遠恋の果ての果て

こんな夜に君は今何思うの？
ちなみに俺は友達の女の子と
サッカー日本代表の試合を見てきた帰りだよ
あ、浮気とかじゃないから安心してね

P.S.…P.S.…

…… …… ……
…… …… …… ……

…… …… ……
…… …… …… ……

「ごめん忙しくてLINE見てなかった」
「そうなんだー、すごいね！いいなー」

遠い距離が二人近づけてく
そんな歌に励まされた時期が僕にもありました

僕たちで見えぬこの距離を
開いたって消えぬと思っていたこの意志を
抱いてまたいでくぐり抜って行こうとしたのに

笑ったってどこか悲しくて
怒ったってどこか切なくて
きっといつもどっかに君はいたはずなのにな

今日指輪を外して出かけてみたけど
財布を忘れるわけでもなく仕事に遅れるわけでもなく雨が降るわけでもなく普通の一日でした
恐るべきは「忘れる」ということですね
だけどもそんなあなたの
あなたの

あなたの

大切さを忘れさせたのはこの「距離」です
だからこの距離を無限にすら感じるのです
悔しいけどあなたが好きというこの気持ちがどうしても証明出来なくなってきたのです

君が目にするものを僕は見れないそんな日々だとて
僕にしか君に見せれぬものを日々探す
そう思って集めたたくさんのキラキラが
宝石箱の中でもう腐りはじめている

憎んだこの二人の距離が
いつしかこの二人の想いを
がっつりごっそり削っていった

見えない君を忘れゆく僕を
見えるものにすがるこの日々を
何て言って笑ってくれたっていいよ

隣にいなきゃこの尊さも失ってしまうから
いっそ僕はもっと会える距離の「誰か」でいいよ

僕は誓えない
この距離が開いたってこの意思が消えぬだなんて
今日も明日も明後日も君が消えてゆく

さしあたって僕はあの彦星
言うなれば君は織姫星
ジャンでケンでポンで勝ったほうが
川渡って会いに行く前に川は氾濫して
綺麗な湖になってしまいましたとさ

※RADWIMPSの『遠恋』という歌のオマージュです