漠然とした欲望による消費 / マーケティングについての小論

漠然とした欲望

商品に対する消費の欲望は「より良い生」のため、という根源的かつ「無中心的な」欲望に基づくものである。その欲望そのものを満たす個々の消費活動に目を向けた時、それは必ずしも「明確な」欲望のための消費活動とは限らない。

むしろ、それらは明確性を帯びるどころか漠然とした欲望であり、消費活動は、それらが満たされたと思えれば「なんでもいい」のだ。つまり、それが動物園であろうと、ハンバーグ屋であろうとその「漠然とした目的/欲望」を「何かしらの形で」満たす事ができればそれでいい。

目的的な消費や、それによって生まれた商品は確かに存在はするが、目的的な消費が存在する事が、漠然とした消費の存在を否定することにはならない。

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