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現代が自由の時代って本当?

※これは2019年10月7日にMediumに投稿されたものです。

現代は平等な社会だって、誰かが言う。人類の長い歴史の中で、初めて本質的な自由を手にした時代だと言う人もいた。まぁ、歴史を齧ってみたらそうなのかもしれないと思うこともある。

だけど、現代だって近代以前の世界と本質的に何も変わらない。

近代以前の社会は、厳密言えば多種多様だけれど、基本的に行ってしまえば王権政治が中心で、王様っていう呼び方をしなくても、実質的には王様みたいな人が政治をする。ほとんどの人間はいつも自由じゃなかった。

自由って何だ?っていう人がいる。カントっていう凄い哲学者が言うには、自分の理性が決めたルールに従うことだという。自由って言葉を、つかこうへいって作家は「自らをもって由となす」と言った。

たぶん、自由ってこういうことだ。

……僕らは、自由なのかな?

会社では上司に、家では親に、いつも誰かに振り回されて、誰かの支配下にあるような気がする。それで、だんだんと視野を広くしてみたら、僕らはいつも金持ちの思惑に振り回されている。

親はいつもお金をくれる会社に従うばかりで、その会社はお金を出してくれた人たちに頭を下げて……みんな、お金をくれる人には頭が上がらない。

「お金は信用を形にしたものだ」ってどこかのお笑い芸人が言った。だけど、たぶんお金は、自分の権力の総量を形にしたものだ。素敵な人に貢ぎたくなるのは、自分の権力を相手にあげて、相手に自分を導いて欲しいだけだ。素敵な芸術作品にお金を払うのは、生活の余剰を楽しむのは権力者の特権で、自分にはそれだけの権力があることをアピールするためだ。だから芸術家はいつも乞食だ。

話が逸れてしまった。ごめんなさい。

まぁ、歴史的に見てみたら王様はお金持ちだったし、現代のお金持ちは会社を作って小さな王国を作る。YouTubeやTwitterで偉そうに話してる奴らはお金持ちばかり。時代は進んでも、人間は誰かを従属させたいって思いを捨てられないわけで、主人と奴隷の関係が人間の最初の他人との関わりだって言った偉大な哲学者もいた。

……だったら、変われないよね。

分かりやすく身分制度を作っちゃったら体裁が悪いわけで、経済っていう複雑な概念で上手くカモフラージュして、革命を起こさせないようにされてる。お金さえあれば権力者になれるんだって抜け道を用意されていて、その抜け道を通ってきた奴が、抜け道の見つけ方を教えるばかりで何も変えようとしない。抜け道の見つけ方はたくさんあるけれど、その実態は誰かの権力を奪うってこと。そうやってお金を持って権力者になったって、またいつ失うか分からないんだから、いつまでたっても自由にはなれない。

だから、僕はお金が嫌いだ。

僕らから、本当の自由を奪いつづけるんだから。

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