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SNSでの誹謗中傷を犯罪白書から考察する

Twitterで本格的に発信するようになって1年弱が経過し、ありがたいことにフォロワーは6,600人を超えた。全く微力ではあるが、一人でも二人でも日本の異常さに「気付く人」が増えればと思い発信を続けている。

そして。

炎上やハズりも何度か経験し、相当に酷い暴言や誹謗中傷を受けるということも経験した。
慣れないうちはいちいち動揺していたし、今でも悪意のある絡みを見たときの不快さは減らない。

SNSでの暴言は許されない犯罪行為である。

SNS上の誹謗中傷という社会問題は今に始まったことではないし、やられた方は精神を病んだり挙句の果てに自殺と言う悲劇が起きたり、ということもなくならないと思う。だからこそ、実際に誹謗中傷を受けたときの対処法について考察したい。

何度か炎上やバスりを経験して、誹謗中傷が起こる傾向に気付いた。もちろんこれは私の経験談であり、他の人全てに当てはまるかどうかはわからない。
バズるときのパターン。
例えばある夜に、拡散を意図した場合でも全く意図しなかった場合でも、何かをtweetする。走り始めると短時間でインプレッションが1万を超え、翌朝には5万6万になり、24時間経過したら10万を超える、と言う経過をたどり、2日目以降には沈静化していく。
最初は同意するリプがほとんどであるが、インプレッションが数万を超えたあたりから「絡み」が湧いてくる。
10万を超えると明らかに増える。特に、「引用リツイート」での絡みが増える。だが、実際に数えてみると、たくさんあるようで私の場合は10とか20。ちなみに、もっと影響力のあるインフルエンサーなら全ての数字でゼロは一つも2つも多くなるのだろう。

つまり、単純な数と確率の話であることが分かる。
母数が増えたら、おかしな輩の目につくことも当然増えるのだ。

では、「バカ」とか「お前」とかの無礼千万なコメントやさらにひどい暴言を吐いてくる連中の特徴はどのようなものか。これについては既にいろいろ分析されているだろうし、「実際の人生に不満やストレスのたまったコミュ障」など、いろんな人物像が浮かんでくる。
10万インプレッションでその手の輩が1万も2万もいたら大変だが、10か20、せいぜい50もないことから、そういう連中は、とりあえず相当なマイノリティであるということを認識しておいた方がよい。

道を歩いていて肩がぶつかっただけで刺すような輩はこの世にゼロではないが人生でそういう相手に巡り合うことは少ないだろう。
殴りかかるケースもレアだろう。
暴言を吐いてくるのはちょっといるかもしれない。
舌打ちになるともう少し多いかもしれないし、これくらいなら時に遭遇するかもしれない。

人間には通常、理性が備わっている。目の前の相手がムカつくからと言って刺したり暴行したりなどは、普通はしない。ネット上でも、最近ではアカウント凍結や訴訟のリスクがあるこという意識は以前よりは広まっているので、気に食わない相手にわざわざ暴言を書き込むという犯罪行為に至る輩というのは「そんなに多くない」。
では、どのくらい多くないか。

ここで、犯罪白書を紐解いてみたい。
犯罪白書はネット上に公開されており、誰でも見られる。興味深い数字が並んでいるので、一度目を通すとよいだろう。

最新の令和4年版に掲載されているのは、令和3年の数字である。

法務省 犯罪白書 令和4年版より

刑法犯の認知件数は568,104件。うち、窃盗を除く刑法犯は186,335件。数自体は、平成15年をピークに減少している。

凶悪犯についても数字を見ていく。

認知件数は、殺人874件、強盗1,138件。放火749件、強制性交等1,388件、暴行26,436件、傷害18,145件、脅迫3,893件、恐喝1,237件(表を参照のこと)。

また、特別法違反に分類される、道路交通法違反は205,354件、覚せい剤取締法違反は12,820件、大麻取締法違反は8,217件。

余談になるが、各国の殺人、強盗、性暴力の発生件数と発生率についても貼っておく。

もちろんこれらの数字は認知件数であるから、表沙汰になっていない事件が何倍くらいあるのかは分からない。
ただ、一般に「怖いな」と思うような上に挙げた凶悪犯罪の合計件数は1年で45,590件。多いと思うか少ないと思うか?
ちょっと別の数字を見てみる。
刑事施設の収容者は、令和3年末で44,545名。

これらは、「完全に一線を越えた」人間の数なのである。罪を犯して服役する。これは、「誰の人生でもあり得ること」ではない。よっぽどのことなのだ。

日本の人口が1億2,452万人。完全に一線を越えた人は、だいたい2,700人に1人。

交通事故は令和5年5月の1か月で145,183件なので、単純比較できるものではないが、確率としては犯罪の方がはるかに低そうだ。

ここでも参考までに、アメリカの服役者数は200万人を超えていると言われている。

SNSでの暴言は顔が見えないだけにやる側のハードルは低いから、犯罪認知件数よりははるかに多いことは言うまでもない。とはいえアカウント停止や場合によっては刑事告訴のリスクすら理解できず、実際に暴言を書き込む行為を実行するのは少なくともこの世のマジョリティではない。

念を押すが、「だから気にしなくていい、身の危険を心配しなくていい」と言う話ではない。

暴言は実際に目立つし、1人や2人沸いてきただけでも不快極まりないし、さらにはっきり言えば「ウザい」こと際まりない。だが、それでも、日本全体で俯瞰してみた場合、そういう輩の割合は存在を無視していいレベルだと思った方がいい。

繰り返すが、あなたの家を探して実害を加えに来る可能性は、ゼロとは言えない。だから日常生活でスリや通り魔に遭わないように気を付けるのと同様の警戒感は必要であろうが、「一線を超える」人間がどのくらいいるか、これらの数字は頭に入れておいてもよいのではないか。

そして、不快極まりない連中への対処は、無視&ブロック一択である。ブロックするかどうかは人それぞれかもしれないが、私の場合は目障りなので気付いたらブロックする。

つまり、1億2450万人が暮らす日本で自分のtweetが10万回くらい人目について、そのうち下衆が10人か20人いた。
それだけのこととして、受け流す。
実生活上で実害を及ぼされた場合は直ちに法的手段を取る。

私達は人間だ。連中よりはるか上のステージに立っているのだ。
人間は、人間だけを相手にすればいいのだ。

もちろん、自分の身を守る術は身に付けた上での話である。
それは、SNS以外でも突然犯罪や事故に巻き込まれた場合の対処と、何等変わりはない。

何度でも言うが、SNS上の暴言は絶対に許されない行為である。

~おわり~


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