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意慾は意識、意識を無意識に。

私が学生時代から心掛けている言葉だ。「意慾は意識して、意識を無意識で行う。」このように心掛けていると最初は難しかった事も気付けば当たり前のように出来ている。意識すると言っても強く意識しない方が良いと個人的に思う。片隅に置くくらいが丁度良いだろう。その方が首尾良く運べる。

さて、それを踏まえて本題に入ろう

恐らくスワローズファンは皆、奥川恭伸を待っている。神宮のマウンドだって待っているだろう。今年はシーズン序盤から2軍で段階を踏んで順調だった。先日、捻挫をしたが復帰登板が8月中旬辺りからという意味では助かった方だ。そこは安心出来る。今年の奥川恭伸はこれまでと少し違う。時間があった分、習得する余裕もあったのだろう。

・2022年の奥川恭伸
Max 153km
主な球種
スライダー
カーブ
フォーク
チェンジアップ

スタンダードな球種を極めただろう。何より制球を活かしストライクゾーンで勝負出来るのが魅力的だ。直球で押してカウントを奪い、どの球種で仕留めるか幅が広い。要約すると総合力が高いと言った所だろうか。

・2023年の奥川恭伸
Max 154km
主な球種
スライダー
カーブ
フォーク
チェンジアップ
ツーシーム

新たな球種にツーシームが加わった。今春のキャンプで習得するとは聞いていた。だが、ツーシームも様々で縦に落ちるようなツーシームもあれば、利き手方向にシュート変化をする打ち取りタイプのツーシームもある。奥川が今年最初の2軍登板でマウンドに立った時、1イニングだったがとても驚いた。高速シンカーに近い。球速は142km。やや沈んでいく変化だった。直球と思ったら上手く逃げて空振りを奪えている。フォークとチェンジアップの中間のようだった。ストライクゾーンで勝負が出来るのが売りだと、ゾーン内で打者の体勢を崩し打ち取る事も出来ている。これまで奪三振タイプだったのが奥川だ。打ち取る省エネ投法と奪三振の両方を兼ね備えているのが今の奥川となっている。実にクレバーな考えだ。ツーシームがある事に利便性があるだけではない。高校時代に比べて縦に変化するようになったフォークとチェンジアップがある分、更にやや低めに集まる球が増える事によって、球種のコンビネーションが組みやすいのである。何を投げて来るかと考えた時に低めに集まる球を意識させると決め球のスライダーが決め球にして意表を突くのである。

焦る必要はない

このようにして22歳は順調に段階を踏んでいる。もう一度伝える。22歳だ!これからを担う選手に現状のチーム打率で多くを求める事の方が逆効果だろう。フラストレーションはいずれ溜まる。新卒の社会人にパワハラをさせるようなものだ。今は研修期間と考えれば良い。果報は寝て待つものも事実。必ず良いタイミングで彼は帰ってくる。1軍で観たい気持ちも分かる。だが事実、制球が武器だが今年を見る限り偶にアバウトになることがある。良い点もあれば改善点もある。その点は気になる。だからこそ、1軍のマウンドに立ちたいという意慾を意識しつつ、その意識を無意識で出来ればそれで良いだろう。確かに22歳と聞けば佐々木朗希や宮城という同期がプロの舞台で、そしてWBCに選ばれる存在だった。だが、同期と比較しても刺激になるのみで留めた方が良いだろう。「彼は彼、自分は自分」という事を刻んでおくのが一番だ。選手生命は長い。私の中では、現状の1軍で投げるよりもフェニックスリーグで感覚を掴み取り戻すものは取り戻し、更なる進化をして不死鳥のように灰から1軍のマウンドに帰ってくる事を首を長くして待つのが良いだろう。まずは意慾。そこから意識。そして・・・

いつかは無意識で1軍のマウンドに立てばよい。

【あとがき】
本書は読んでいただき、誠にありがとうございました。今回は東京ヤクルトスワローズ関連で書かせて頂きました。奥川君がなかなか1軍で観れませんね。けど1番は活躍する奥川君が見たいですよね。そのためなら果報は寝て待つ。多くを求めると荷が重いものだ。頑張れ奥川!そして星稜、頑張れ!

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