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書評 「写真で何かを伝えたいすべての人たちへ」

書評、だなんてカッコつけたタイトルにしたことをもう後悔し始めています。はじめまして、こんにちはこんばんは。
フォトグラファーのクロカワです。

なお、本記事は最後まで無料で読めます。
とても素敵な本を紹介するのでね、広く皆さんに読んでほしいなと。

さてさて、そんな本記事の主役はこちら

(Amazonのアフィリエイトリンクでごめんなさい。)

フォトグラファーの別所隆弘さん の著書です。
購入して、読もう読もうと早数ヶ月。
活字を読むのは好きなんだけど、読むスピードが致命的に遅いのです。
なのでしっかり時間を作らないと読めないんです。

そんな話はさておき、この素晴らしい本の話をしようかと。
僕の拙い日本語で紹介するのが申し訳ない。
(それほど洗練されて優しい日本語で書かれた本なのです)

本書は、「迷う」ということへの現代ならではの難しさと尊さを起点に、読み進める読者とともに、時代の流れを汲みながらそれらと向き合い、写真というものの価値を現代や未来において模索していこうという本である。

…合ってるかな、僕はそう捉えました。

前半は、写真=真実を写すという日本語ならではの写真の解釈(本書では呪いとあえて表現)からスタートし、随所にリアルとリアリティ、事実と真実と表現の話が入ってくる。
良し悪しでもなく好き嫌いでもなく、白黒でもない。
幅を持った書かれ方で、その幅こそが表現の自由の振れ幅とも言えるのだよな、と納得しつつ共感しつつ読み進めました。

僕が大事にしている「物事は白黒でなくグラデーションで判断すべき」という考え方に近い物事の捉え方について随所で触れていて、とても読んでいて心地よかった。
そして物事を考える上でのグラデーションという二次元以上の、深さのベクトルにまでも言及していて、言うなれば「写真を軸にして世の中を3次元的に考えるための指南書」が本書なのではないかなと、僕はそう思いました。

後半には「写真を語る」ことへの言及がある。
ここ半年ほど自身がテーマの一つとして大事にしていることでもあったので、安心した。
自分だけでなく、尊敬しているフォトグラファーの1人が同じモノに目を向け大事に扱っていると知り、自分の選択は間違っていなかった(のかもしれない)と思い、安心したのです。

この本を読み、自分なりの言葉をひとつ使うとしたら「体験」になるかなと。写真において、その場にいた・シャッターを切ったという体験こそが揺るぎなく、縋るべきたった一つの事柄のように思った。

体験を軸に感情や思い出、真実や事実が紐づいていて、それらは発信や受け取り方で揺らぐこともあるが、体験そのものは揺らがないなと思ったのだった。(もちろん撮影方法をアレコレすれば自身がその場にいなくても、シャッターを押さずとも、写真は撮れるが)

本書の共感ポイントや学びポイントは多数あれど、SNSに対する言語化の難しいさまざまなモヤモヤをこうも鮮やかに活字に落とし込み、誰もが読みやすく共感や個々人の考えを深めるような、導くような文章力は僕の貧相な語彙力では脱帽としか言いようがないです。すごいよ!! 別所さん

なんかもう共感と感動と余韻として考えがぐるぐる巡っていて、本書を読みながらメモした言葉を文章にまとめつつも、結局うまくまとまりきらなかったのがくやしい。国語力よ…

なにはともあれ、SNSを使い写真を、クリエイティブを発信するすべての人に読んでほしいと思う一冊である。

という語彙力のない締めでごめんなさい。

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