マスク氏のTwitter買収手法(レバレッジド・バイアウト)について解説
こんにちは。
株式会社ニュークラウドの代表「木村」です。
本日(2022年4月26日日本時間)Twitter社とイーロン・マスク氏が440億ドル(約5兆6,400億円)でTwitterを買収することに合意したニュースがでました。ニュースでは、過去最大規模の「レバレッジド・バイアウト(LBO)」(一種の企業買収手法)と報道されております。
この「レバレッジド・バイアウト(LBO)」私は初めて聞いた言葉であり、詳しく調べてみたので本日は、マスク氏のTwitter買収と合わせて「レバレッジド・バイアウト(LBO)」について解説していきます。
レバレッジド・バイアウト(LBO)とは
早速「レバレッジド・バイアウト(Leveraged Buyout / LBO)」とは、買手(買収企業)が売手(売却企業)の資産価値や将来性を担保に金融機関から融資を受けて買収を行う手法のことです。買収後は、企業資産の売却や事業改善などを行い、キャッシュフローを増加させて負債を返済していきます。
少ない資金で相対的に大資本の企業を買収できることから、「てこの原理(レバレッジ)で買収(バイアウト) = レバレッジド・バイアウト(LBO)」と呼ばれます。LBOの最大特徴は、売手(売却企業)が調達した負債を返済する点です。これは、売手(売却企業)の資産価値などを担保にして融資を受けているためにあります。
本来LBOは、投資ファンドが大きな利益を生み出せる企業を買収するために開発された手法であるため「信用取引」的な要素が強いです。そのため、ビジネスのシナジー効果などを重視するM&Aタイプではなく、どちらかというと投資ファンドがキャピタルゲイン(譲渡益や売買益)を獲得する目的に使われる事例が圧倒的に多いです。
マスク氏LBOでのTwitter買収
マスク氏は今回100〜150億ドル(約1兆2,700億〜約1兆9,100億円)の自己資金を投じ、かつLBOで100億ドル(約1兆2,700億円)を調達したと言われています。金融機関は、大手投資銀行6行で行うが金利や手数料などは分配含めて不明です。(ちなみに一般的には、案件評価額の1〜3%が手数料とされている。)さらにマスク氏は、必要であれば自身の保有株を担保に借入を行い、追加で数億ドルを調達する可能性もあるとのこと。
今後のTwitter予想
マスク氏がTwitter買収時、常に言っていることが「言論の自由」です。プラットフォームが言論の自由を奪い、規制や弾圧することに猛反対しています。そのため今後Twitterは、さらに本当の“つぶやき”が増え、加速するのではないかと。ただそれが良い方向に転ぶのか、それとも悪い方向に転ぶのかは、誰も分からない状態です。LBOにて買収した為、良い方向に転ばないとTwitter社・マスク氏としては大きな損害になるので、引き続き注視が必要です。
まとめ
少し複雑だがLBOは、売手(売却企業)が負債などの返済を行う必要があることから、マスク氏買収後Twitterには100億ドルの負債が上乗せされ、これらをTwitter社(最終的にはマスク氏の会社)が負担する必要があるということである。
普段M&Aなどについては、ほとんど知識を持っていないが企業買収にもさまざまな方法があり、知る良いきっかけになりました。今後マスク氏がTwitter買収完了した場合、Twitterの大幅アップデートなどもある予感で良くなる可能性もあれば悪くなる可能性もあります。ただ一個人でここまでの大企業を買収できることは、LBOという手法があり、またマスク氏の影響力でもあるため今後も目が離せないです。
株式会社ニュークラウド 木村