👄ボイストレーナーの意義👄

　前回は「表現が大きくならず思うように演じられないのは発声法に問題があるからかも知れない」と言うお話でした。心当たりがある人は、まずは身近にいる先生に相談する事をお勧めしますが、ここで一つ覚えておいて欲しい事があります。

　巷には理想的な発声法を身に付けている人は沢山います。代表的な例で言えばオペラ歌手ですね。クラシック界では常に究極の表現を求められる訳ですが、そこで活躍できるような歌手は皆自分の体を最大限に効率よく使いこなしています。それでこそあの表現が出来る訳です。所が、一流と呼ばれる方々でも定期的にボイストレーナーに発声のチェックをしてもらうと言います。これは主に二つの事を示唆しています。

👄人ってそんな生き物だから😅

　一つは、自分の表現に対する自分の感覚は意外と当てにならないと言う事😅。一般論として、人は長い時間軸で見ると単調になりやすい（楽な方に収斂していく）と言う傾向がありますが、短い時間軸で見るととても不安定で常に変化している生き物です。ですが〝最高のパフォーマンス〟を目指すレベルになると自分の限界付近で最大限に集中していますから、日常に比べると短期間でもあまり振れ幅はありません（逆にその安定感が凄さだったりするのですがね😄）。そうすると自分の表現に対する感覚も段々麻痺してくるんですね。ともすると初めの頃とは大きく変化しているのに自分では気付かないと言う事もあります。いやぁ、慣れと言うのは恐ろしいものですねぇ😅。だから定期的に第三者の目でチェックしてもらう事に意義があるのです。

👄出来る人≠出来るようにする人

　もう一つは、「表現者として優れている人」と「ボイストレーナとして優れている人」は必ずしも一致しないと言う事。どちらも理想的な状態は知っている訳ですが、「表現する能力」と「状態を改善する（させる）能力・良い状態をキープする（させる）能力」は求められるものが違うと言う事です。
　もしこれがイコールなら、優れたボイストレーナーは表現者としても優れている事になりますから他人様の面倒を見ている暇はないでしょう😅。また優れた表現者がボイストレーナとしても優れているなら自分の状態を最良に保つためのボイストレーナーは必要ないはずです。まぁ、世の中には両方を兼ね備えた人も少なからずいますが、大抵は優れたボイストレーナーほど究極を目指す音声表現者に必要とされていますね😄。

　と言う訳で、自分で「発声に問題があるかも知れない🤔」と思う人は、まずは身近な先生に相談してください。その先生がボイストレーナーも出来れば具体的な指導が受けられるでしょう。そうでなかったとしても決して諦めないでください。他の先生を紹介してもらえるかも知れませんのでね😉。

👄楽器としての声の研究

　さて、何かを新たに学ぼうとすれば当然新たな出費がかさみます（💴辛い😭）。でも養成所や学校に通う人で、個人で誰かに師事できるほど懐に余裕のある人は極めて少ないでしょう。そこで、まずは理想的な発声の出来る人を観察する事をお勧めします。一番分かりやすいのは、なんと言ってもオペラ歌手でしょうね。映像でもライブでも何でも構いませんので、古今東西で評価の定まっている人を観察する事をお勧めします😉。

　オペラの歴史はとても永くて数百年に及ぶと言われています。その過程で人の体をいかに効率良く使えば音声表現の幅が広がるかが盛んに研究されました。そして19世紀初頭にかけて大きく二つのスタイルに収斂していったようです。一つはドイツ唱法、もう一つはベルカント唱法として知られています。一般的に日本人にはベルカント唱法の方が合っていると言われています。具体的な発声法や練習の仕方については色々な本が出ていますし、インターネットでも解説しているサイトが多数ありますから是非観察と合わせて書籍なども参考にしてください。

　何度も書いて恐縮ですが、もし懐と時間に余裕があればボイストレーナーに見てもらうのが一番です。そこを安く手軽にできないかと言う発想から、私は前話で触れた「発声だけを学ぶオプションクラス」を企画提案した訳です（これを書いている時点ではまだ実現できていません😅）。まぁ、何はともあれ、自分にとって一番理にかなった発声を身に付ける事の重要性をご理解頂けたらなら嬉しい限りですがね😄。

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石野竜三 / Ryuzou Ishino lit.link(リットリンク)