私をくいとめて

昨日、テアトル新宿で「私をくいとめて」という映画を観ました。

31歳の独身女性が脳内の相談役「A(アンサー)」と対話するという設定で、わかりやすく言うと「自意識との折り合いの付け方」についての映画だと思います。
tofubeatsは「BABY」という曲で「ずっとさ 自分と喋ってる気分でいつも暮らしてるから 人はさ 難しいこと言う」と歌ってるけど、この映画はまさにそんな感じでした。

観て思ったことが二つ。
まず一つ目は、世間で言う「こじらせ」「ひねくれ」みたいな嘲笑は、人が長年積み重ねてきた自意識との対話の末にたどり着いた(たどり着いてしまった?)価値観やモノの見方を馬鹿にする行為なのだということ。
二つ目は、その自意識のサイクルは「他者との摩擦を楽しむこと」、もしくは「他者に消費される度胸を持つこと」でしか止めることができないということ。
映画になぞらえて言うならば、みつ子をくいとめるのは、脳内のAではなく周りにいる多田くんやノゾミさんや皐月なのだ。

最近の俺はというと、ようやく摩擦にも消費にも慣れてきたかもなー、といったところです。慣れなきゃいけないなという心持ちを獲得しはじめてきた、と書く方が近いかもしれません。
本当に少しずつですが、摩擦や消費を俯瞰的に観測することができるようになってきました。
今年リリースしたシングル群も、最近noteを始めたのも、インスタの更新を増やしてるのも、本当は全部繋がってるんですけど、長い話になりそうなのでその辺のことはまた今度書こうと思います。

こんな面倒くさいことをグルグル考えたりする必要がない人にはピンとこない作品かもしれませんが、総じてめちゃくちゃいい映画でしたので是非。

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