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令和四年四月二十九日 白山神社(はくさんじんじゃ) 新潟市中央区

先月に引き続き新発田市に出張、宿泊。翌朝、新潟駅に移動し、万代口よりバスで15分の新潟総鎮守・白山神社を訪れた。事前に公式サイトの境内図を確認するに、見どころ満載の神社と見受けられたが、実際その通りであった。

建立時期は二度の火災で正確に知ることは出来ないようだが、延喜(901〜)とも寛治(1087〜)とも言われている。主祭神は、菊理媛命大神(くくりひめのおおかみ)=白山大神、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)。菊理媛命大神は別名を、白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)と言い、加賀の霊峰白山頂上に祀られている女神で、この神様を勧請して新潟の地に祀った。農業、海上、国家、郷土の守り神であると同時に、願うことを正しくより良い方法でお導きくださり、乱れた糸を「括り」整えるように融和され仲を取り持ち和す縁結びの神であるとのこと。
配祀神は、天照皇大神、八幡大神。合祀神は、住吉大神、稲荷大神はじめ十三柱の神々。


「市役所前」で下車し、一番堀通りと古町通りの交差点にある朱の大鳥居より参道に入る。


二つ目の鳥居を右に曲がると石の鳥居がある。船主らが海上安全を願い、広島県尾道より北前船*で運ばれ奉納された。両脇に備前焼の狛犬。狛犬とは左側の角のある口を閉じたものを指し、右側は獅子だと言うことを、本日知る。向こうに見えるのが随神門(ずいしんもん)。
*江戸時代から明治時代にかけて日本海海運で活躍した、主に買積みの北国廻船(かいせん)の名称


随神門の手前左手に福石「歯固め石」、続いて手水舎がある。白山神社は、歯苦散(はくさん)の字があてられるように、「歯痛平癒」「医療安全」のご利益があると言われている。手水舎はコロナ禍のもと自主規制で水を流さなくなり、その代わりに水盤に花を浮かべるなどの演出をする神社が増えた。こちらの神社は花に加え多数の風鈴を提げ、水音の代わりに爽やかな音を響かせていた。

手水舎で身を清め、入母屋造(いりもやづくり)・銅板葺の随神門をくぐる。


立派な松の木を構えた堂々たる三間社流造銅板葺(さんげんしゃながれづくりどうばんぶき)の本殿。

本殿には「神明照覧」の額。井桁に格縁(ごうぶち)を組んだ格天井には鮮やかな花が描かれる。


本殿右手の社務所近くに黄龍手水。その手前の鳥居には小さな鯉のぼりが風にそよぐ。

黄龍の手水


本殿左手にある鳥居をくぐり地下道を抜けると、神額の三社に参拝できる。


先ず、日本最北端の安置される道祖神が現れる。

睦まじく餅をつく男神、女神が石に刻まれているところから、
安産、子授け、子育て、縁結び、夫婦円満に霊験があると言われる。


次に「蛇松(じゃまつ)明神」。金運上昇、商売繁盛などの御神徳がある。白山神社の神様の使いでもあり、霊力に富むとされる蛇松さまは、巳成金(みなるかね)の信仰から、一月の初巳の日や、毎月の巳の日には大勢の参拝者で賑わう。

「蛇松伝説」なる不思議な物語がある。
背後の大きな松が「蛇松」


二つの鳥居のある参道を抜けると「松尾(まつお)神社」と「黄龍(おうりゅう)神社」が鎮座する。
松尾神社の御祭神は、大山咋神(おおやまくいのかみ)と中津島姫神(なかつしまひめのかみ)、別名・市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)=弁財天。前者は、京都松尾大社と同じ山を司る神様で、醸造、お酒の神でもある。後者は、弁財天と同神化された海の神様。宗像三神三姉妹の中でも美人の神として有名。

黄龍神社の御祭神は、何とも長いお名前。黄龍八一分身金鶏供養宝船大権現(おうりゅうひのもとぶんしんきんしくようたからふねだいごんげん)。金龍ともされる黄龍さまは、信濃川中洲の白山神社を聖地として、新潟の鬼門ひいては日本の鬼門を守る、開運厄除・受難除けの守護神で、天変地異があるごとに御霊を表して難を救ってくださると言われている。



「結びのかわら」。白山神社にいらっしゃる神様のお力が瓦の形になっているらしい。



再び地下道を戻り境内へ。さまざまな願いを込めて願掛けができると言われる「祈願の狛犬」。

「結びの絵馬掛け」のある通路を挟んだ反対側にある「大黒さま」。言わずと知れた福の神、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。商いに関わる方々に福を授ける、商売繁盛の神。

安田瓦でできた招き猫。撫でることで開運と福を招く。


通路を抜けると「御稲御倉(みしねのみくら)と「白山くくり石」。
御祭神は、御稲御倉大神と稲荷大神。御稲御倉はお供えする抜穂の御稲を納める社で、昭和二十八年、第五十九回式年遷宮で伊勢神宮に建立され、昭和四十九年に白山神社に頂いた由緒ある御倉である。御倉の前にはたくさんの風車が設置されている。風が吹くと一斉に回りだし、目にも楽しい演出である。
白山くくり石は開山千三百年の節目に、白山神社総本宮である白山比咩神社から特別に頂いた御神石で、直接手で触れると白山さまの御力を授かることができると言われている。


はす池
白山神社のしゅうへんは公園として整備されている。
この銅像は、白山公園の創設者・楠本正隆。
「子宝犬」とも呼ばれる忠犬タマ公像
緑に映える藤の花房
はす池近くにある燕喜館(えんき感)。明治時代の商屋である齋藤喜十郎氏の邸宅の一部を白山公園に
移築再建した歴史的建築物で、茶道や華道など文化活動を行う場として貸し出されている。



龍神ボニーとともに、龍神様の神社を巡る 26


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