2019年度決算について

コロナでまさかの緊急事態宣言が発令された2020年。密を避けようということから、なんだか全世界で生活様式が変わりそうな節目の年になりそうな中、Jリーグは約4か月もの中断を強いられることになりました。

そんな中、Jリーグが2019年のクラブ別の経営開示情報を発表。決算月や、コロナの関係でまだ全クラブが出そろったわけではありませんが、少しまとめておきたいなと思います。在宅勤務で暇ですし。
J1で決算が発表できていないクラブは3月決算の湘南と磐田の2クラブのみです。平均値を出すのはこの2クラブが出そろってからとしましょう。

さて、J1リーグ全体がどうだった、ということについてはJリーグの公式HPにわかりやすい報道発表用資料がありますので、そちらをご参照ください。
簡単にまとめると、ほとんどのクラブが前年比を上回っているけれどその中でも神戸がぶっ飛んでいる。そんな状況です。

さて、われらがベガルタ仙台の決算はどうでしょうか。

すでに各紙で報道されていたように、2期連続の赤字となりました。

売上高=営業収益から見ていきましょう。
2019年度のベガルタ仙台の全体の収入です。
前年比、101%の微増で約27億1,100万。スポンサー収入が前年比102.5%、入場料収入が101.2%、物販収入が111.4%と、物販収入が大きく伸びました。私もユニフォームは3枚買いましたし、25周年記念イヤーということで関連グッズを購入した方も多いのではないでしょうか。これは特需的な数値といえると思いますので、2020年度決算では前年比割れになっている可能性が高いです。
また、驚かされたのが入場料収入です。2018年は21試合で292,921人だったのに対し、2019年は同試合数で278,662人と、-14,259人だったにも関わらす増収を達成しました。ダイナミックプライシングによる単価上げの効果なのかは定かではありませんが、減員を増収に変えたことは大きな成功事例ではないでしょうか。

費用の方も少し見てみます。
チーム人件費は前年比105.2%の12億9,600万。予算では14億台で試算していたようなので、費用の削減にも成功していたようです。

実は予算案の段階での、2019年度決算での営業収益は▲9,800万円の赤字を想定したいたのですが、発表された資料によれば、▲2億4,500万円の赤字となりました。見通しの段階から2億台の赤字になりそうとの報道もあったので驚きはしませんでしたが、全体的に経費が昨年よりも掛かっているのに対し、収益をあげられていないという構図に見えます。特に、「販売費および一般管理費」が予算案の際よりも2倍以上になっています。一般的には、企業の営業活動に要する費用のうち、売上原価に該当するものを除いた総称で、販売費には、販売手数料、広告宣伝費などが該当し、一般管理費には、間接部門の人件費、減価償却費、租税公課、交際費、旅費交通費などが該当します。具体的になににそこまでお金がかかってしまったかは不明ですね。
また、アカデミー関連の収入も想定していたより大幅に少なかったようです。

さて、ここまで暗い話ですが、もっと暗くなります。
各紙報道記事によりますと、新型コロナの収束が見通せない中、先んじて固定資産などの減損処理をした結果、特別損失が1億9300万円まで膨らんだそうで、この額をさらに足して、最終的な儲けを表す当期純利益は▲4億2,800万となりました。

どうしましょうね。ほんと。。。
7/4よりJリーグも再開されますが、何試合かは無観客試合が濃厚。そうすると入場料収入の減額に響きます。スタジアムに広告を出すスポンサー収入も減額が濃厚でしょう。収益の柱である2つが減収確実となれば、2020年度も大幅な赤字が出る可能性が否定できません。債務超過とまではいかないまでも、クラブの経営は本当に厳しくなりますし、今年は降格はありませんが、来年以降はこれまで以上に厳しい戦いが予想されそうです。

我々ができることは、まず DAZN と確実に契約すること。そのうえで、グッズ購入ですが、多くの企業で賞与カットや減給といった動きもある中本当に厳しいです。

厳しい中でも、再開を待ちたいと思います。

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