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2023年2月の記事一覧
天使に粗相はできかねる 第六話「雨の夢」
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暗くて冷たい雨の夢だった。
母がおとなたちに連れていかれ、
本当に一人ぼっちになった日のことだ。
街は少年の母親を引き渡すことに抵抗せず、
喚く少年を止めてやることもしなかったので、
魔女狩りを自称するおとなたちは元から決まっていたように、
見せしめのような暴力を少年に浴びせ続けた。
少年は、からだのあちこちに鈍く重たい痛みが脈打つなかで、
子どもに暴力を振るうことになんの抵抗もないのだ
天使に粗相はできかねる 第五話「羽根の痕」
ワンピースの裾をつまんでふわりと一回転。
体が軽くいられるように、神様に羽を預けてきたのだという。
「直接は見ない方がいいですよ、
目が潰れてしまいますから。」
向かい合っていた天使の少女は少年の両手をすくうように持ち上げ、
そのまま天使の少女の腰を包むようにみちびいた。花の匂いがする。
少年の手を持っていた少女はするりと腕を抜いて、少年を抱きしめた。
久しぶりに会えた家族への抱擁のような
天使に粗相はできかねる 第四話「厄介払い」
蜜漬けの果実を瓶一杯に貰った少女は
ご機嫌で、ちいさく鼻歌を歌っていた。
もっともその「お土産」だって、
さらに話そうとしていた屋台の少女を遮って、
屋台の女主人が無償で渡してきた品物だった。
堂々と締め出すことができない手前、
体よく会話を切り上げる方法だった。
天使の少女は知ってか知らずかそれを受け取り、後を引くようなこともなく、少年と共に屋台をあとにした。
「それ、讃美歌ですか?」
「い