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vol.1 NZワインメディア、つくりましょう

僕と、このマガジンを一緒に更新する岩須さんは、2021年2月5日に共同経営者としてワイン販売会社「株式会社ニタス」を立ち上げました。

このマガジンでは、新会社ニタスの酒販事業を立ち上げるまでと、立ち上げてからのことを、できるだけ生々しく書いていきたいと思っています。

これから酒販やそれ以外の小売で事業を興したいと思っている人には、良い面と悪い面のどちらも参考にしてもらえる気がしますので、しばらくの間是非ともお付き合いください。

さて今回は、ワインショップ立ち上げ前夜、そのきっかけとなったWebメディア「ニュージーランドワインラバーズ」の企画と公開までについて。

このマガジンは、僕と事業パートナーの岩須さんによるリレー形式とする予定です。今後は会社の設立や酒販免許取得、さらに店舗物件取得やECサイトのカート選定、Webでの集客やSNS、SEOの考え方なんかについても書いていきますので、ぜひぜひご期待ください

WebでNZワインについて発信したいソムリエと、お客の僕

もう数年前でしょうか、岩須さんの店(ボクモというワインバー)のカウンターで「NZワインについて発信していきたい」という感じの雑談をしていました。僕は当時も今も、Webメディアをいくつか運営していてそこそこのアクセス数も持っていたので、その観点から色々とお話していたように思います。

ただ、発信したいとはいっても岩須さんはお店に立っているし、ラジオ作家としても活躍中(あのキングオブDJ、小林克也さんの原稿を書いています!)で、とにかく多忙。これに加えてWebメディアを持つのはちょっと現実的ではありません。カウンターに行けばメディア運営について話すけど、具体的には特に進展もないという時期が数ヶ月続いたように思います。

とはいえ僕も当時、「そろそろ何か新しいことをやりたい」と感じていた時期で、(僕だけ)お酒を飲みながらお話をするうちに、ふたりとも「やりますかー、やりましょうかー」という空気になっていきます。お酒って怖いですね笑

実はその後一緒にカレー屋をやりかけたんですけど、コロナ禍もあって一旦ステイ中です。カレー屋やりたい。

「新しいこと」とはいうものの、僕は先述の通りWebメディア運営はもちろん、制作や広告のことも業務として携わっていたので、はじめるのだけは全然抵抗なくできます。そして岩須さんもラジオ作家ですから、文章は書けるし店舗運営をしつつワインセミナー講師なんかもされてたので、ある程度の発信力はある。

あとは、とにかく長く続けられる体制づくりをどうするか、そして将来的な収益化が可能か。このふたつの課題をクリアできれば、というところでした。

まずは、動きましょう

はじめましょうかー、という軽いノリで動き出したものの、僕の会社と岩須さんの会社、どちらもそれぞれのリソースを投入してはじめるので、将来的な収益化は必須です。趣味じゃないので。ただ、このタイミングでマネタイズ方法まで考えるのはちょっと時期尚早であり、そこを考えはじめると「マネタイズが難しい理由」を並べてしまうだろうとも考えました。というか、この時点での僕の気持ちは、「収益化難しそうだけど、展開に合わせて臨機応変に頑張れば、そこそこの事業にはなるかなー」といったもの。

そんな感じだったので、まずは動きましょう、と「とにかくはじめること」を決めました。

これは僕の人生に通底する考え方ですが、まずはサクッと小さくはじめて距離感を測りつつ、いけると思った瞬間にアクセルを踏む。おそらくこれが最も安打数を増やしつつ、打点も稼げる方法だろうと思います。要するに打席数を増やしてバット振る。そしたら率は悪くてもヒット出るっしょ、という感じ。例えが野球ですみません。

繰り返しますが、この時点では、将来的な収益化は念頭に置くものの具体的なアクションプランは決まっていません。ただし今までの経験から、メディアとしてある程度集客できていれば、その先は柔軟に対応できるとは考えていました。もちろんニュージーランドワインのサイトですから、当然その周辺領域での収益化になることは想像していましたし、実際にミーティングでも そのように話していました。

立ち上げの準備

ゼロからWebメディアを立ち上げるわけですが、メディアとして成立させる上で必要なこととして、まずは

・コンテンツの質
・SNS運用
・SEOでの流入

を満たしていく必要があります。あくまで「まずは」ですが。

そしてこれらは割と密接につながっています。しかし収益化の目処が立っていない以上、大きなお金は使えません。

ということで、1年〜2年後にぼちぼちのアクセス数があればいいかなー、という感じで、2019年の5月に第一回目のミーティングを行いました。

その時点では、

・僕(サイト運営の方針決定と一部執筆、編集)
・岩須さん(ソムリエとして前面に立ちつつ、全記事監修・一部執筆)
・弊社スタッフ(1人はフル、1人はリソース半分)
・岩須さんの会社のスタッフ(サポート的立ち位置)
・サポートメンバーに8年のNZ在住歴のある友人・石黒さん

といった体制です。これはいまでも大きく変わっていません。

この体制で「まずはメディアとして形にする!質はあとから上げていく!」という認識のもと、公開に向けて動き出しました。

形にするのを優先した理由は、質にこだわるとスピードが落ちるからですね。Webは幸いなことに後でいくらでも直せます。そしてスタートしたばかりのサイトなんてSEOの流入もないし、身内と知り合い以外誰も見てないので、こだわる意味がない。

そしてなんといっても、ガッツリコミットしているメンバーは、公開後にようやくサイトを客観視できる。

このあたりは弊社が受託制作だけでなく、自社事業をいくつか運営してきたことから得た知見です。

もちろん今は、公開時にはちょっと心配だった記事もほぼリライトしてあって、概ね問題ないレベルに達しています。また、いくつかの記事は狙った検索クエリで上位表示もできています。

サイトの公開に向けて

最低限サイトとして成立するコンテンツをつくるのに、5月〜10月いっぱいの約半年を要しました。

その間、好きだったもののそれほど詳しくなかったワインについて、ソムリエである岩須さんの講義を2ヶ月に渡って全員で受講。会社の経費でちょっとよいNZワインを購入し、味わって経験値を積む。その間にサイト設計、構築、キャラクターイラスト制作などすすめる。

こんなことをしつつ、文字数の少ない記事を合わせれば多分100記事程度は投入しました。この経験を経て、僕も含めておそらくメンバー全員、普通の人以上にはワインに詳しくなりました笑。ワイン選びでお困りの方はご相談ください(メンバーが太刀打ちできない通な人には、ソムリエ岩須さんを紹介します!)。

でも、潤沢な資金を使えないWebメディア運営って、とにかく最初は全然成果が出ないんです。これが本当につらい。

僕は過去に経験していたので、最初は誰も見ないことを前提に進めていましたが、未経験のメンバーにはきっとつらい時期もあったと思います。

なにせゴールが見えない。成果がひとつもない。誰も見てくれない。真っ暗な闇の中で船を漕いでいるようなものです。業界問わず「よし、今日からブログ書くぞー」という人の殆どが、ちっとも続かない理由の90%以上はこれでしょう。

このつらい時期をなんとか乗り越えた僕たちは、ニュージーランドワイン専門サイト「ニュージーランドワインラバーズ」の公開までこぎつけます。

それは、既に10月31日でした。

*****

続きます

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