見出し画像

2023 J2 第13節 ベガルタ仙台 vs ブラウブリッツ秋田

この試合は2チーム一緒に本稿で書きますので、だいぶ長めです。

◼️概要

前節、久しぶりのホーム勝利を挙げた仙台と、今季初の連敗を喫した秋田。昨年と同時期に迎えるみちのくダービーは、中位を抜け出すための大事な一戦。試合前、両指揮官が挙げたポイントが「ファーストディフェンダーとセカンドボール」と、同じだったが試合はどうか。

◼️スタメン

仙台は前節からの変更はなし。
秋田は、前節は契約上出場できなかった阿部と、出場停止だった諸岡が先発に復帰。
飯尾は古巣対戦。鎌田と諸岡は福島時代にコンビを組んでいたとのこと。

◼️仙台

試合は開始早々の7分、秋田の鋭さを見せられ失点。小出のパスがラインを割ったとこからの相手スローインで、小出、若狭が滑りクリアできずに水谷にサイドまで持っていかれた形。枚数は揃っていたが、才藤を捕まえることができなかった。そして、秋田は先制点を取れたことで前から行く必要がなくなったため、後ろで構える形を取った結果、仙台がボールを「持たされる」展開に。16分に相良が単独で高田を振り切ったが、それ以外はビルドアップの出口を見つけられない時間を過ごすこととなる。
25分前後に、ボール保持時の郷家と氣田の位置取り変更が見られたが、それが明確になったのは35分前後。郷家が右に、氣田が前に位置取り、右でその郷家が相手2枚を引き付けたことで、相手の背後を突くことに成功。そこで得たスローインから同点弾が生まれたが、氣田の受ける位置、相良のシュート共に完璧だった。
その後、勝ち越しのチャンスもあったものの1-1で前半を終える。

後半開始10分はカウンター合戦となるが、お互い決定機までを迎えずにいると仙台がペースを握る。59分の郷家のシュートを皮切りに、サイドや、セットプレーから秋田ゴールに襲い掛かる。71分には加藤のヘディング、78分にはエヴェルトンが決定機を迎えるも決めきれずにいると、81分にセットプレーから再び才藤に決められ勝ち越しを許す。
それでも後半アディショナルタイムにパワープレーで菅田が同点弾を叩き込み、最後は松下が決定機を迎えるも決めきれず、2-2-のドローとなった。

◼️秋田

早い時間に先制点を奪えたことで、前半は秋田の試合にできていただろう。得点シーンは見事。

青木、梶谷が相手DFより先にボールを触ってしっかり起点を作ることで、縦に早い秋田のサッカーの良さを出せていたし、相手陣地に入った際には、ペナルティーエリアの角を取って相手ゴールに付近に侵入していくシーンも見られ、決定機と呼べるシーンも複数回作れていた。
それだけに、相手のポジション変更で簡単に背後を取られて崩されての失点は痛かった。

後半開始後カウンター合戦を終えると、仙台にペースを握られる。それでも、相手の決定力のなさもあり、1-1のまま迎えた81分に再び才藤が得点。準備してきた形での得点は実りある勝ち越し弾だろう。

しかし、前節の岡山戦同様またも終了間際に被弾しドロー。ともすれば、逆転負けだった内容だったので、ありがたい勝ち点1だが、試合の要所要所で振り返るべき点が多いだろう。

◼️最後に

仙台はここで「連勝」できるかというとこだったが、チャンスがあったにも関わらず勝ち点1。ともすれば勝ち点0だったかもしれない展開はいただけない。このままシーズン終わってしまうだろ的な声もあるのだが、それもまたフットボール。なにを積み上げるのかを模索している最中、1年で昇格できるのならどのチームも苦労しない。もっともっと苦しんで、強いチームになっていくしかないだろう。今年はプレーオフ圏内で終われれば御の字か。

秋田は、仙台の決定機の低さに助けられたものの、連敗を止めたことはポジティブな要素。やっていくことは変わらないと思うので、ここからは近しい順位のチームとの対戦が多い中、どこまで徹底できるか。また、選手に負荷がかかるスタイルの中でどこまでメンバーを入れ替えることができるか。才藤の言葉を借りれば、誰が出ても遜色なくやれるそうなので、今後のチームの事を考えれば、勇気を持って休ませる選択をしてみるのも良いかもしれない。

客観的に見て、非常に面白い試合だったし、なにより東北同士の対戦カードで、J2のユアスタに15,026人を動員できたことは本当に良かった。これからも、両チームで東北からJ2を盛り上げていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?