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かなしいことははんぶん

先日、もの凄く腹が立ったことがあった。どれくらい腹が立っていたかというと、3日間ずっと思い出しては腹が立っていたくらいだった。間違いなく今年一番腹が立った出来事だったし、ここ2年ぐらいを思い返してもトップクラスに腹が立った案件だった。

昨日は劇団の定期稽古の日だった。合間の世間話で、腹が立った話を仲間たちに聞いてもらった。みんなうんうんそれは酷いねとか、そこまで怒ることでもないんじゃない?とか言いながら聞いてくれた。気がつくとあれだけ腹が立っていたのが嘘のように、怒りは随分と収まっていた。怒りという感情は誰かに話して共有してもらうことで(必ずしも共感じゃなくてもいい)、少し和らぐ性質があるように思う。他人のネガティブな感情に引きずられてネガティブになってしまう人もいるから相手は選ぶべきだが(僕自身も割とそういう性質である)、気のおけない仲間と集まった時に誰かの悪口で盛り上がったりするのもそういうことなのかもしれない。

そういえば、「たのしいことはふたりぶん、かなしいことははんぶん」なんて歌があったなとふと思い出してググってみた。NHK『おかあさんといっしょ』の中にあった、『ふたりはなかよし』というショートアニメの曲だったようだ。懐かしい。歌詞を見て、あまりの良さに感嘆してしまった。少しだけ引用させてもらうことにする。

ころんだら いたかった
いたくて ないちゃった
ないたら とんできて
ふたりで ないちゃった
たのしいことは ふたりぶん
かなしいことは はんぶん


なんて素晴らしい歌詞なのだろう。転んで痛くて泣いていたら飛んできてくれて、一緒に泣いてくれる。こんな素敵なことがあるだろうか。いや、あるのだ。怒った話を聞いてくれて、一緒に笑ってくれる。かなしいことははんぶん、たのしいことはふたりぶんにしてくれる仲間がいる。それはとても素晴らしいことなのよ……と、脳内ミサトさんが僕に囁いた。僕はここにいていいんだ。おめでとう!おめでとう!!唐突なエヴァンゲリオン終わりでこの文章は締めさせてもらうことにしよう。

……そんなわけで昨日腹が立った話をしていたら、劇団のえこちゃんが黙ってLINEギフトで500円を送ってくれたので、今日は王侯貴族のような贅沢をしてやろうと思います。えこちゃんありがとう。

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