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中学生の時、委員会をクビになった私が子供の役員をやっていいのか

私は娘の保育園の役員に選出された。
役員は各学年ごと1人選出され、選出された保護者と先生、地域の方を集めて定期的に運営委員会を開いて協議するらしい。

先生「今年度の役員を○○ちゃん(娘)のお母様にぜひお願いしたいと思いまして。お忙しいと思いますが、引き受けて頂けますでしょうか?」
私「え!?私がですか?」
先生「はい。ぜひお願いできないかと思いまして」
私「え、私でいいんですか?」
先生「もちろんです。」


本当に、嫌とか忙しいとかじゃない。「私でいいのか」なのだ。
やり遂げられる自信がない。それには理由がある。

私は中学生の頃、委員会をクビになった。人生で初めてのクビ宣告を早くも中学生で経験した。

遡ること、中学二年の秋口、私は幼馴染と一緒に下校したいという理由で、口裏を合わせて、同じ放送委員会に入った。


ちなみに、この幼馴染もなかなか奇人だったので、私と彼女が、中学三年間で一度も同じクラスになることはなかった。
きっと、先生の間で、混ぜるな危険的な人物になっていたんだろう。

幼馴染との放送委員の仕事は楽しかった。
私たちは当初の予定通り、一緒に下校できるように、放課後のシフトにしてもらい、与えれられた業務をこなしつつ、常にふざけ合ったりしていた。

ある日の放課後、いつものように放送委員の業務をこなしていたのだが、その日はDJになりきって遊んでみようということになった。
私たちは、放送室にある、あらゆる機器を使って、DJのように、ボリュームを絞ってみたり、いかにそこにある機器をDJっぽく動かせるかで遊んでいた。
流れている下校の音楽は、軽快な「カノン」であるのというのに。

しばらくすると、体育教師がが鬼の形相で、いきなり放送室内に飛び込んできた。その瞬間、「お前ら、何してんだ」と怒鳴られた。

なんで放送室に体育教師が来るんだよとか、屁理屈を思いながらも、「今日、当番の日なんで」と言うと、「違う。全部外に聞こえてんだよ」と言われた。

その瞬間、頭が真っ白になった。

盲点だった。
私たちは、各クラス、校庭など場所ごとの音量はすべて完璧にミュートにしていた。しかし、肝心な「一斉放送」のツマミをミュートにしていなかったのだ。

あの、おふざけDJが全校生徒に向けて流れていたのだ。とんだ私のDJデビューとなった。
DJ松永も、こんな強烈なDJデビューを飾っていないだろう。

しばらくすると、放送委員担当の女教師も現れ、
「あなたたちのふざけた放送は全校に流れていました。次、同じようなことがあったら、もう当番から外れてもらいます」と言った。

脅しなのか本気なのか、当時の私はわからなかったが、女教師の放つ雰囲気から「結構ヤバイ」という危機感だけは感じた。

それからしばらくの間は、放送時に細心の注意を払いながら、業務に臨んでいた。

しかし、そんな緊張状態も長く続かないのが、中学生。

あの事件から一ヶ月くらいたった頃、なぜか私たちは、放送室の中で、バドミントンをしていた。

私たち的には、完璧に業務をこなし、あくまでも空き時間にバドミントンをしているはずだった。
しかし、神様のいたずらとはこのことなのか、単に私たちの詰めが甘いだけなのか、またもや何かの拍子でツマミが切り替わり、私達の爆笑している声が全校に流れていたという(別の友人談)

外でそんなことになっているとも知らない私たちは、放送室内バトミントンを続けていた。ホワイトボードをネット代わりしてやるまで、本格的にバドミントンに熱中していた。


すると、例の体育教師が、またもや勢いよく放送室に入って来た。怒りすぎて、鬼に、怒り顔のシワでも刻印されたか?と思うくらいの形相で「お前らいい加減にしろよ」と罵声を言い放った。

何のことか本当に心当たりがなかった私たちは「え!?何ですか?」と素で聞き返すと、「また全部聞こえてんだよ!」と言われた。

すると、また例の女教師が時間差でやって来て、「もうあなたたちには任せられません。当番から外れてください。本当にもう来なくていいです」と言われた。

教師特有のダチョウ倶楽部的なフリかと思ったので、一応、私たちも「本当にごめんなさい。次からはちゃんとやります」とそのフリに合わせてみた。

しかし「もう本当に来ないでください。迷惑です。」と半ば諦めのような、冷めた目で言われたので、それ以上、私たちは何も言うことはできなかった。

この日、初めて、クビを言い渡された。

それ以降、高校、大学時代は、また迷惑をかける恐れがあったので、委員会と名が付くものには極力所属しなかった。

しかし、今回、そんな私が、保育園の役員に選出された。

あの、クビ宣告からもう10年以上経っている。きっと人並みに様々な経験をし、親になった私なら大丈夫と思い、一世一代の思いを胸に、役員を引き受けることにした。

引き受けたは良いものの、コロナで委員会の延期が続いている。

開催日時が決まっては、緊急事態宣言で、また延期になり、第一回の開催すらまだない。

神様が、私がヘマしないように、開催自体ないようにしているのか?と思う程である。

そうならば、神様。もう安心して欲しい。というより、もう私を信用してほしい。私も人の子の親になったのである。もうあの頃の私ではないのだから。

まだ役員生活は始まってもないようなものだが、今回は娘の名誉のためにもクビにならないよう、任期までは全うしたい所存である。乞うご期待。

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