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人の生活に手を出さない

営業に行きなよと結構言われた。店を始めてからまだ営業は行ったことがないし、これからも行く気はない。

店の近くには車屋さんがあり、そこに珈琲を扱ってくれと言いに行くことも何度も言われたが、行きたいと思えないのと怖いのともう珈琲は出してるじゃないかという気持ちが混ざり合っている。

例えばケーキ屋などにドリップバックを置いてもらえませんか?と言うことはできるけれど、店の近くのケーキ屋は大体以前からあるコーヒー豆屋さんがドリップバックを置いていて、そんなお店にうちの珈琲を置いてくださいなんて言えないよ。これは優しさとかそんなことじゃなくて、普通に失礼なんじゃないかとさえ思う。そこにおいてあるのよりも安いですよ?とか言うのはもうダメだよ。だから営業されるのもあまり好きではない。

そこに卸をしている珈琲屋さんにも生活があるはずだ。そこの一件がなくなろうが大したダメージはないかもしれないけれど、その方にも生活があり売り上げが必要なのだ。もちろん僕にもだけどね。だからといって僕はその人の生活を脅かすようなことはしたくないのだ。綺麗事のように思うけど僕がもしそうやられたら結構辛いもんね。

なんか優しいからとかビジネスだからとかクソほどどうでもよくて、とにかく人間なんだからやりたいことだけをやり続けなくてはいけない気がして。お店を始める前から営業はやらない!という謎の誓いを立てていたから今までなんとか営業だけはやらずに来れた。知り合いの方とかに珈琲いります?とかは聞くけどね。

僕は稼ぐためにビジネスをやっているつもりはなくて、生きるため、やりたいことをやるために珈琲屋をやっているにすぎなくて。だから大丈夫か?と心配されるほどいまだに売り上げは生きられるほどないし、毎日何を食べたら節約になるかな?と考えることで日々耐えている状況にある。それでも今は良いと思っている。友人たちはみなしっかりと職につき毎月給料をもらい、休みの日には遊んだりしている。それを羨ましいと思うことももちろんあるし、僕だって旅行に行きたい。だけどそれをやるほど儲かっていない。だから儲けたい!!!!どうしよう!とはあまりならないのだ(笑)

9月が終わったけどなんかこのくらいの売り上げがあったらすごいよね。家賃もクレカも払えたしよくね?ていうかこれでも土日祝とか結構しんどいし、、、と思っている。しんどいけど精神的には楽チンって感じで。病むことはない。

この前珈琲を淹れながら、(僕は今自営業をしていて、珈琲をお客様のために作っているんだ)と思えたことがあって、その時に目の前からフワーッと風が吹いた気がした。

大変なことだらけだ。これまでもこれからも。
それでも続けていかなくてはいけないし、
続けていきたいと思えている。

珈琲の焙煎はなかなかうまくはいかない。
自分の中でまだまだだと思っていても、お客さんは美味しいよと言ってくれる。だから嬉しい。
素直に受け取ればそれで良い。

さて、10月も同じように繰り返していこう。
新しいことをやっているのは外には分からないけど、きっとやっている自分達には日々変化が訪れているよ。

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