなきゃ。

ここで、今日から。


何重もの有刺鉄線でぐるぐる巻きにしてあるから、
包帯でも用意して、
ゆっくり、解いていこうと思う。


そして、同じように、
今を明日を精一杯、ふつうに生きようとしている方と考えていきたい。
もう誰のことも、自分自信のことも責めなくていいように。


これは未だ進行中の、
暗くて、黒くて、淡くて、儚い、私の過去だ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?