ベースの話。

以前にも書いた通り、僕はベースを弾いている。
ベースというのは奥が深い楽器で、弾けば弾くほど沼にはまっていく…
それぞれの楽器でそれぞれの言い分があると思うので、これはベーシストという立場からの偏見も含めた言い分だと思って読んでいただきたい。

まず、ベースがどんなことをしているか・弾いているどこまで認知されているかという事から始まる。

音程

基本的には、コードのルート音を弾くという事で間違いはない。
ただ、これは「間違いではない」という話。
ベーシストが基本として弾く音を変えてしまうと、それは分数コードとなり和音として成り立ちが変わる。

俗に、ベーシストはコード理論に弱いと言われる事がある。
それは楽器の性質上、単音を弾く事が多く和音をあまり弾かないのでコード感覚が弱いのが理由かと思われる。
しかしながら、ベーシストがコード理論に強いと一気に音楽の幅は広がると僕は思っている。

先に書いたように、ベーシストが何を弾くかで和声が変わる。
つまり響かせ方が変わるのだ。それをコントロールできる楽器がベース。

また、代表的なコードにはメジャー/マイナーというのがあり(他にもあるけど割愛)その違いは3度の音がフラットするかしないかである。その音ひとつで響きが明るくもなり暗くもなる。

前述したように、ベーシスト的にはルート音を弾いていれば問題ないし間違いはない。そこに、ベースラインで3度の音を入れるか入れないかでコード感が強く出るか出ないかの違いもある。ルートだけを弾いているならメジャー/マイナーも関係ないので。

これらの理由で、ベーシストはバンド編成で自分が弾く音を考える必要が出でくる。

例えば、Vo&Gt,Ba,Drの3ピースだった場合。
Voが弾くギターは歌中では伴奏になってしまう傾向が強い。
その場合、ベーシストがラインを動かすことでコード感を出すか出さないかをコントロールできる。

Vo&Gt,Gt,Ba,Drの場合。
Voが弾くギターはそこまで違いが出なくとも、もう1人のGtが装飾的な事をやる可能性が出てくる。この場合、Gtのプレイスタイルにもよるけどあまり動かし過ぎるとごちゃごちゃしてくる可能性もあるので、加減をしないといけない。

Vo,Gt,Ba,Drの場合。
この場合、Gtは伴奏もやり装飾もするという可能性があるのでベーシストはギターが何を弾いているのかをよく聴いて自分の立ち位置を決める必要がある。

Keyがいる場合。
鍵盤の左手とぶつからないようにコード感を意識しつつ、他楽器とのバランスで立ち位置を考える。

少なくとも僕の場合、編成でこれぐらいの事は考える。
そのため、同じ曲でも編成が変わればベースラインを修正するという事も当たり前にある。

リズム

リズムについては色々考えている事があるので、そのうち細かい話はするとして。

個人的には音楽ジャンル分類のポイントの一つはリズムだと思っている。

レゲエにはレゲエの、ジャズにはジャズの、ロックンロールにはロックンルールの、ブルースにはブルースの基本となるリズムパターンがある。

曲の雰囲気をどう聴かせたいかの方法の一つはリズムパターンのチョイスだ。もちろん、これはベースだけの話ではなく全てのパートに言えることだけど、リズムと音程をコントロールするのが専門の楽器であるベーシストがいかに幅を持っているかは重要。

あとよく言われる、ベースとドラムのキックを合わせるという話に関しては個人的には全く気にしていない。というより、完全に合わせるというのは避ける傾向にある。

時にはその方が締まる事もある。バラードなんかでは特にそう。
だけど、8ビートや16ビートなどノリの良い楽曲には点で合わせてしまうとリズムが細くなってしまう。リズムの幅を広くすることによって、リズムが太くなりそれがグルーヴと呼ばれるものになっていくと考えている。

音質

僕のアンプセッティングは独特らしく、ライブの時などによく対バンのベーシストにセッティングを見られる事が多い。
僕は95%ぐらいピックで弾く。でも、アンプから出てくる音は指弾きに近い。

それはベースを始めた時に考えていた理想の音が「指弾きの音でピック弾きの立ち上がり」というのだったから。

ボーカルの音を生かすのは指の音の方が良いと思っている。
しかし、音の立ち上がりが遅いので望むタイミングにコントロールするのが難しい。ピック弾きは音の立ち上がりが早いけど、ガリガリとした音が邪魔になる事もある。

それなら、ピックで指の音を出せればクリアになると楽器を始めた時に思い、そこからずっとセッティングを模索し続けた。
これは初心者の発想だったので、今ではもちろん指でもピックでも支障はない。だけど、自分の基準となる音がこの時に考えた音だからずっと今でもそのまま。

ピックの当て方や、弾く位置、トーンコントロールなどその他もろもろを駆使して、このセッティングのままピック弾きらしいガリガリした音を出す事もできる。曲中で使い分ける事が多々ある。

僕の演奏をライブで聴くと不思議らしく、明らかにピックで弾いているのに出てくる音は指弾きの音に近い。
レコーディングでも同じなので、音源を聴くだけだと指弾きに間違えられる事が大半。

つまり、弾き方がどうこうではなく出したい音がどういう音なのかが重要という事で、そのために追求もするし研究もする。

指だからこういう音しか出ないとか、ピックだからこういう音にしかならないとかは言い訳に過ぎない。音作りは目でするのでなく耳でするもの。

まとめ

大きく分けて3つの要素を取り上げたけど、もっと複雑な問題もある。
僕個人の意見としては、ベースという楽器は[ある程度]というレベルになるには簡単な部類の楽器だと思う。しかし、シンプルだからこそそこから追求し始めると奥深い楽器。

楽器編成の中でバランサーとしての役割を持ち、全体像をみながら自分の立ち位置を決める。ベースとキーボードは、バンド編成の中で立ち位置を考えながら演奏していることが多く、他の人の出方で自分の出方を決めることが多い。そのためには、どれだけの引き出しを持っていてどう対応できるかが重要。

そういう役割だからこそ、プロデューサーやアレンジャーにはベース・鍵盤出身の人が多いのではないかと思っている。

それぞれにそれぞれの役割がある。
どれが良い・悪いではない。
その点は間違えて欲しくない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?