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不倫相手に別れを告げたら 奥さんに暴露され 慰謝料300万円請求された話 ⑥相手弁護士との交渉

⑥相手弁護士との交渉

数日経ち、相手の弁護士から通知書が送られてきたと連絡がありました。
内容としては、
「婚姻関係にあると知りながら、
 ●年●月●日から●月●日まで不貞行為に及んだと聞き及んでいます。
 この行為は平穏な婚姻生活を侵害するものとして
 民法上の不法行為になります。
 当該行為により、多大なる精神的苦痛を被らせており、
 また婚姻関係は悪化の一途をたどっておりますので、
 本書面をもって金300万円を請求いたします。
 本件不貞行為及びその責任に対する認識並びに
 請求額に対する意向を確認したいと考えていますので
 速やかにご回答ください。」
こんな感じでした。

加害者である以上、何も言い返しはできなかったのですが、
このときはさすがに
”奥さんと旦那さんの間の絆がしっかりしてたら
そもそもこんなこと起きんやろ。
さも私一人が悪いかのように言いやがって。”
とイライラしました。
(相手からの通知文は多分テンプレートです。)
旦那さんが奥さんの所有物であり、旦那さんに意思がないのであれば
窃盗罪で訴えられても仕方がないと思うのですが
旦那さんの意思でやった行為です。
”いやいやいや、そもそも自分に奥さんがいながら
若い子に手出したん旦那さんやん。
結婚という契約を交わしたのも旦那さんやし、
それ破ったのも旦那さんやで。私関係ないやん。”
当時はそんなことを考えてました。

今になって考えると、当時の自分の怒りも分からなくもないけど
ルールはルールだしなぁと思います。
その人と本当に一緒になりたかったのなら、
先に離婚してもらってからでよかったですよね。
好きになるのは自由だと思いますし、制御はできないものだと思います。
ですが、好きになってから男女の関係になるまでは制御できますよね。
きちんと順番守って一緒になったら良かったのです。


私の担当弁護士さんは
慰謝料300万円という金額が妥当かどうか確認するため、
夫婦の婚姻期間と別居または離婚しているかを相手の弁護士に尋ねました。

結果、婚姻期間は10年未満、
現段階での別居・離婚はないとの回答でした。

私の支払能力とおおよその相場を考え、
まずは「慰謝料300万円は支払えません。50万円なら支払います。」
という内容を相手の弁護士に伝えてもらいました。

すると、相手の弁護士から
「50万円では到底納得できません。
 200万円お支払いいただけるのなら示談に応じます。」
と返事が来ました。

私は不倫相手と連絡を取っていた時に
「奥さんは金額にはこだわらないと言っている」
と聞いており、すっかり信じ込んでいたため
このとき”これのどこが「金額にはこだわない」なん??え????”
と騙された気分になっていましたが、まぁ自業自得です。
あとは相手の弁護士も成功報酬ガッポリ貰いたいに決まってるので
例え奥さんが「50万円でいいです」って言ったって
「いやいや奥さん!慰謝料は取れるだけ取っとかないと!」
とか言いますよね、多分。

200万円・・・・それでも高すぎる。
普通に200万円は支払えない。
でも50万円はダメらしい。
今度は「求償権放棄を前提に50万円でどうか」
と相手の弁護士に伝えました。

ちょっと複雑なのですが、
不貞行為の慰謝料を支払う責任があるのは
私と、旦那さんの2人になります。
今回は、奥さんは私に不貞行為の慰謝料を請求してきました。
仮に私が300万円支払ったとすると、
自分の責任分150万円+旦那さんの責任分150万円=300万円
を私が支払ったということになり、
旦那さんの分150万円を肩代わりしたことになります。
その肩代わりした分について、今度は私が旦那さんに対して
”150万円はあなたの責任分ですよね。立て替えたので返してください”
と請求することができるのです。これが求償権です。

額面の金額は50万円から変わっていないのですが、
求償権を放棄するので(旦那さんにお金を請求しないことを誓うので)
実質100万円支払うことと同等ということになります。
(自分の責任分50万円+旦那さんの責任分50万円=100万円
 そのうちの自分の分の50万円だけ払いますよーってことです。)
奥さんと旦那さんが離婚する場合は、
求償権を放棄しようが奥さんにとってメリットはないのですが、
今回は離婚しないとの事だったので、
求償権放棄を前提に金額を下げてもらうようお願いしました。

しかし、
「求償権放棄を前提に50万円をご提示いただきましたが
 到底納得できるものではありません。
 求償権放棄を前提に100万円
 お支払いいただけるのなら示談に応じます。」
と回答が来ました。
(求償権放棄で100万円なら200万円と変わらんやん…)

今度は
「求償権放棄を前提に70万円でどうか」
と伝えました。
140万円と同等なので、これくらいになると
裁判まで進んだ過去の事例での相場と比べると
断然高いことになります。
さすがに折れてほしい、お願い・・・・。

しかしながら願いはかなわず、
「求償権放棄を前提に70万円をご提示いただきましたが
 到底納得できるものではありません。
 求償権放棄を前提に90万円
 お支払いいただけるのなら示談に応じます。」
ダメか・・・・


ここで私の担当の弁護士さんに電話で相談しました。
『あの、これまでのやり取りから考えたんですけど、
 多分相手は相手の提示した金額で私が折れる、という形を取らないと
 納得しないような気がしてきました。』
「確かに、それはあるかもしれませんね。
 私としては、求償権放棄を前提に70万円でも
 十分高すぎるくらいだと思うので、
 示談で収まらず裁判に進むのでもいいと考えています。
 ただ、裁判になるとその分の訴訟費用が追加で必要になるので
 最終トントンになる可能性もあります。」
『私としましては、相場より高くても
 早く事件終了した方が良いかなと思うのですが、いかがでしょうか』
「もちろん、その方が精神的負担は減りますもんね。
 早期解決を望むのであれば、それでも全然良いと思いますよ。」
『ありがとうございます。
 ただ…やっぱり90万円は払いたくないので
 最終80万円を落としどころにしたいと考えています。
 ここで私が80万円を提示すると
 向こうは80万円より高い金額でないと納得しない可能性があるので
 もう一度70万円で押してもらってもいいでしょうか。』
「わかりました。そうしましょう。」

そしてついに相手弁護士から返事が来ました。
求償権放棄を前提に、80万円お支払いいただけるのであれば
 和解に応じる意向にあります。
 なお、こちらを最終呈示とさせていただき、ご同意いただけない場合は
 訴訟提起とさせていただきます。」
望み通りの80万円になった…よかった…。
最後の一文ですが、簡単に言うと「裁判起こすぞコラ」ってことです。
(そんな言い方はしてない)
相場を考えると、裁判に進む方が奥さんは損になると思うので
軽い脅し文句的な感じかなと思いました。
相手弁護士は大手の法律事務所の弁護士さんだったので、
きっとそういうテンプレートがあるのでしょう。

私の担当の弁護士さんから
「狙い通り、80万円呈示されましたね。
 しかし、求償権放棄を前提に80万円ということは、
 法的には160万円の慰謝料であることを意味しますので、
 本件の事実関係からすると少々高額かなと思いますがどうされますか。」
と尋ねられました。
自分の今の最大の望みは
・高くてもいいから早く終わりたい
・面倒くさい、解放されたい
・奥さんとも旦那さんともサッサと縁切りたい

だったので、80万円で合意する方向でお願いしました。
やっとゴールが見えてきた・・・

この段階でかなり疲弊しており、
不倫なんてくそ面倒くさくて良いこと何もない
と痛感しました。
独身女×既婚男性の不倫って
結局、既婚男性側がおいしい思いして終わりな気がします。
奥さんも旦那さんより相手の女性を責める方が多いと聞きますし…。
慰謝料300万円をポーンと軽く払うことができて
かつ不貞行為をした自分のことを嫌いにならず
自信を持ったまま生きていける方は不倫してもいいかもしれないです。
でもそんな方、なかなかいないですよね。
不倫しない方がいいです。もっと自分を大切に扱うべきです。

■不倫の被害者側について■
どういう方法であれば一番納得がいくか、が大事だと思います。
・より高い慰謝料が支払われたらいいのか
・不倫相手からの直接の謝罪があればいいのか
・パートナーからの心からの謝罪があればいいのか
不倫の被害に遭った方の中には
”より高い慰謝料をぶん取りたい”と考える方もいれば
”不倫相手から貰う汚いお金なんて手にしたくない”と考える方もいます。
”慰謝料を請求して制裁を下したい”と考える方も、
”慰謝料を請求するなんてプライドが傷つく”と考える方もいます。
人それぞれです。
そして、人それぞれなのは不倫相手も同じです。
慰謝料を支払うことでダメージを受ける人もいれば、
慰謝料を支払うことで楽になる加害者もいます。
相手を苦しめる方法が何かを考えるより、
一番あなたが納得いくのは何かを考えるのが良いような気がします。

次回、示談書(合意書)についてお話したいと思います。

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