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4月8日 影になること。

今日は残り少ないアルバイトへ行ってきた。しかし今のバイト先で働き始めて本当に良かった。カウンターのみの店なので、お客さんとの距離感に気を遣う努力をする。他社との距離感をつかむスキルというのは割と重要で、どの職種においても求められる能力だ。その面で僕はこのバイトを始めてかれこれ1年たつが、最近になってやっとこそ大枠をつかめるようになってきた。
話は少し変わるが、学生のうちにサービス業(特に飲食)は経験すべきだと僕は強く思う。言葉の使い方もそうだが、やはりなんといっても「当たり前」が「あたりまえでない」ということに嫌でも気付けるからである。旅行に行く、飲みに出かける等々、何をするにもサービスをする側、いわば影ともいうべき存在がいるということを肌で感じることができる。

例えば、僕が3月まで働いていたレストランは立地に恵まれていることから非常に多くの観光客が訪れる場所だった。去年3月新型コロナウイルスの感染拡大を境に観光客は激減、閑古鳥が鳴く日々。しかし9月以降、GOTOトラベルの影響でレストランには連日多くの観光客が詰めかける。人手を削ったままなので、厨房はごたごた(パリロンドン放浪記のホテルXを想起させるかの如く)、ホールも人手が全く足りず客の対応に奔走。喧騒のレストランと名付けたくなるほど、毎日がぎりぎりで、今思えばよく回っていたものだと感心するほどだ。

僕が経験したことは特殊かもわからないが、誰かの笑顔の裏には必ず誰かの苦労があるという1つの社会構造を再認識した。新型コロナウイルスに翻弄されながらも、強風をトタン屋根で何とか凌ぎ続ける飲食店にスポットライトを当てたい。そう思う限りだ。
このカウンターに立って接客をするのも残すはたったの4回きり。
最後までお客さんに寄り添った思いやりのある店員を貫ければよい。

(今日更を割って平気な顔をしていた俺が、どの面下げて。)

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