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読書記録「チョコレート革命」


たまーに「ただならぬ恋愛モノ」(どんなジャンル?)

に触れたくなります。


今回取り上げるのは

私にとって短歌部門の「ただならぬ恋愛モノ」である

俵万智さんの「チョコレート革命」です。

優等生呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる

逢うたびに抱かれなくてもいいように一緒に暮らしてみたい七月

愛することが追いつめることになってゆくバスルームから星が見えるよ

焼肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き

きつくきつく我の鋳型をとるように君は最後の抱擁をする

男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす

この本のあとがきを紹介します。


私は出会いというものを、このうえなく大切に思っている。
だって、ほんの百年ずれていたら、二人は会えなかったのだから。
恋には、大人の返事など、いらない。君に向かってひるがえした、甘く苦い反旗。チョコレート革命とは、そんな気分をとらえた言葉だった。
大人の言葉には、摩擦を避けるための知恵や、自分を守るための方便や、相手を傷つけないためのあいまいさが、たっぷり含まれている。そういった言葉は、生きてゆくために必要なこともあるけれど、恋愛の中では、使いたくない種類のものだ。


表題作からは、

大人の返事などいらない

社会におけるあなたと私ではなく,ただのあなたと私でいたい。

これは社会的規範を超えるための「革命」。

圧倒的な自分にとっての幸福軸を信じて生きる。

そんなメッセージを感じました。

(出版された1997年の社会的な不倫に対する認識は

どうだったのでしょう。。。?)

そういえば,最近お亡くなりになった瀬戸内寂聴先生も

「恋と革命」について言及されていましたね、

太宰の「斜陽」にもこんなセリフがあったような。。。?


俵万智さんの本を読んでいると,

短歌で真実を伝えるための技術がいるように

恋愛を全うすること自体にも才能がいるのだと感じます。

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