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ずっとずっと生活のことを考えています / フォカッチャフォカッチャフォカッチャラタトゥイユです
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#回顧

さよなら青春時代 (本文・下)

2018年10月、大好きだった仕事を辞めた。 明くる2019年はとてつもない年で、苦闘の末に拍子抜けするほどあっさりと仕事が決まったのを皮切りに、自分史上最も濃密と言ってよい1年間であった。前半はとにかく慣れない仕事に振り回される日々。スーツ嫌い、とか言ってらんない。やる。とにかくやる。 怒涛の日々をなんとか乗り切るなかで、大きくなってゆく妻のおなか。並行して運転免許取得計画がスローペースで進行する。そして、10年暮らした土地を離れて家探し。人生のなかで大きな出来事が1年

さよなら青春時代 (本文・上)

なんだか仕組まれたような匂いさえする伝染病が世界的に流行して、何万人もの人々が亡くなっている。ライヴハウスや映画館は光を失い、ひとびとの笑顔はマスクの向こうに消えて、この国の総理大臣は狂っている。 そんな2020年。一種の戦争状態のような、2020年。僕は本厄である。 序文にて記したように、けじめというか纏めというか。大袈裟に言えば青春時代への決別というか。とても私的なことだけど、思いは確りと綴っていかねば先に進めないような気がしたのだ。 愛し抜いた仕事をやめたよ200

さよなら青春時代 (序文)

20代前半の頃大好きだったロックスターといえば、ボビー・ギレスピー(Primal Scream)だった。当時、彼を紹介する記事に「不惑を迎えたボビー・ギレスピーが~」というものがあったことを鮮明に覚えている。rockin'onだったかCROSSBEATだかSnoozerだったかは忘れてしまったのだが。 僕は「不惑」という言葉を目にすると、必ずボビーのことを思い出す。 17年ばかりの歳月が経過し、2019年。 僕は不惑を迎えた。 2003年のボビー・ギレスピーはすっきり