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流生舎から「流生 第一号」を刊行しました

前回のnote「叉鬼プロジェクトを始動します」から半年以上の月日が経ち、その間に「叉鬼プロジェクト」は「流生舎」へと名前を変えました。

以下、「流生 第一号」より「流生舎から発刊にあたって」の全文です。
流生舎と流生がそれぞれどのようなものなのか、分かっていただけると思います。

流生舎から発刊にあたって

 流生舎とは、狩猟採集のある暮らしの中での芸術活動や思索を通して、生きるとはどういうことか模索する拠点です。
 そこでは、マタギから学びながら、出版や映像制作を行っていこうと考えています。そして、この度の『流生 第一号』はその出版活動の初めの一歩として作ったものです。
 現在は納谷と永田を中心にオンラインで制作していますが、近々、北秋田市の大阿仁地区(マタギが多く住んでいる地域)に移住して、生活を共にしながら制作していく予定です。
 ゆくゆくは、流生舎を生活拠点であり、出版社であり、私塾であり、映像スタジオでもあるような場所にしたいと考えています。


流生舎及び流生ができた経緯

 現代を生きていく上で感じる息苦しさや多くの歪みは、社会や経済が根源的な生命活動や生きる喜びに向き合っていないために生じているのではないでしょうか。例えば、友達と星空を眺めているときに、生きていてよかったなと感じても、そのときは何も生産していないので、世の中には何も価値が生み出されていないことになります。生きる上で本当に大切なことは何なのでしょうか。それを見つけ、大切にするためには、生命とは何か、生きるとはどういうことかといった問いに向き合った上で、社会や経済を考える必要があると思います。
 2023年6月、私、納谷翼は、下北沢にある気流舎というブックカフェで、永田と知り合いました。私たちは、現代社会に流れる息苦しい空気の根本的な原因に対する見解が一致したことから、意気投合し、親交を深めていきました。
 そして2023年9月、気流舎で出逢った『気流の鳴る音-交響するコミューン』を読みながら、そういった問いに答える手がかりを探してアメリカのニューメキシコ州の町サンタフェを旅していたとき、ネイティブアメリカンが自然や生命に対して非常に深い尊敬と縁を感じながら生きていることに感銘を受けました。そして、そんな人たちが地元である秋田にもいることに気づきました。そう、マタギです。帰国してから、アメリカで気づいたことを永田に話したことから、マタギについて考えることを通して「生きるとはどういうことか」という問いに迫る同人誌を作ることを決めました。
 それと並行して進んでいたのが、その問いに向き合い続けるため、私たちの思想を反映した生活と作品制作を両立する拠点を作るという構想でした。
 そして、制作に取り掛かる直前の3月、その同人誌を流生、そして拠点を流生舎と名付けました。
 名前の由来は、私と永田が出会った場所でもあり、マタギにつながる道を拓いてくれた場所でもある気流舎と、方丈記の「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」と、阿仁でよく見られるという美しい流星です。

流生 第一号

流生と流生舎がどのようなものなのか、私たちが流生に込めた思いなどが少しでも伝わっていたら嬉しいです。気になってくれた方は是非、本誌の方も読んでいただきたいです。そして、よく分からなかったという方も、流生を読んでいただければ私たちが何を問題視していて、何に向き合おうとしているのか、なんとなくでも分かっていただけると思います。

みちのくCOMITIAへの参加と気流舎での刊行記念イベントの開催

納谷と永田は、6月30日、夢メッセみやぎで開催された「みちのくCOMITIA」で、サークル「流生舎」として「流生 第一号」の発刊及び販売を行いました。

設営直後のサークル「流生舎」の様子

阿仁打当マタギのシカリ(頭領)である鈴木英雄さんから借りた熊皮を机に敷いて販売したところ、多くの方に興味を持っていただけました。それがきっかけとなり、購入された方も多かったです。
(後日熊皮を返すときに英雄さんにその様子を伝えたところ、とても喜んでいました。英雄さん、ありがとうございました)

そして、7月2日には気流舎で流生の刊行記念イベントを行いました。
気流舎でイベントを行うことは納谷と永田の念願だったので、本当に嬉しかったです。

気流舎は、下北沢にある対抗文化専門のカフェ・バー&古本屋です。
https://www.kiryuusha.com/
私、納谷翼は2023年の4月からよく気流舎を訪れていて、そんな中で出会った永田と始めたのが流生舎です。
気流舎はそんな出会いがよく起こる不思議な場所、
言わば縁の結節点ですね。

気流舎のロフトで熊皮とともに流生(清水雅也撮影)

気流舎の刊行記念イベントでは、納谷と永田をゲストとして、気流舎のuekenさんが流生舎や流生、マタギなどについて質問していくという形でトークが行われました。「流生 第一号」に寄稿してくれた松浦拓夢と清水雅也が友達を連れて来てくれたり、気流舎の告知を見たことで流生に興味を持って来てくれた方、気流舎の常連、納谷の弟などが来てくれたりして、かつ、その皆さんが積極的にトークに参加してくれたおかげでとても素敵な時間になりました。

一先ずこのイベントをもって、「流生 第一号」刊行のための制作から続いた激動の数ヶ月は終わったとはいえ、流生舎の活動は出版だけでなく、映像制作や阿仁での生活もあります。

現在、納谷は阿仁への移住の準備、そして猟銃所持許可申請を進めています(第一種銃猟免許は6月にとりました)。

そして「流生 第二号」の準備も進めていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします!

「流生 第一号」を読んだ方は是非感想ください!
まだ読んでない方はこの機会に是非読んでほしいです!

流生の購入は今のところ流生舎か納谷翼のX(旧Twitter)のDMと、流生舎のメールで受け付けています。価格は1000円+送料です。
よろしくお願いします!

流生舎のTwitter:https://x.com/ryuseisha0306
納谷翼のTwitter:https://x.com/tasukunaya
流生舎のメールアドレス:ryuseisha0306@gmail.com

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