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瀧泉寺電気鉄道税関線レイアウト製作記(その2)


■ストラクチャー

 大胆にど真ん中を運河にしたためストラクチャーの数は少ないのですが、それでもいくつか作り込んでみました。

古いビル

グリーンマックスの乗務員詰所を逆さにして4個ほど切り継ぎました。プロトタイプは横浜の大さん橋の手前にある古いビルです。
 1階はプロトタイプが店舗になっているので、ある漫画作品の喫茶店を模したものにしてみました。植木のところは1mm厚の角棒を茶色にして、室外機と窓部分はグリーンマックスの商店キットから調達しています。

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ローレリーフの工場

 工場は作らないとしたものの、背景的なものがほしくなり、ローレリーフ状のものを古いビルの横に置きました。
 作成はグリーンマックスの古いカタログで見た方法を再現しています。グリーンマックスの車両工場キットの側板を山形のところで合わせるように上下張り合わせ、適宜プラ板で隙間をふさいでいます。こうして背を高くして、高架よりも背が出るようにしました。屋根はグリーンマックスの対抗式ホームの屋根を短縮して貼り付けています。下のところにはプラ板で三角形の差し込み用の歯を加え、レイアウトの土台に差し込めるようにしました。気分でいつでも取り外せるようにしています。

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近代建築的な税関署

 このレイアウトのランドマーク的な建物です。プロトタイプは横浜の「旧横浜生糸検査所付属倉庫事務所」と「横浜税関本関庁舎」から取りました。
 六角形部分は建物コレクションの消防署の長いところを4面用意し、端面を斜めに削ってつけています。四角い張り出し部分は、同じく建物コレクションの駅前倉庫から切り出していますが、六角形部分と各階の高さが合わなかったため、天地を各階で縮めて切継ぐという手間なことをしました。
 結果的に何個もいけにえにしましたが、一から作るよりは、と思うことにしています。

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川そばの木造倉庫

 高島線近くにある三井の大きな倉庫を作ろうとしていたのですが、あんまり大きいと駅舎が見えなくなるので、結局小さな木造倉庫にしました。グリーンマックスの信号所の上半分を切り出したものです。これにこばるの波板から作ったトタン屋根を加えています。

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角の古いモルタル建物

 横浜の高島機関区に一目ぼれして、せめて機関庫ぽい建物だけでもと思い加えたものです。窓ガラスをトミックスの扇形機関庫から調達し、プラ材を適当に切り貼りして作りました。塗装は灰色のアクリル絵の具にベビーパウダーを混ぜる方法でモルタル感を出しています。完成後にツタやミニネイチャーの草を生やしています。

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詰所

 こうしたヤードの端によくあるプレハブぽい詰所が欲しくて、KATOのホームに付属していた駅員詰所から不要なでっぱりを削り、塗り替えて作りました。線路際のよいアクセサリになっています。

踏切小屋

 プロトタイプ取材中に高島線で出会ったステキ建物です。

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 グリーンマックスの駅員詰所を細かく切り出してこばるのトタンを貼り付けています。ウエザリングはアクリルガッシュでドライブラシしています。実物に合わせて落書きもちょっと入れています。

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■京急の旧羽田空港駅モデルの駅

 運河沿いの駅は、京急の旧羽田空港駅がモデルです。小学生の頃からこの駅が大好きで、30年以上経ってようやく作ることができました。

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 グリーンマックスの詰所の屋根と壁、中は小型駅の中身を組み合わせています。正面の階段部分はこばるのパーツを組み合わせています。レイアウトの規模に合わせて縮小しましたが、だいたい似ているので良しとします。
 実物では飾り壁は、向かって左側にあるのですが、見えずらいので右側にしてしまいました。ここは一度手作りしてみたのですがよい結果にならず、さんけいの柵を切り継いだものにしてしまいました。
 ホームの擁壁はグリーンマックスの高架の壁を使っています。大谷石ぽさを出すためにうす緑色ぽい感じのアクリル塗料にベビーパウダーを混ぜてぽんぽん叩くようにして塗っています。

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■東武の堀切駅モデルの駅

 税関署の前にある駅は、東武伊勢崎線の堀切駅をモデルにしました。狭いスペースなのでホームにへばりついたような駅舎が欲しくなり、いろいろ探したところ、この上り線側駅舎を見つけられました。反対側の小さな駅舎のほうが有名ですが、土手とホームの間に挟まれたこちらの姿はなかなかかわいいものです。

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 寸法は実際のプロトタイプを取材して写真から取ってきました。だいたいの部品はグリーンマックスの小型駅から取り、あとはグリーンマックスの住宅や駅員詰所から窓枠を切り継いだりしています。
 ホームのほうはグリーンマックスの高架壁から模様のないほうを表にして、ぺらっとしたものにして、モルタルぽさを出しています。ホームの屋根はKATOの製品から切り出して使いました。ホームの柱はちょっと好きだったので、上側をカーブさせた支えを付けています。エバーグリーンの2mmH字形のと、同じく薄板から組み合わせて作りました。
 いずれの駅もホームの上面ごと取り外しができるようにしてあり、いつでもメンテナンスができるようにしています。

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■線路脇のアクセサリ

 架線柱はKATOの鉄骨形に、こばるのローカル架線柱を組み合わせています。形は良いのですが、見える範囲を広げたいため、あまり数を置かないようにしました。ほかグリーンマックスのアクセサリを適宜塗装して置いています。
 鶴見線は猫の宝庫と化していて、扇島駅や昭和駅は愛らしい姿をたくさんみかけます。それをまねてアイコムやプライザーの猫をたくさん置き、人より猫が多いレイアウトとなっています。

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■車両について

 電車は、大きく分けて鉄コレから改造して作ったものと、グリーンマックスのエコノミーキットを切り次いで作ったものがあります。塗装は西武アイボリー+伊豆急グリーンのツートンです。
 機関車はいろいろで、シバサキの古いキットから、アルモデル、あまぎモデリングイデア、TAVASAなどの真鍮キット、鉄コレから改造したものなどがあります。また、鉄コレの凸型機関車を短縮しエバーグリーンのH字棒で下枠を自作した遠州鉄道ED211タイプは、かなり気に入っていて現在3両あります。塗装はTMS1984年4月号掲載の太田宏幸氏の作例が子供のころからのあこがれで、それに敬意を払って西武レッドを使っています。

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■まとめ

 最初にコンセプトを決めて、やらないことを決めたのが良かったのかなと思います。自然光で照らされるとなかなかよい空気感があり、鶴見線や昔の京急空港線のホームで、のんびりほんわかと、ひなたぼっこした日を思い出させてくれます。

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