びよういんこわい

6月上旬（1回目）

カランコロン

美容師さん「いらっしゃいませー」

僕「予約していたryutakunです」

美容師さん「お待ちしておりましたー、どうぞこちらへー」

　

美容師さん「初めまして、〇〇です。よろしくお願いしますー」

僕「あ、よろしくお願いしますー」

美容師さん「今日はどんな感じで？」

僕「ツーブロックで、えーと、今伸ばしているところなので、上の方は軽くする感じで」

美容師さん「はい、かしこまりましたー」ぶいーん

　

美容師さん「ご自身でツーブロックにしないんですか？」ぶいーん

僕「え、バリカンでですか？　いや、さすがに...自分でやる人っているんですか？」ぶいーん

美容師さん「全然いらっしゃいますよ」ぶいーん

僕「そうなんですねー、ちょっと怖くてできないですよ」ぶいーん

美容師さん「まあそうですよねー」ぶいーん

　

美容師さん「休日は何なさってるんですか？」

僕「こっち出てきたばかりで友達もあまりいないので、家でずーっと本読んだり映画観たり...」

美容師さん「ご実家はどちらなんですか？」

僕「福岡です」

美容師さん「九州ですか、遠いですねー！　映画はどーやって観てますか？」

僕「ネットフリックスです」

美容師さん「おー！　僕もネットフリックスめっちゃ観てるんですよ」

僕「そうなんですか、作品めっちゃありますよね」

美容師さん「うんうん、最近ハマってるのが、愛の不時着ってドラマで...」

僕「あー、すんごく流行ってますよね、今！　あれってどういうストーリーなんですか？」

美容師さん「不時着って名前の通り、一話目で不時着するところから始まるんですけれど...」

　

美容師さん「お兄さんはどんなの観てるんですか？」

僕「そうですね、僕はー、えー...僕、理系なので少しオタクっぽいのが好きというか」

美容師さん「そういう映画あるんですか？」

僕「あるんですよ、最近は、というか、昔から何度もソーシャル・ネットワークっていう映画を何度も繰り返し観ていて」

美容師さん「へー」

僕「あのマークザッカーバーグがフェイスブックを作るお話で...」

美容師さん「へー」

「...」

「...」

　

8月上旬（2回目）

カランコロン

美容師さん「いらっしゃいませー」

僕「予約していたryutakunです」

美容師さん「お待ちしておりましたー、どうぞこちらへー」

　

美容師さん「〇〇です。よろしくお願いしますー」

僕「あ、よろしくお願いしますー」

美容師さん「今日はどんな感じで？」

僕「ツーブロックで、えーと、今伸ばしているところなので、上の方は軽くする感じで」

美容師さん「はい、かしこまりましたー」ぶいーん

　

美容師さん「ご自身でツーブロックにしないんですか？」ぶいーん

僕「え、バリカンでですか？　いや、さすがに...自分でやる人っているんですか？」ぶいーん

美容師さん「全然いらっしゃいますよ」ぶいーん

僕「そうなんですねー、ちょっと怖くてできないですよ」ぶいーん

美容師さん「まあそうですよねー」ぶいーん

　

美容師さん「お仕事は何なさってるんですか？」

僕「一応プログラマというか、エンジニアというか...毎日パソコンと向き合っています」

美容師さん「そうなんですねー、カッコいいですね。お休みの日とか何なさってるんですか？」

僕「映画観たり本読んだり」

美容師さん「映画ってどーやって観てるんですか？」

　

僕「ネットフリックスです」

美容師さん「あー、僕もネットフリックスで観てますよー！　最近韓流ドラマにハマってて」

僕「そうなんですかー」

　

美容師さん「愛の不時着って知ってますか？」

　

僕「し、知ってますよ」

美容師さん「あれねー、不時着するところから始まるんですけれど、パラグライダーで...」

　

...

美容師さん「...1話1話が結構長くてー...」

...

美容師さん「...最近韓国語が分かるようになってきて...」

...

　

僕「他にもおススメのドラマってありますか？」

美容師さん「そうですねー、ストレンジャー・シングスとか面白いですよ」

僕「あーあの、子どもたちが主人公のシリーズですよね」

美容師さん「そうです！」

僕「初めの１話だけ観たんですけれど、いまいちよく分からなくて...」

美容師さん「あー、しばらく観ないと、よく分からないかもしれないです」

僕「あれって怪物？　が出てくるお話なんですか？」

美容師さん「そうなんですよ！　現実の裏にもう一つ世界があるというか、多分１話目で一人連れ去られたと思うんですけれど、あの子は結局ずっと出てこなくて、怪物たちのほうの世界に連れ去られてて...」

　

9月上旬（3回目）

カランコロン

美容師さん「いらっしゃいませー」

僕「予約していたryutakunです」

美容師さん「お待ちしておりましたー、どうぞこちらへー」

　

美容師さん「〇〇です。よろしくお願いしますー」

僕「あ、よろしくお願いしますー」

美容師さん「今日はどんな感じで？」

僕「ツーブロックで、えーと、今伸ばしているところなので、上の方は軽くする感じで」

美容師さん「はい、かしこまりましたー」ぶいーん

　

美容師さん「お兄さん、ツーブロックご自身でなさったりしないんですか？」ぶいーん
　

僕「し、しませんねー」ぶいーん

美容師さん「そうですかー」ぶいーん

　

美容師さん「お休みの日とかって何なさってるんですか？」

僕「映画観てますよ」

美容師さん「映画ってどーやって観てるんですか？」

　

僕「ネットフリックスです」

美容師さん「おー、僕もです！　どんな作品観てるんですか？」

僕「そうですねー...ブレーキングバッドとか」

美容師さん「へー、どんなお話なんですか？」

僕「何のとりえもない高校教師が、ガン宣告されるところから始まるんですけれど...」

美容師さん「へー...」

「...」

「...」

　

僕「...お兄さんのお勧めってありますか？」

美容師さん「そうですねー、...僕が好きなのはー、あー、タイトル忘れちゃったな」

僕「ドラマですか？　映画ですか？」

美容師さん「ドラマです。シリーズ物で、日本ではそこまでですけど、海外で人気があって」

僕「えー、何だろう」

美容師さん「子供たちが主人公でー。あ、ネットフリックスのオリジナル作品で。裏の世界があるというか、怪物たちがたまにこっちに来る話で」

美容師さん「何だったけなー、あのドラマのタイトル。ぜひ見てほしいんだけれど」

　

僕「...ストレンジャー・シングスですか？」

美容師さん「あー、それだそれだ！　よく知ってますねえ、お兄さん」

　

僕「へー、面白いんですね」

美容師さん「面白いですよー、子どもたちが主人公なんですけれど、話がしっかりとしてて。裏の世界の怪物にもぞくぞくしますし...」

僕「今度、最初の一話だけでも観てみますね」

美容師さん「あとねー、他にも韓流にもハマってて！

　　　　　　愛の不時着って知ってますか？」

　

びよういんこわい