JDピアノとM1ピアノの話
今回は1991年に発売されたRoland JD-800のピアノ(JDピアノ)の音色と、1988年に発売されたKORG M1のピアノ(M1ピアノ)の音色に関することをテキトーに書いていく。
JDピアノ
RolandのJDピアノは、小室哲哉氏が90年代に自身のプロデュース作品のなかで使い倒した音色である。
巷の一部のシンセサイザー愛好家の間では小室哲哉氏のイニシャルをくっつけて「TKピアノ」という愛称で呼ばれている。
私は10代の半ばあたりから彼のプロデュース作品の数々をリアルタイムで耳にしてきたため、このピアノの音色とは馴染みがある。
キーンという含みのある音色は、他のシンセサイザーのピアノにはない個性的なサウンドだと思う(同社JV-80にもこれと似たようなピアノの音色が入っているが、音のニュアンスが多少違うように感じられる)。
この音色はバッキングを刻むよりもメロディーを奏でるほうが向いている気がする。
以下は拙作「White Illusion」のソロの部分をピアノに置き換えて鳴らしてみたデモ曲。
音の粒立ちというか、輪郭がハッキリしていて心地よい。
個人的には浮かんだメロディーを形にする作業のときに必ずこの音色を立ち上げて使っていて、インスピレーションも湧きやすくてとても重宝している。
M1ピアノ
また、KORGのM1ピアノの音色は、90年代のビーング系の曲でよく耳にした音色。
高校生の頃、このピアノの音色で刻むフレーズがカッコよくて「いつかこの音色を使って曲を作ってみたい!」と思ったものである。
初めて触れたKORGのシンセサイザーは、高校生の頃によく利用していたバンド練習スタジオにあった01w/FDだったが、そのモデルにもこのM1ピアノ相当の音色が入っていて、よくいじくって遊んだりしていた。
B’zやZARDなど数多くのビーング系アーティストの楽曲のアレンジを手掛けた明石昌夫氏が「KORGの音色は深みのある音で良い」と某YouTubeチャンネルで語っていたことがあったが、私もそれに同感である。
とくにM1ピアノの音色には芯の太さと重みも感じられる。
これまでKORGから出た歴代のワークステーションモデルにはこのピアノの音色が収められていることから、個人的にはこのピアノがKORGを象徴とするひとつの音色であると認識している。
以下は先ほどの拙作「White Illusion」のソロの部分をM1ピアノに置き換えて鳴らしてみたデモ曲。
JDピアノと比べてみると、やや重厚で深みのあるサウンド。
これはデフォルトなのだが、EQをかけて明るくしてダンスミュージック的なバッキングを刻むとなかなか良い感じに仕上がる。
個人的にこの2つのピアノの音色は、90年代の音楽シーンというひとつの時代を彩った音色だと思っている。
発売から30年以上も経っているモデルの音色だが、いまだに愛好家が絶えない。
私もその愛好家のうちの一人だが、多感な時期に慣れ親しんだ音色はいつまでも色あせることはないと思う (*´ω`*) 🌟
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