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価格戦略×収益の最大化 #9

皆様、こんばんは。
梶川 龍之介(かじかわ りゅうのすけ)です。

今年も残り21日となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
月末月初の忙しさでなかなか投稿できず、すいません。
これからも忘年会ラッシュで一旦、休憩しようかと思います、、、笑

前回、投稿で「ビジネスモデル・事業計画書 を考えるためのフレームワークや考え方は終了」とお伝えしたのですが、やはり最後に「ここの内容だけ投稿したい!」となってしまって、ラスト書かせてください。
ここまでで一旦、自分たちの歩く道、地面、地図は完成できるかと思います。
次回からは、マーケティングやブランディングなど、事業を良い方向に持っていくための戦術や考え方を学んで行けたらと思います。(年明けになるかもしれません、、、)

はい、今回は表題の通り、
価格戦略×収益の最大化を投稿させていただきます。
早速、入っていきましょう!

◉価格戦略

価格戦略、いわゆる【Price Strategy】とも呼ばれます。

価格はとりあえず適当に決めればいい。
後から変更すればいい、と考えている方もいるかもしれません。

ではなく、価格によって経営が変わります。
価格によって表現が変わります。
例えば、汚い居酒屋でも15,000円もするコース料理があるとします。

「実は何かあるかもしれない?」と何かしらの価値を感じてしまいます。
価格一つでお店の雰囲気すらも変えることができます。
それだけ価格戦略は重要であるにも関わらず、この戦略を理解していない人が多いのが実情です。

今の時代は物に溢れている時代です。みんな物をそう簡単に購入しません。
かつてのように、単純に価格を下げたら売れる時代は終わりました。
更には、価格を下げても販売数は伸びませんし、お客様も増えません。
ランチを1,000円から980円に値下げしたとして、お客様は簡単には増えません。
値下げするくらいであれば、1,500円に値上げした方がお客様は増えるかもしれません。

過去の投稿で、勝ち続けられる3つの戦略を投稿させていただきました。

簡単にお伝えすると、この3つです。

・コスト戦略
価格による優位性を保って多くの人に選ばれること

・差別化戦略
特異性による優位性を保って多くの人に選ばれる事

・集中戦略
一定の人に価格や特異性で選ばれること

この3つもとても重要なので是非、見返してみてください。
ここで今回、更にお伝えしたいポイントは
「高く少なく売る為の3つのテクニックと考え方」です。
それは何かといいますと、

①Price Expression
②Value Highlight
③ARR(Annual Recurring Revenue)


です。
どうやって価格をあげればいいのでしょうか?
価格を上げる為には商品を改善すればいいのでしょうか?
違います。一つ一つ説明していきます。

①Price Expression

まずは一つ目は『Price Expression』=価格の表現です。

皆さんのお店は、ただ価格を表示しているだけではないでしょうか?
価格を表現してみようと意識したことはございますか?
実はこれがとても大切です。
価格を表示するだけでなく、価格を表現する必要があります。

例えば、マサチューセッツ工科大学の実験で説明するとわかりやすいので説明します。
大学の学誌を販売するときに、WEB版であれば5,000円
印刷版だと10,000円と設定し、学生がどちらを選ぶかを検証しました。
そうすると、WEB版が68%、印刷版が32%という結果になりました。

次に、印刷版の販売数を増やす為に価格表現をこのように変更しました。

WEB版 5,000円
WEB版+印刷版 10,000円
印刷版 10,000円

すると、WEB版が16%、WEB版+印刷版が84%
印刷版のみは0%、という結果になりました。

先ほどと原価は変わりませんし、売り方も同じです。
これは、価格を表現することに成功したからです。

これだけで、売上が148%アップしました。
あくまで一つの事例ですが、飲食店、エステ、ネイルサロン等、全てで応用できます。

人間は買う時に、様々なことを頭の中で考えてしまいます。
考えないようにランディングしてあげる、
つまり誘導してあげることがとても重要です。
松竹梅プランも同様で、これもランディングスキルです。

飛行機が滑走路の中央にランディング(着地)するように、
人間も真ん中に着地するという習性があります。

松竹梅で真ん中の竹が多く買われるというのは
よく言われていることですが、ここにも一つポイントがあります。

松と竹の間のプライスを掛け離す必要があります。
例えば、松が15,000円、竹が13,000円、梅が11,000円として、
価格差が2,000円だと、松や竹も選ばれてしまいます。

そこで梅はそのままで、松を18,800円、竹を13,000円として、5,800円の価格差をつけます。
梅→竹の価格差と竹→松の価格差は約3倍です。

そうすると自然と真ん中の竹にランディングするようになります。
松と竹の価格を離すこと、これが正しい松竹梅のランディング施策です。
これも価格を表示するだけではなく、価格を表現するというPrice Expressionの一つのテクニックです。

②Value Highlight

続いて二つ目は、『Value Highlight』=価値強調です。
ポイントは『Negative-in,Positive-out』です。

例えば、青汁のCMです。
「うーん、まずい!もう1杯!」
そして青汁の説明をします。
『ウチの商品はまずいですよ、でも健康になります。健康が大事なんですよね。』
というメッセージです。

他にも洗濯機を売る場合です。
「この洗濯機は確かに高いです。でも、一生使えますよ」
というようにネガティブを先に言う、そしてポジティブに落とし込んでいく。

これがとても重要です。営業トーク、WEBサイト、ランディングページ、動画説明、講演会の言い回しなど、すべてに応用できます。

そしてもう一つ、Point Messageで具体的な
利用イメージを投げかけられると良いです。

例えば、自動車保険で
「年間走行距離1万キロ以下の方へ」
というメッセージはどうでしょうか?
該当する人は「私のこと?」と振り向きます。

「20代でAGAにお悩みの方へ」
というメッセージもいいですよね。
具体的な利用イメージやニッチに絞ってメッセージを伝えることで、
「それ以外の人は要らないよ」というメッセージを伝えます。

「要らないよ」と伝えると「要るよ」が集まります。
ブログでもYoutubeでも同様のことが言えますよね。

これを繰り返すことでファンが増え、購入が増えます。
具体的にキャッチコピーを決め、
具体的な利用メッセージを伝えることが非常に大切です。

③ARR(Annual Recurring Revenue)

最後は、『ARR(Annual Recurring Revenue』=年間価値です。

一括でお金をもらうのではなく、生涯的に多くもらえれば、
顧客単価は低くてもいいのではないでしょうか?

生涯的に価値のあるものに仕上げたら、
もっと大きなリターンがあるということです。
例えば、Gilletteの剃刀。
本体は700円くらいと割安ですが、替刃が1,000円と割高です。
本体だけでは赤字ですが、替刃を購入してもらうことによって高いARRを維持しています。

コンビニも同様です。
コンビニは特異性のある高価格戦略ですが、コーヒーは安く売っています。
コーヒーを買いにくるついでに他の高い商品も買ってしまいます。
コーヒー自体を購入してもらうことが目的ではなく、
コーヒーと一緒に他のものを購入してもらうことが目的です。
こちらの経済効果がとても大きくなっています。

美容院やエステでも同様です。
10,000円分のチケットを販売し、施術を8,000円で施すとします。
そうすると、2,000円分余るので次回も来店してくださり、
またチケットを購入してくれます。

一回当たりの客単価は下がりますが、10,000円を一括でもらうのではなく、
8,000円にすることで、ARRを高く維持することが重要です。

今までは、
「何個売ったら売上が上がるのか?」
つまり、売上を上げる為には販売数を上げる必要がありましたが、
いま、売上を上げる為には、顧客との関係性や
ARRの施策を高めていくことが重要になっています。

リピーターをリピーターで維持することができれば、
新規顧客の獲得は不要になります。
「2:8の法則」とも呼ばれる、 顧客全体の2割である優良顧客(既存顧客)が売上の8割をあげているという法則にも繋がります。
これを実現させる為にARR施策が重要となります。

また、ARRを維持させる為の導入方法として
Freemium Modelというものがあります。
一時的には赤字になりますが、将来的には
黒字になるとういう考え方で投資をしていくことです。

無料で体験させることによって、
「便利だな」と気づかせることが成功の鍵です。
サブスクで成功するには避けて通れない道です。

無料期間をおく上で、一つだけ重要なポイントがあります。
『無料』と聞くとほとんどの人は何かを疑います。
「何があるの?」と怖がってしまいまいます。
この『怖い』を感じさせてしまうと無料でも誰も集まりません。
重要なことは無料の理由をしっかりと記載することです。
理由がないと、無料は無意味です。

ドモホルンリンクルは、
「初めての人にはお売りできません、肌に合うか確かめるためです」
と理由をしっかりと伝えています。これが重要なんです。

カフェのサブスクをする場合であれば、
「コーヒーの味を確かめてもらいたいので、タンブラー無料貸し出しをします。」
と理由を書いておかないと無料でもだれも集まりません。

無料の理由を書いてレジの横にPOPを置いておけば、
逆にお客様から聞いてきます。これだけで十分です。

価格戦略については、ここまで。
ここからは、収益の最大化です。

◉収益の最大化

収益の計算式は、購入数×購入単価です。
この『購入数』『購入単価』
最大化する為に必要はことはなんでしょうか?

ここで出てくるのが、
脳科学マーケティング
②行動マーケティング
③行動を理解して自動化施策
です。それぞれ見てきましょう。

①脳科学マーケティング

脳科学と聞くと若干うさんくさく聞こえますが、
このように物事を捉えられるようになることは、とても大事です。

購入数×購入単価の脳科学施策(脳科学マーケティング)は、
下記の通りです。

・点検商法で機会数を上げろ
・不安施策で単価維持&向上
・リテンション施策を行う

購入数を上げる為には、
『機会数を増やすこと』『成約率を高めること』が必要です。
機会数×成約率=購入数です。
価格戦略でも出てきた無料体験にて、
機会数を上げれることができれば、購入数も自然と上がります。

では、成約率を上げる為には、『不安』を作ってあげることが大切です。
例えば、フィトネスジムを、『体を作る』というマーケットから
『仕事のパフォーマンスを上げる』というマーケットへ転換してみましょう。
運動をすることによって、自律神経が高まり、
仕事に良い影響を与えることが実際に世間的にも証明されているので、

『運動をしないから昇格しない』
『朝運動しないからパフォーマンスが上がらない』


というように『不安』を産むことで成約率をあげることができます。

最後に、無料で実施する場合も『無料でやる』ではなく
『ついでにやる』ことが大切です。
人は要らないものは、無料でも要りません。

『無料で差し上げます』と言われても要らないモノであれば断ります。
『ついでにやっておきますね』『ついでに渡しておきますね』
と言われると、断る人はそうそういません。

伝え方で印象が大きく変わってきます。『ついで』が大切です。

②行動マーケティング

マーケティングでは、『行動』に注視した施策が重要です。

例えば、皆さんがスーパーマーケットの店長だとします。
ビールが売れているので、『更にビールを売りたい』と考えたとき、
どのような施策を打ちますでしょうか?

ビールの『まとめ買い割引』などを
思いつく人が多いのではないでしょうか?

しかし、これは『モノ』でしか見ていません。
『行動』でみることが最重要です。

なぜビールを買うの?誰が買ったの?と考える必要があります。
スーパーでビールを買う男性は、
オムツも一緒に購入する人が多いという調査結果が出ています。

なぜ、ビールとオムツを一緒に買う男性が多いのでしょうか?
それは、サラリーマンは子供が生まれると
外に飲みにいけなくなる人が多いからです。
つまり家で飲む人が増えます。

このように『行動』に注視すると
オムツ割引という新たな施策が生まれます。

もう1つみていきましょう。
コンビニのレジ横に置いてある募金箱に募金したことはありますか?
ちなみに、何の募金箱だったか覚えていますか?
さらには、何の為募金したか覚えていますか?

おそらく、ほとんどの人が覚えていないと思います。
募金したことがある人は、募金がしたくて募金したのではなく、
行動範囲に募金箱があったから募金しただけの可能性が高いです。

87%の人は、BOX募金をしたことがあるのに対して、
街頭募金をしたことがある人はたった13%です。
街頭募金ではなぜ募金されないのでしょうか?

・お財布を出すのが面倒くさい
・話を立ち止まって聞きたくない
・周りの人に見られるのが嫌だ

という『行動』を理解していないからです。

では、なぜBOX募金の方が多いのでしょうか?
コンビニや自販機、切符売り場、空港、
『小銭をしまうのが面倒くさい』の理由からです。
場所と場合に合致しているからです。
『行動』を中心に考えているからです。

では、人が多額の寄付をする時はどんな時でしょうか?
お金に価値を感じなくなった時に、人は多額の寄付します。

遺言を残すときや老人ホーム、カジノなどです。
これも『行動』に基づいたサービス、施策です。

同じように、空港に設置されているガチャガチャコーナーも
小銭を再換金できない外国人の行動を理解している施策です。
面白いですよね。

③行動を理解した自動化施策

行動を中心にした自動化施策を実施すれば、100%売らずに売れます。
マクドナルドは誰でも売れます。
Aさんでも、Bさんでも、Cさんでも売れます。

自動化施策があるからです。
マニュアルがあるからです。

スターバックスで一番やってはいけないことはなんでしょうか?
・コーヒーの味を変えること
・オリジナルのカフェラテを作ること
スターバックスの価値はマニュアルがあることです。
マニュアルがあれば売らずに売れます。

レストランにも同様のことが当てはまります。
予約時に、カップルかどうかを確認します。
カップルであれば、ワインメニューやコース料理を3種類用意します。
すると、多くの男性は二番目のメニューを選びます。
一番下のメニューは、選びません。
男性は料理を食べにきているのではなく、見栄をはりにきてます。
男性の行動を理解し、自動化できていますよね。

そしてマーケティングの世界で、よく出てくる『ペルソナ設定』
『ペルソナ設定』の本当の意義は、空想の人間を想像することでありません。
本当の意義は空想の人物の『行動』を洞察することです。
『行動』を洞察することによって、新たな戦略や施策を考えられるのです。

シャングリラのスイートルームに値段が決まっていないのも
富裕層の行動を洞察し、理解しているからです。
「富裕層は良いサービスにはいくらでも払う」
ということを理解しているからです。

◉最後に

いかがでしたでしょうか。
自分のサービスや商品を中心で考えるのではなく、
『行動』を見て『洞察』する!ことがとても大切ということがわかりましたでしょうか。
更には、多くの人に選ばれようとするのはダメ、まずはニッチ層にターゲットする戦略を取ることが大切ですね。

僕はずっと営業をしていましたが、こういう
視点や観点を知ることで様々なことに活かせます。
やはり、自社サービスや商品は、お金の生まれるポイントや
価格戦略によって、与えている価値はまったく異なります。
上っ面の価格をみるだけではなく、こういう情報が
頭の片隅にでもあると、表面上ではなく、
本質を見ること・伝えることができるようになります。

是非、自分の頭のメモに
事実→具体化→抽象化→転用 
して読んでみてください、世界が変わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからもどんどん役に立つ情報を投稿していきますので
是非、フォローといいねお願い致します♪

事業計画書やビジネスモデルを考えるにあたってのお話しはここまで。
次回以降は、戦術やスキル関係を投稿していこうと思います。

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