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本音で話すことって実際…
よく勘違いされるのですが、「思ったこと」と「本音」は違います。「本音」は言うべきですが、「思ったこと」は何でも言えばいいというものではありません。
「本音」とは、自らの価値観に付随している一貫性のあるものであり、「思ったこと」とは、その場の空気やその日のご機嫌に左右されてしまうものだからです。
「思ったこと」と「本音」を混同してしまうと、瞬発力だけでコミュニケーションを取ることになり、同じ話題でもご機嫌がいいときは「イエス」、ご機嫌が悪いときは「ノー」、自分が好きな人なら「イエス」、自分が嫌いな人なら「ノー」となり、それはただ他人を自分のご機嫌で振り回すだけの暴論にしかなりません。
瞬発的に「思ったこと」の殆どはただの感情論。
ご存知の通り、間違いを犯すのはいつも感情であり、「あのときなんであんなことを言ってしまったんだろう」という失言による後悔は、瞬発的な感情に従ってしまったが故の後悔なんです。
「本音」というものは、好き嫌いに左右されませんし、ご機嫌の良し悪しにも左右されませんし、その場の空気にも左右されない理性的なものです。
理性的なのが「本音」ですから、自己主張のぶつけ合いにならずに、ちゃんと話し合いが成立するわけですね。
人はどうしても理性より感情が優先されてしまいがちな生き物、自分の本音はいつも感情の下にある。
それを見つけるためにも、本音で話し合うときはそれなりの準備が必要なものなんですよ。
そして突き詰めていけば、「本音」とは「これだけは譲れない」という価値観であり、それはそんなにたくさんあるものではありません。
世の中なんて実にどうでもいいことに溢れているものであり、だから自分の「本音」をちゃんと理解している人は、どうでもいいことは他人に合わせ、「これだけは譲れない」という数少ない本音だけを話し合い、相手としては普段は合わせてもらっている恩もあるので自分の本音を通して貰えるという、そんな器用な生き方ができるということですね。
そのためにも、まずは自分の「本音」=自分の中の譲れない価値観がなんなのかをちゃんと整理して理解する必要があるということです。
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