第16回 [UEFAチャンピオンズリーグ準決勝1stleg] パリサンジェルマンvsマンチェスターシティ 分析・解説 『細かい変化がチームにもたらすモノ』
こんにちは!
今回は、第16回目の投稿です!
第16回目は、4月29日に行われた
"PSGvsマンチェスターシティ"
について分析・解説をしていきたいと思います。
見てこのノートが面白い内容だと感じたら、是非SNSなどで拡散してもらえたら嬉しいです!
では本題に入っていきます。
〜試合情報について〜
'試合結果'
'メンバー'
'スタッツ'
至極の戦いとなったチャンピオンズリーグ準決勝。
ポチェッティーノ率いるPSGは
ネイマール、ムバッペの二大エースだけではなく、ディ・マリア、ヴェラッティなどのスター選手軍団が、マンチェスターシティをホームで迎えいる。
アウェーチームは、ペップグアルディオラ率いるマンチェスターシティ。圧倒的な質と組織力を兼ね備えたプレミアリーグの強者が、2016年ベスト4の最高成績を打ち破れるのか。
結果は2ー1でシティの勝利。
しかしこの3点は全てセットプレーから起きたゴールである。
ほんのわずかな差で、勝敗がつく世界ということを思い知らされる試合であった。
今回では
PSGとシティのそれぞれの"流れ"を掴んだ内的要因
について、主に分析をしていきたいと思う。
では本編に入っていきます!
〜本編〜 第1部 前半がPSGの時間だった要因
このテーマ通り、前半は、PSGの時間帯が多く、セットプレーだけではなく、オープンプレーでのチャンスを多く創り出せていた。
ビルドアップ時、4ー3ー3であるPSGだが、ゲイエ、パレデスがフラットの2ボランチのようになり、トップ下の位置にヴェラッティが入っていた。
この"ヴェラッティ"のポジショニングが、シティを困らしたものだと考える。
彼は、左右ハーフスペースとセンタースペースの3つのレーンを流動的にポジションを変化させていた。
これは、シティが4ー4ー2でブロックを敷いて、プレス開始位置を決めて、狙いところを定めて守備をするため、ロドリ、ギュンドアンのギャップ間やフォーデン、マフレズがプレス位置に迷っているシーンが多々見れた。
それによって、少ないボール保持の時間を効率よく、相手の嫌なところを突きながら、ゴール前まで持っていくことができたと考える。
また、ネイマールが比較的自由な役割を任されているため、ウイングに張ったり、あえて落ちてリズムを作ったりすることで、人を気にしたシティの選手の裏のスペースにフロレンツィが抜けるシーンなどがあり、"質と位置"でシティの脅威になっていたことは間違いない。
ただ、攻撃だけが流れを引き寄せた要因ではない。
PSGの守備オーガナイズ
これも前半PSGが主導権を握っていた要因であると考えた。
PSGは、自分たちのゾーン3では、ボールを奪いにいかず、ゾーン2の真ん中に2トップを置く4ー4ー2のブロックを敷くオーガナイズであった。
これをすることで、シティの可変は効果が減ることになる。
なぜなら可変は、マークの対象を変えることで歪みを作る。
PSGは、スペースを10人で守っているため
"どこに誰がいるか"というのは、そんなに重要ではないからである。
105m×68mのコートの中で、全体のスペースを満遍なく減らすのではなく、自陣、ゾーン1のスペースを減らすことに徹していた。
これにより、向かってくるシティに対して、常にリアクションではなく、常に先手でアプローチやカバー、マークをでき、シティの良さである
配置で殴り、スペースを生み出す攻撃
を完全にシャットアウトすることに成功していた。
これらがPSGがシティを押さえ込んだ理由であり、押し込めた理由である。
しかしこのまま行かないのが、サッカーの面白さである。
結論から言うと後半は、完全にシティのゲームと化した。
次は、"なぜそうなったのか"
それについて分析していきたいと思う。
第2部 シティに変化をもたらした1つの策とは?
前半では、PSGに良さを消されて、0ー1で折り返してしまったシティ。
しかし後半は、別チームかのようにエンジンがかかったチームへと変貌した。
選手を変えたわけではないが、後半はシティの時間帯が多かったのは、間違いない。
それはなぜなのか。
まず前半が上手く行っていない理由として、PSGの際にも書いたが、シティはプレス位置を決めて、引き込んでボールを取ろうとしていた。
それが裏目に出て、流動的に変化するポジショニングを捕まえきれずに後手を踏んでいた。
その前半の反省を生かし、シティは
マンツーマンプレッシング
にシフトチェンジをした。
PSGは基本4ー2ー3ー1でビルドアップするため
2CB=2FW
2SB=2SH
2VO=2VO
がつき、トップ下のヴェラッティと前3枚に対しては、同レーンにいる選手がインターセプトもしくはアプローチを狙っている構図に変化をした。
これによって、スムーズなビルドアップを行なっていたPSGの歯車が徐々に止まり始めた。
しつこくゾーン3からプレッシングをチーム全体で掛けることで、角度のない縦パスやスペースがない状態の縦パスが増え、ボールを回収できるようにシティはなっていった。
またそれによって
"PSGのストロングポイント"
が消えることにも繋がることに気づいた。
ハイプレスによってPSGのビルドアップのスタートラインが、低い位置から始まる。
つまり何が起きるかというと
ネイマールやディマリアが意図的ではなく、
ポジショニングが低くなってしまう
という現象として起きていた。
理由として、ビルドアップがそもそもうまくいっていないため、前線にいい形でボールが回ってこない、それによってリズムを作りたいからボールを触りにきてしまう。
これはシティにとって、自陣に近いところでプレーをして欲しくない選手が自ら離れてくれているという良い現象が起きていた。
これによって前向きでプレーされることが少なくなり、しっかりとチャンス、ショートカウンター、ロングカウンターの芽を潰して、自分たちの時間を増やすことに成功していた。
そしてシティは2点を取り、逆転。
二つともセットプレーからであったが
そこまで行けている、そこでボールを奪えている数が多い
からこそのゴールだと感じている。
〜まとめ〜
今回は、PSGとシティの細かい変化や対策によって、チームにもたらしたものを分析しました!
ほんのわずかな局面で得点の差がついてしまうサッカーというスポーツ。
同じ人なのに、意識することを変えるだけで試合展開が変わるところにサッカーの醍醐味を深く感じました。
まだセカンドレグがあるので、正直どちらが上がるかは本当にわかりませんが、セカンドレグでの両者の戦い方には、とても興味深いです!
以上で終わります!
最後まで見てくださり、ありがとうございます!
他にも投稿をしているので、是非見てみてください!
細谷龍生
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